婚活者がサイトでお相手を選ぶとき、実家住まいの人たちは敬遠される傾向にあります。

 

 

いい年をした息子(娘)をずっと実家に住まわせている親、社会に出て働いているのに独立もできず、実家に世話になる息子(娘)……。

 

親は子離れができず、子は親離れができない、どこか「共依存」の関係になっていることが多いからです。

 

 

今回は、そんな典型的な事例を見ていきましょう。 【ベスト100】「この企業に勤める人と結婚したい」ランキング大発表! 4位「グーグル」3位「トヨタ」…“衝撃”の1位と2位は?

結婚後も母親と“べったり”な娘

 佐藤ゆうたさん(34歳、仮名)はバツイチ。再婚を望んで、先日、入会面談にやってきました。

 

そして前回の結婚と離婚について、こんなことを話してくれました。 「僕はほとんど恋愛経験がないまま、30歳になったんです。『このまま普通に生活をしていたら、一生結婚できないのではないか』と思って、思い切って大手結婚相談所に入ったんです」  そこで出会い、成婚したのが前妻の加藤みやこさん(29歳、仮名)でした。 

 

 

「恋愛経験がなかったから、相手の本質を見極められなかった。お付き合いをしているときから、会話に彼女の母親の話がよく出てきました。でも、母親と娘の仲がいいのは悪いことではないし、逆にほほ笑ましく感じていたんですね」  新居も、みやこさんの実家の近くに借りたそうです。その理由も、みやこさんが「もし子どもが生まれたら、実家にサポートしてもらえる」と言ったからでした。ゆうたさんの母親は既に他界し、父しかいなかったので、「子どもを授かったときには、女手のサポートが必要。

 

 

彼女の両親が近くにいたら心強い」と、そのときは思っていました。 

 

「ところが、結婚後も彼女は実家にべったりで、僕の仕事が遅いときには、実家で夕食を食べていた。僕が帰る時間に、実家の母親が作った総菜を保存容器に詰めて、持ち帰る。それが、僕の夕食になっていました」  さらに、みやこさんは土日も、いずれかは実家に帰っていたといいます。どちらが自分の家なのか分からない状態になっていたそうです。 

 

「新居は2LDKだったのですが、一部屋ずつをそれぞれの部屋にして、リビングを共有スペースにしました。それが彼女の要望だったんです。『夫婦とはいえ、プライベートな空間がほしい』と。あと、新婚なのに寝室が別だったんですよ。

 

それも、『人が隣にいると熟睡できない。寝不足で会社に行ったら、仕事に支障を来す』という理由で」  

 

みやこさんの要望をのんで新婚生活をスタートさせたのですが、初日から、みやこさんは夕食を終えると自分の部屋に入り、母親と長電話をしていたというのです。 

 

「夜の夫婦生活も全くないままに、3カ月が過ぎました。いくらそれまで恋愛経験がなかったとはいえ、さすがにこの関係はおかしいと思うようになりましたよ」  そんなあるとき、実家にべったりのみやこさんをゆうたさんが、「結婚したんだから、いいかげんに母親離れをしろよ」と責め立てたことで、大げんかが勃発。みやこさんはそのまま実家に帰ってしまったそうです。

 

 

 「結局、そこからは『離婚したい』の一点張りでした。理由は、『トイレが長い。その後の臭いがひどくて、しばらく入れない』『体臭がきついし、生活の仕方も生理的に合わない』と。

 

自宅のトイレくらいゆっくり入りたいですよね。

 

人間ですから、食事をすれば出すものは出す。その後の臭いを指摘されても(苦笑い)。あと、体臭がきついと言うけど、毎日お風呂に入っていたし、体臭を感じさせるほどの夫婦の触れ合いもなかったですよ」 

 

 

 そして、ゆうたさんは続けました。 「結局、母親と離れているのが嫌だったんじゃないかな。母親も母親で、娘離れができていなかった。実質、結婚生活は3カ月でした。そこから2カ月くらい話し合って、結婚から5カ月後に離婚しました。

 

 

次に再婚する相手は、実家暮らしではなく、1人暮らしの女性がいいです」  ゆうたさんは、大きなため息をつきました。

 

 

 

 

食事も洗濯も母親任せの“子ども部屋おじさん”

 吉野かつこさん(38歳、仮名)がお見合いしたのは、公務員の小田たつおさん(42歳、同)。

 

 

結果は、かつこさんが「交際辞退」を申し出たのですが、そのときにこんな感想を漏らしました。 「

 

小田さんは、典型的な“子ども部屋おじさん”でした。

 

これまで一度もご実家を出たことがないそうです」 “子ども部屋おじさん”とは、一時期話題になったインターネットスラング。ニートやひきこもりとは異なり、社会に出てしっかり働いており、中には、役職のつく立派な仕事をしている人もいるものの、生まれてからずっと実家暮らしで、小学生の頃から使っている学習机や本棚、クローゼットなどの家具に囲まれて生活している……そんな男性を総称する造語です。 「

 

 

