生活はラクでも婚活で苦労する、実家暮らし女性
写真はイメージです(以下同じ)
実家暮らしの女性は婚活で苦戦しがちです。20代ならそんなこともないのですが、一定の年齢を超えて一度も実家を出たことがないと大変です。 筆者もそんなコラムをたびたび書いているため、実家暮らしでドキっとした方が「ちゃんと働いているんですが……女性も実家を出た方がいいのでしょうか?」と相談に来ることもあります。 美香さん(仮名・34歳/金融機関勤務)もその一人。マッチングアプリでダラダラと婚活はしていて、「お付き合いして2~3カ月で自然消滅した彼氏はできた」そうですが、結婚には至りません。「いいね」は来ても、会ってみたいと思えない男性が多いのだといいます。
短期間で自然消滅した“彼氏”。本当に恋人同士だった?
「それは本当に彼氏だったの?」 「でも、目の前で(マッチング)アプリも退会してくれたし」 「それぐらいパフォーマンスでやりますよ。彼の家に行ったことはありますか?」 「いえ。でも、今度招待するねって言ってましたよ」 しかしそんな会話をしたデートの後、連絡が減り、LINEを送っても既読がつかなくなってしまったのだとか。なので、招待すると言われただけで、彼の家を訪問していないのです。 彼氏から見た美香さんは、本当に「彼女」だったのでしょうか?
その彼氏さんは36歳、外資系のIT企業勤務で年収800万円です。一方の美香さんは34歳、銀行の事務職で年収400万円ちょっと。 通常、30代半ばから女性は同年代の男性とマッチングしにくくなり、40代以上からの「いいね」が多くなるのです。失礼ですが、美香さんは不美人ではないものの特別美人とか特別にコミュ力が高い方ではなく、そんな好条件の同年代男性とマッチングするには、いわば“相場”と合っていないのです。
自分の倍の年収の人と、簡単に付き合えるのか
私が違和感を伝えると、美香さんは反論します。 「でも、私の会社でも総合職なら年収それぐらいですよ。彼とマッチングしたのは海外旅行っていう共通の趣味があったからだと思いますよ。私も海外旅行が好きで、長期休暇だとコロナ前はよく海外旅行に行っていたんです。行った国の話で盛り上がりました」
「海外旅行って、婚活では男性から不人気の趣味なんですよ。男性であまり海外旅行が好きな人って見ないのでは? それに同僚で同じぐらいの年収の方がいるなら、職場恋愛の方が良いのではないでしょうか? マッチングアプリはライバルが多いから、職場恋愛で結婚するよりずっと厳しいんですよ」 「でも、旅行に全然行かない男性って私と合わないと思うので、別に海外旅行が好きな人を探せばいいと思うんです。それに会社の人はみんな既婚で、独身で残っている人は癖が強い人ぐらいです。職場恋愛する人は20代のうちに結婚しているし」 話していると、美香さんのお話にはやたら「でも」が多いなと感じます。
収入が高くないのに「趣味:海外旅行」という違和感
「海外旅行が好きな男性って、感覚的には、女性と比べたら5分の1とかじゃないでしょうか。ライバルが多い男性を取り合うんです。あと、なぜ海外旅行が不人気か分かりますか?」 「金遣いが荒く見えるとかですよね。でも、ちゃんと貯金もしてますよ」 「分かっているじゃないですか。海外旅行が好きでも、美香さんも総合職で年収が800万円なら金遣いが荒いなんて思われないですよ。貯金していたとしても、年収400万円台で好きに海外旅行ができるのは、実家暮らしで可処分所得が多くて、お金が自由に使えるからなんですよ」 実家暮らしで趣味が海外旅行と書いているだけで、そういう見られ方をするのは事実なのです。
「一人暮らしは普通。実家を出る理由がありません」
一人暮らしをしないのですかと美香さんに聞いてみたところ、こんな会話に。 「でも、一人暮らししようと思えばできるけど、生活はカツカツになりますよ。家からも職場に通えるのに、それでもした方がいいですか? 銀行の事務職は実家暮らししか採らないから、同じ部署の人もみんな実家暮らしだし、これが普通です」 「当たり前のことと思って一人暮らししている人たちからしたら、実家にいることの方が『なぜ?』と思いますよ。実家暮らしで趣味が海外旅行という不人気のプロフィールにしていて、それでも寄って来る男性って、どんな人だと思いますか? プロフィールを読んでいないか、元カレみたいに騙せそうだから近づいてるだけかもしれない。今のままだと、また同じ失敗を繰り返しますよ」
ここで美香さんは、とても意外そうな顔をしました。 「え! 私って騙しやすそうに見えるんですか? 職場ではちゃんとしているって言われますけど」 「美香さんにとって“会ってみたいと思えない男性”あたりが、今の美香さんと釣り合う“相場”なんですよ。自分がそんなに人気がないという相場を受け入れずに、相場以上の男性から『いいね』が来たらそっちとマッチングしてませんか?」 「相場以上って、普通の男性とマッチングしただけです」 「普通って……。普通が多数派ってことなら、女性の多くが20代で結婚しています。それも“普通”?」
晩婚化しても、多くの女性は20代で結婚している
昨今は晩婚化していると言われており、30代での結婚も珍しくないかもしれません。皆さんは、女性で結婚をする人が最も多い年齢は何歳だと思いますか? 厚生労働省の令和2(2020)年「人口動態統計」で女性の平均初婚年齢は29.4歳ですが、婚姻件数の年齢別の状況を見ると、婚姻が最も多い年齢は26歳。29.4歳の時点で、実は初婚女性の7割近くがすでに結婚しているのです。平均初婚年齢は、一部の中高齢者の結婚が引き上げているにすぎません。平均年収と同じですね。
では結婚した人たちは、何歳くらいで結婚相手と知り合っているのでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年6月実施)によると、平均知り合い年齢は女性で24.9歳(男性は26.4歳)。なお平均交際期間は4.3年で横ばいです。 晩婚化とはいえ、結婚する人は、未来の配偶者にわりと若い段階で出会っているのです。美香さんは自分のことを「普通女子」だと言っていましたが、結婚をしたいのなら、34歳はあぐらをかいていられる年齢ではありません。
“普通の男”に会えないのは、自分が“普通以下”だから
色々とお話をした結果、美香さんは一人暮らしすることを検討してくれました。 不動産屋に行き、手取り収入の25%の家賃で、通勤時間30分ぐらいで物件を紹介してもらったところ、比較的家賃が安めの区の、ある駅の物件を勧められました。 いろんな物件を見ましたが、独立洗面台、2階以上、オートロック、築浅などの条件を追加していくと予算と合う物件がなくなり、築浅とオートロックは条件から外したそうです。
「私が“普通”って思っている家は、思っているよりレベルが高かったです。不動産サイトでいい家があって不動産屋にいったら『ちょうど契約成立して、あれは空いてないんです』って言われたんです。不動産屋に来させるためのおとり物件っていうらしいですね。 なんか家探しって、婚活と似てますね」
「普通そうだな、会ってもいいな」はたいてい人気の男性
マッチングアプリのような、事前に条件が見える出会い方では、多くの男性がプロフィールの時点で足切りされます。高望みしているつもりがなくても、NG要素がなく「普通そう」で「会ってもいいな」と思える男性というのは実は、さほどイケメンでなくても人気男性なのです。 そしてこれは、女性が選ばれる際にも同じなのです。たくさんの女性がいる中で、実家暮らしで自立より趣味やレジャーに課金しすぎている女性って、わざわざ選ぶメリットがないのです。 美香さんに良い出会いがあることを願いたいと思います。
