仕事において能力はもちろんのこと、やはり見た目も大事ですよね。肌ツヤがよければ清潔さにもつながりますし、自分の体を支える筋肉が少なくなれば疲れやすく、姿勢も悪くなりやすいため老けて見えるものです。

 

 

若々しい見た目を保つためにも、自分の能力をフルに発揮するためにも、なにはともあれ“体が資本”です。日々食べているものから体は作られていきますから、体を万全な状態に持っていくためにはどんな食事をとればいいのでしょうか。

 

 

 

そこで今回は、森由香子さんの著書『60歳から食事を変えなさい』(青春出版社)から、若々しくいられるための食事のコツをご紹介します。

 

 

 ● 美しい立ち姿を維持するには、たんぱく質をどう摂る?  

 

筋肉量は20代から少しずつ減りはじめ、80歳頃までに20歳代に比べて約30~40%の筋肉量が失われるといわれています。特に女性は閉経後に筋肉量減少が加速することがわかっています。  

 

当然のことながら、筋肉が減れば、体力や移動能力は低下しますし、平行感覚も弱くなり、転びやすくなります。私たちのからだは、何をするときも筋肉を使うことで動いています。

 

その筋肉が減り、機能が衰えてくれば、若いころと同じことをしても以前よりしんどく感じるようになるのは、当然でしょう

 

。  60歳から筋肉量を維持するためには、筋肉の材料となるたんぱく質を食事でしっかり補給するのが重要だということは、皆さんももうおわかりでしょうかと思います。

 

 

 

 では、その大事なたんぱく質を、いつ、どのように、どれくらいとればよいか、より具体的にわかっていたほうが、日々の食事にとりいれやすいですよね。  

 

そこで、まず皆さんに覚えていただきたい合言葉が、「朝ごはんにたんぱく質!」です。  

 

 

たんぱく質は、基本的に3食しっかりとっていただきたいのですが、中でも重要なのが朝ごはん。からだがもっともたんぱく質を必要としている朝にたんぱく質をとることで、筋肉の分解を抑えることができるからです。  

 

 

筋肉は常に合成と分解を繰り返していますが、合成の際に原料となるのが、食事でとったたんぱく質から分解・吸収された、アミノ酸です。  

 

 

アミノ酸は筋肉を作る以外にも、さまざまな臓器や免疫機能のはたらきで重要な役割を果たしていたり、酵素・ホルモンの材料として使われていたり、エネルギーとしても使われています。  

 

 

私たちのからだは、寝ている間でもアミノ酸を必要として、ずっと使い続けているのです。  

 

 

しかし、寝ている間には栄養の補給はなされません。

 

そこで、体内でアミノ酸が足りなくなってしまうと、からだは筋肉を分解し、生命維持のためにアミノ酸を使いはじめます。つまり、私たちの体内では、寝ている間に筋肉量が減少してしまっている可能性があるわけです。  

 

 

ですから、朝起きたらまず、何はなくともたんぱく質を朝ごはんで補給することが、筋肉量維持のための、もっとも効果的な食事法だといえるでしょう。

 

 

 ● たんぱく質を効率的に摂るためには何を食べる?  

 

さらに大切なのは、たんぱく質は、できるだけ毎食20gずつとること。  

 

 

実際には、一般的な日本人の場合、昼と夜はたんぱく質がある程度とれていても、朝ごはんだと、たんぱく質は10g程度しかとれていない人が多いことがわかっています。ぜひとも朝ごはんで今まで以上に積極的に、たんぱく質を補給してください。 

 

 

 では、私たちに馴染み深い主な食品のたんぱく質量をざっと挙げておきましょう

 

 【主に洋食】 卵1個…6.1g/ソーセージ1本…2.3g/ハム2枚…7.4g/鶏むね肉80g…18.64g/鶏ささみ肉40g…9.6g/食パン8枚切り…4g/ロールパン1個…3g/牛乳1杯(210ml)…6.9g/ヨーグルト80g…2.9g/ピーナッツバター小さじ1杯…1.1g  【主に和食】 納豆1パック…8.3g/さけ1切れ…17.5g/さば1切れ…15.6g/焼きのり1パック…1.2g/ごはん1杯…3g/豆腐100g…7g  