大学も、自宅から通っていたそうです。今も会社から帰れば、母親が用意した夕食を食べて、洗濯も掃除も、全て親任せのようでした」  

 

それを平気な顔で言ったという彼に、かつこさんは「結婚したら、家事の分担はどう考えていますか?」と聞きました。すると、たつおさんは、ニコニコしながらこう答えました。 「うちは、母がずっとフルタイムで働いていたけれど、完璧に家事をする人だったんです。父は“男子厨房に入らず”という考えで、ガスコンロに手をつけたこともなかった。父は電気ポットのお湯くらいしか沸かせない人です。でも、さすがに今はそんな時代ではないと思うので、僕も家事は手伝いますよ。

 

 

ただ、料理は作ったことがないので、これから勉強したいですね」  

 

 

 

今の時代、男性が「家事を手伝う」と言うと、女性から敬遠されます。“手伝う”というのはあくまで補助的なサポートで、「家事の主軸は女性が担う」という印象を与えるからです。

 

 

 

男性の皆さんは、「家事は分担する」と言わないといけないのです。  

 

 

かつこさんは、たつおさんの言葉を聞いて、どっと疲れたそうです。家事をしたことがない男性に手伝われても、効率が悪く、かえって足手まといになる。

 

 

さらに、こんな男性と結婚したら、「母親はこうだった」といつも比べられるのではないかと思ったそうです。 

 

 

「仕事をしながら、家のことも完璧にやる。そんなお母さまは、素晴らしい昭和の女性なのでしょうね。

 

 

でも、それを私に求められても困ります。

 

私はフルタイムで働きたいし、家事も育児もサポートではなく、分担してくれる気持ちのある男性と結婚したいです」  昭和と令和では、夫婦の在り方が違うのです。

 

 

見合い相手を、息子よりも先にチェックする母親

 会員の戸村みなみさん(47歳、仮名)が、大河内まことさん(52歳、同)に申し込みをかけたのですが、相談室から「ご辞退」の返事があり、お見合いは成立しませんでした。  

 

 

後日、仲人が集まる会合があり、まことさんの相談室の仲人さんとお会いしたのですが、恐縮しきりでお詫びをされました。 「先日は、女性会員さまにお申し込みいただいたのに、お断りしてしまってごめんなさい。とても立派なご経歴の美人さんでしたよね」  

 

 

そこで私は、「これもご縁ですから、お気になさらずに」と申し上げました。

 

すると、仲人さんが苦笑いしながら、こう言ったのです。 「実は、あの会員は、まずお母さまが申し込んできた女性さまをチェックするんです。入会させたのもお母さまで、会費を払っているのもお母さま。で、入会のときに『子どもが欲しいから、20代後半か30代前半の女性で』とおっしゃられて。

 

そのときに、『さすがに20代は難しいですよ』と申し上げたんです。そうしたら、『うちの息子は医者ですよ。婚活市場だったら引く手あまたでしょう』と語気を荒らげられて」  

 

 

開業医なので、お父さまは現役医師として働いているそうです。まことさんのご実家は大豪邸で、ご両親と同居しているとのことでした。 「それでもまあ、お医者さまなので、たまに30代ともお見合いが組めるんです。そうすると、お母さまがその女性の学歴、仕事から、ご両親の学歴、仕事までチェックなさるんですよ」 

 

 あるとき、そんな厳しいお母さまのお眼鏡にかなった37歳の女性とお見合いが組めたそうです。 「お母さまから、『息子がお会いできるのをすごく楽しみにしています』とご連絡が来ていたんですね」  ところが、その女性が急遽、1カ月の海外出張に行くことを会社から命じられたとか。 「それで、『お見合いをキャンセルさせてください』というご連絡が来たんです。

 

 

それをお母さまに伝えたら、翌日、お叱りの電話がかかってきました」  まことさんのお母さまは、こう言ったそうです。 「やっとお見合いが決まって、息子は楽しみにしていたんですよ。それがキャンセルになって、すっかりへそを曲げてしまいました。

 

 

同じような条件の女性で、お見合いできる方を探していただけませんか? 

 

 

医者は病気を治すのが仕事、仲人さんはお見合いを組むのが仕事ですよね。こちらもお金をお支払いしているのだし、そこはプロとしての仕事をしてください」  

 

 

まことさんの仲人さんは、言いました。 「50歳を過ぎて、実家を出たこともなくて、母親が息子の嫁探しをしている。代々続く医者の家系だから、プライドも高い。あんなお家にお嫁さんに行ったら、女性も大変ですよ」 

 

 

 親子の仲がいいというのは、ほほ笑ましいことです。

 

 

実家を出ずに暮らしている人たちは、小さな頃から優等生で、親に反抗したこともなく、家が一番居心地のいい場所だったのでしょう。

 

 

親が何でもやってくれることが当たり前の環境で育った“大人子ども”。

 

 

そして親は親で、子どもを突き放せない。知らず知らずのうちに、共依存の関係をつくり出しています。 

 

 実家を一度も出たことがない人たちが、婚活市場で敬遠されるのは、こんな事情からです。実家暮らしの人たちは、それを心に留めて婚活をしてくださいね。