異性、特に好きな人に「追いかけられたい」「求められたい」と願うのはよくあることですが、「追われる恋愛じゃないとイヤ」とこだわってしまうとせっかくの縁を逃します。

相手の労力や気持ちを無視した振る舞いは、かえって自分の価値を下げるだけ。

間違った関心の引き方が幸せを遠ざけることについて、お伝えします。

「追われる=価値が高い」?

性別や年齢に関係なく、「好きな人に追いかけられる恋愛こそ正解」と思い込む人はよく見ます。

仲良くなって距離が縮まると、それまで自分から送っていたLINEをやめ、相手が「何かあったのかな」と気にして連絡してくるのを待つ、デートも「週末は暇だから」とだけ言って相手が誘ってくるかどうか見る、「受け身」が始まります。

「自分のことが好きなら向こうから行動を起こすはず」

こんな人が願っているのは自分に愛情を向ける相手の姿で、ちょっと引いても向こうが動いてくれるだろうと一方的に期待し、それがかなわないと好かれていると思えません。

「何もしなくても求められる自分」こそ価値が高く、追いかけてくる姿が愛情の証として相手がそうなるように仕向けるのですね。

「追われる自分」を実感しないと好かれていると思えない、関係の安定を相手の関心任せにするのが特徴です。

「追わされる側」には負担がかかる

一方で、こちらに好意があると思っていたのに急によそよそしくなった相手を見て、自分の気持ちをストレートに伝えることに不安を覚えるのが「追わされる側」です。

LINEでメッセージを送ってもなかなか既読がつかない、今までは読んだらすぐ返信があったのになぜか遅くなって内容も短文で、週末は気軽に誘いあっていたのにこちらから声をかけないと会えなくなった……。

こんな状態で「さらに相手を求める自分」にためらわない人は、なかなかいないと思います。

それまでいい雰囲気だったからこそ、あえてこちらから求めないと会話もできないような状況は相手からすれば「関係の悪化」であり、本当に好きだと思っていたとしても踏み込む勇気を持つのは難しいことです。

今まで通りの振る舞いをしているのに相手はこちらから誘われたら応えるような状態になり、自分が「追いかける側」になったと気がついたとき、そこで関心が途切れるのは「フェアじゃない」と拒否感が生まれるから。

自分だけがふたりの関係のために力を尽くし、相手の“愛情を受け取るだけのような姿”は、健全な愛情を育てられないと思うのは当然です。

「追われる恋愛」にこだわる人が忘れているのは、そんな自分が相手にはどう見えているのか、相手は自分とのつながりをどう思っているのかという客観視。

片方に負担のかかる恋愛を「それが幸せ」とするのは、自分だけが満足する状態なのだと知ることで、相手を尊重する気持ちを取り戻せます。

「男は追うもの」という勘違い

女性でよくあるのが「男らしく関係をリードしてほしい」「ちょっと強引なところに男らしさを感じる」と男性に役割を持たせること。

「私のことが好きなら追いかけてくれるはず」と思うのもその姿に自分にはない力強さを感じるからで、求められる自分に特別感を覚えるのですね。

まともな男性ほど、受け身で誘われ待ちの女性は早々に見限ります。

「男は好きな女性を追うもの」と思い込み、その役をこちらに振ってくるような女性と同じ目線で時間を楽しめる可能性は低いからです。

女性側の下心を汲んで「あえて追いかけるフリをする」男性もいますが、本当に愛情がなければそんな遊びはすぐに飽きるもの。

どんな男性であれ、「こちらが頑張らないとうまくいかない恋愛」に身を置くことはなく、それよりも好意を向け合うのをためらわない女性を求めるのが現実です。

「追われる恋愛」を求める女性の本音

「こっちをどう思っているかって、追いかけてくるかどうかでわかるじゃないですか。それを知りたいから、駆け引きじゃないけどちょっと連絡をやめてみて相手の様子見をすることはありますね」

「私ばかり好きで向こうはそうでもなかったら恥ずかしいし、こっちが引いて電話とかデートとか誘ってこないときは諦めます。空気の読めない女にはなりたくないです」

これらは、「追われる恋愛」を望む女性たちの言葉です。

好きな人から距離を取ることで相手の反応を見て、それによって自分の気持ちを決めるのは傷つきたくないからです。

「空気の読めない女になりたくない」は自分だけが相手を好きだったという悲しみを避けたいからで、「100%報われる恋愛がしたい」ことがよくわかります。

その手段として「追わせる」があり、それまでのつながりをいっさい無視したような振る舞いに出ることで相手の気持ちを確かめたいのですね。

恋愛に不安はつきものであり、好きな人に好かれたいのは誰もが同じ。

相手の好意に確信を持ちたいとき、「自分を求めてくるかどうか」で判断するのは、相手の不安やためらいを考えていないことになります。

雰囲気の変わった自分に「好きじゃなくなったのだな」と感じ、相手がそのままフェードアウトしていくような終わりこそ、求める愛情から遠ざかるのだと忘れてはいけません。

「追わせる」より「対等な関係」を目指すことが“安定”を育てる

三年以上交際が続くカップルや、片思いからお付き合いへとスムーズに発展した男女に流れを聞くと、以下のような言葉が出てきます。

「絶対に付き合いたいと思っていたから、好きな気持ちは隠さなかったです。彼の好きそうなお店を調べるのも楽しかったし、彼が次に私の好みのお店を見つけてくれるのも幸せでした」(女性/30歳/セールス)

「彼女は俺の忙しいときは連絡を控えてくれて、でも暇になったらすぐ次のデートとかを考えてくれるから俺も彼女のために仕事をがんばれます。時間ができたら彼女を誘うのは当たり前ですね」(男性/28歳/インストラクター)

気がつくのは、好意を伝える自分を当然にしていることです。

彼らに「相手に追わせる」という考え方はなく常に相手の気持ちや状態を尊重し、自分の意思もしっかりと持って関係を続けています。

つながりを対等に保って、愛情を伝えることも受け止めることもためらわないのは、相手に心を開いているからです。

それがお互いに伝わることで、「愛される自分」を自然に感じられるのですね。

駆け引きもネガティブな依存も不要、まっすぐに愛情を育てられるのは、何よりも相手を好きな自分に自信を持つことが重要です。

好きな人に追いかけられる刺激は確かに心地よいものですがその心地よさを感じるのは自分だけであり、相手だって愛されたいという気持ちがあります。

そこを無視して相手にだけ負担をかけるつながりが、「追われる恋愛」の現実です。

幸せな恋愛は、ふたりが対等に愛情を向け合う姿を見せることができて叶います。

「100%報われたい」はお互いさまだからこそ、まずは自分から伝えていく勇気を持ちたいですね。