 

 

朝ごはんにとりいれやすい食品を中心に挙げておきましたので、1食20gで考えると、いつもの朝食でどれくらいたんぱく質をとっているのか、どれくらい足りていないのか、どれを足せば20gクリアできそうか、まずは確認してみてください。  

 

 

 

いきなり毎朝20g食べるのが難しいと感じる場合は、無理のない範囲で、少しずつ増やしていくとよいでしょう。 

 

 

 

● 顔が老け見えするのは、肌の下にも原因があった!  人と会う時の第一印象の中で、顔も大きな要因を占めますよね。

 

 

たとえお肌のケアなどをしていても、年齢を重ねると、どうしても気になりはじめるのが、お肌のたるみ。 

 

 

 

 50歳も過ぎた頃からフェイスラインは下がり、ほうれい線が深くなって、目は落ちくぼみ、目の周りや口元にはシワが刻まれていきます。  

 

 

皆さんは、こうした変化の原因は、年齢とともに起きるコラーゲンの減少や、保湿力の低下など、いわゆる“肌の老化”だと思い込んでいませんか。 

 

 

 確かに肌の老化でもあるのですが、それだけではありません。実は頭蓋骨が大きく関係しているという意外な事実が、近年の研究によって明らかになってきたのです。

 

 

 

 ある研究報告によれば、各年代の男女の頭蓋骨をMRIで撮影してみたところ、年齢が上がるほど頭蓋骨が下に向かって崩れてしまっているとのこと。

 

同時に、眼窩(目が位置する穴のこと)も年齢とともに広がっていく傾向にあるそうです。 

 

 

 原因は、年齢による骨密度の低下。

 

つまり、私たちの年齢による変化は、肌だけではなく、その下にある骨でも、確実に起こっていたのです。

 

 

  なかなかショッキングな事実ですが、こうした現象を少しでも防ぐためには、骨密度を保つ栄養成分を、毎日の食事からしっかりとることがとても重要です。

 

 

 ● 「顔の骨の骨粗鬆症」を防ぐ食材とは  骨といえばカルシウムが有名ですが、それだけでは不十分です。葉酸、ビタミンK、たんぱく質なども必要で、中でも特に注意していただきたいのが、カルシウムの吸収を助けるビタミンDです。

 

 

 

  しかし、ビタミンDは入っている食品が限られており、なかなかとりづらい栄養素であるため、多くの日本人が不足しているといわれています。  そこで私が皆さんにおすすめしているのが、魚料理です

 

 

。  ビタミンDは卵黄やきのこなどにも入っていますが、なんといっても魚に豊富です。 

 

 

 成人男女のビタミンDの1日の推奨摂取量は8.5㎍ですが、たとえば、さけ1切れ(焼き魚)で39㎍、真がれい1切れ(焼き魚)で27㎍、さんま1尾(焼き魚)で17㎍もとれます。

 

 

 

  しかも魚には骨を作るときに必要なたんぱく質もしっかり含まれているので、骨の健康を保つために必要な栄養成分が効率良くとれる食材といえるでしょう。

 

 

  クリニックで栄養指導をしていると、骨粗鬆症になられている方の中には、魚があまり好きではない人が多いような印象があります。魚は調理が面倒、匂いが気になる、骨がわずらわしいなどの理由で、肉料理ばかり好む方が多い気がします。

 

 

 また、「ビタミンDは日光を浴びることで体内で増える」という話がテレビや雑誌でとりあげられたことで、「自分はよく外に出て日光を浴びているからビタミンDは不足するはずがない」と思い込んでいらっしゃる方もいました。

 

 

まずは食事でビタミンDをしっかり補給しないと、いくら日光を浴びても、それだけでは不十分です。 

 

 

 ですから、男女問わず、フェイスラインのたるみが気になる年齢になってきたら、ぜひ1日1回は魚料理を食べて、ビタミンDを積極的にとってください。  

 

 

特に女性の方には強くおすすめします。更年期に入り女性ホルモンが低下すると、その影響で骨が弱くなり、男性の約3倍も骨粗鬆症になりやすいからです。毎日魚料理をしっかり食べて、骨の健康を保ち、若々しいフェイスラインを保ちましょう。