タレントの小倉優子(38)が、2度目の離婚を発表した直後、自らの失敗をネタにテレビ出演したことが話題を呼んでいる。1度目は夫の不貞が離婚の原因だったが、今回はそうではない。実は離婚の傾向として、不貞より重いことがあるという。 困った中高年の婚活事情…50代おじさんが娘世代の「25歳女性」にこだわる持論とは?  ◇  ◇  ◇  厚労省の「人口動態統計」(2020年)によると、離婚件数は19万3253件。25年ぶりに20万件を割り込んでいる。件数そのものは減っているが、それは結婚の件数が減少しているため。この年の婚姻数は前年比7万3500件少ない52万5507件だ。そこから離婚を婚姻数で割って算出する特殊離婚率は約37%。前年より2ポイント増えている。  では、どんなことを理由に男と女は、たもとを分かってそれぞれの道を歩み始めるのか。「司法統計」(20年)によると、夫婦関係調整調停事件の申し立て理由が<別表>で、浮気や不倫などの不貞に当たる「異性関係」は妻側の離婚理由5位で、夫側の4位。「家庭を捨てて省みない」も、妻側の8位、夫側の10位だ。なるほど、「異性関係」が離婚理由として必ずしも大きくはないことが見て取れる。

浮気調査クロですぐに離婚するのは10%

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 男女問題研究家の山崎世美子氏が言う。 「配偶者の異性関係で相談を受けると、浮気調査に入ることがあります。調査結果がクロだとしても、離婚するのはせいぜい10%。90%は離婚に至りません。なぜか? 相手のことが好きだから。夫や妻を自分の元に取り戻したい一心で調査をするのです」  そういえば、小倉は11年にヘアメークアーティストの男性と結婚して2人の子宝に恵まれるも、男性の不倫をキッカケに17年3月に離婚。18年12月に歯科医の男性と再婚し、19年末から2年半別居していたと報じられている。2人目の夫は女性関係がハデなタイプではなく、2度目の離婚理由は少なくとも異性関係ではないだろう。  改めて司法統計を見ると、離婚理由の1位は男女ともに「性格が合わない」。一緒にいることの楽しさや快適さを感じて結婚したはずなのに、性格の不一致とはどういうことか。縁の切れ目について山崎氏に聞いた。 「『性格の不一致』を言い換えると、『生活の不一致』です。特に重要なのが、人間の3大欲求の1つでもある食事。この食い違いが、生活を重ねるにつれて大きく響いてくるのです」

 

 

味見もせずにマヨネーズをドバッと

つゆがはねないように(C)日刊ゲンダイ

 山崎氏に相談した40代の女性は、結婚前は実家暮らしだったため、交際中の食事はすべて外食だった。店で出された料理をそのまま食べていたので、夫の食事の癖に気づかないまま結婚してしまったという。 「その相談者の夫は、自宅での食事だと、ソース、ケチャップ、マヨネーズが必須で、どんな料理にもいずれかをかけるそうです。それも味見することもなく、いきなりドバッと。結婚当初はなるべく波風立てないように、『まず食べてみて、マヨネーズをかけたら』と夫にお願いしたそうですが、夫は『昔からこうだから好きにさせてよ』と聞く耳を持ちませんでした。食事を作るたびにそんなことをされたら、妻はどう思うか。最初のうちはガマンしていたそうですが、2カ月で限界に。食事が別々になり、夫はスーパーやコンビニで総菜を買ってくるようになったといいます。で、その容器や飲み物のペットボトルを片付けないから、相談者の怒りがさらに膨れ上がったのです」  ペチャペチャ音を立てる、箸やフォーク、スプーンの使い方が汚い、魚や骨つき肉の食べ方が雑、テーブルを汚す……。女性のように交際中の外食だと、お互いカッコよく見せようとして、こうした悪癖が矯正される。結婚して無意識の食事になると、次第にボロが出るという。 「交際中と結婚とでは、2人の関係の違いは婚姻届を出すか出さないかだけですが、その紙切れ一枚で2人の距離感は確実に縮まります。そうするとパートナーには、より自分と同じ感覚を求めるようになる。それで、相手と違う生活感覚が露呈すると、『あれっ?』という思いを生みます。それを何度となく目の当たりにすると、心がざわつき、不協和音が生じ、ひいては相手への嫌悪感につながることがあるのです。友達や他人なら気にならないことでも、パートナーにだけ強い嫌悪感を抱くのはそのため。セックスはレスでも何とかなりますが、食事は死ぬまで欠かせませんから、食卓を囲めない、囲みたくない相手と離婚になるのは必然です」  あることに相手への嫌悪感が芽生えると、それ以外のことも嫌になってくる。前述の相談者の女性は、夫と洗濯も別々になった。夫は干した洗濯物を取り込むと、ソファに置いて放置する。「ゴムが伸び切ったトランクスを見せられるのも腹立たしかった」そうだ。洗面所では、手を洗った後に周りをビショビショのままにするのも、許しがたかったという。 「生活の不一致が見つかると、うまく対応できる方が、できない方に注意したり、その場を取り繕ったりします。それで不一致の状況が改善して、心の平穏を取り戻せればいいのですが、できない方が反発したり、ふてくされたりすると、夫婦関係の溝になるのです。そうなると、相手に嫌悪感を抱いた方は、相手のことを気持ち悪く思い、生理的に受け付けなくなる。そうなったときが、男女とも離婚の意思を固めたときです」

 

 

生理的なNGでカウントダウンに

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「あれっ?」から始まった生活の不一致が不協和音となり、嫌悪感に。それで相手のことが気持ち悪くなったら、そろそろ離婚秒読み。もう一段階悪化して生理的にダメになったらアウトだ。離婚までの気持ちの変化としていくつかの段階があることが分かる。その“地雷原”になりやすいのが、食事のマナーや、洗面所や風呂場、脱衣所の使い方、部屋の掃除や片付けなど。部屋については自分の部屋ではなくて、リビングをはじめ共有スペースの使い方が重要だという。  もうひとつ、健康管理が見逃せないそうだ。 「ある50代の女性は、夫が健康診断を受けていないことを気にして、自分と一緒に人間ドックを申し込んだところ、夫に肺がんが見つかりました。ステージ1で早期だったため、手術で事なきを得ましたが、夫は女性の心配を知ろうともせず、たばこを吸い続けた。退院後は友人や親戚らから受け取った見舞金や保険会社の保険金で豪遊し、女性には感謝のかけらもナシ。それで女性は、1年後の検査で転移も再発もなかったことを夫に確認すると、離婚を切り出したのです。『大病しても体を大事にしようとしない夫と一緒にいたら、やがて介護地獄を余儀なくされますから』というのが離婚理由です」  50歳を越えると、相手の介護が視野に入ってくる。「介護やむなし」と思えるなら、生涯添い遂げるだろうが、「介護なんてまっぴらごめん」と嫌がったら、それは生理的なNGで、離婚につながる。 「大病の直後は世間体もあり離婚しにくい。大体1年後の検査明けなどが離婚のタイミングになります」  生理的なNGがいくつかそろった状況で、不貞が発覚すると、それは即離婚。最初の40代女性も夫の浮気を見つけ、即離婚したそうだ。そう考えると、なるほど、生活の不一致は不貞より重い。