2020年の国勢調査の結果、日本では25.8%の男性が50歳で婚歴がないという「大未婚化社会」であることが判明しています(婚姻状況不詳者を除いた計算)。同じく50歳で婚歴がない女性は16.4%で6人に1人程度であるのに対し、男性は4人に1人以上という未婚者の多さです。

これだけでも男性のほうが女性よりも結婚というライフイベントが発生しにくい状況にあることがわかりますが、結婚相談所や自治体の結婚支援センターから聞くところによると、男性は結婚の時期に関して、女性よりもはるかに悠長に構えている方が多いそうです。

「男性だからお産がない」のは確かではあるのですが、お産しなくていいことと、何歳であっても結婚できるかどうかということは、まったく別の話です。

そこで今回は、2020年の婚姻届(初婚同士男女の結婚)データから、男性の結婚適齢期についての分析結果の最新情報をお届けしたいと思います。

結婚は27歳がピークは変わらないが…

2020年に初婚同士で結婚生活を開始した者(2020年に婚姻届を提出し、結婚生活を開始した者=届出と同年内に結婚の実態が確認できる者)についての婚姻届総数は、29万2214件でした。「結婚生活を開始した者」ですので、初婚同士の婚姻届総数よりも少なくなっていることには注意が必要です。

この29万2214件の結婚について、男性の年齢でみると最も成婚件数が多かったのは27歳の男性でした(図表1)。

27歳がピーク(最頻値)年齢と聞いて、「2020年の男性の平均初婚年齢は31.0歳なのにどうして4歳も若いの?」と思った方が多いかもしれません。しかし、平均初婚年齢は高齢化社会における高齢者の結婚の発生によって、4歳も引き上げられているのです。

政府統計で確認できる2015年以降、結婚のピーク年齢が動いているわけではなく、一部の高齢者の結婚で平均年齢が大きく引きあげられていることに気がつかねばなりません。

2020年の人口動態調査「婚姻統計」の結果によると、初婚同士の結婚を果たした男性の結婚のピーク年齢は27歳の2万5479件であり、2位は26歳の2万4976件でした。実は、2位に26歳がくることは2019年までには見られなかった事象で、2015年以降はずっと28歳が2位でした。

つまり結婚のピーク年齢をみると、男性の初婚同士の結婚は早婚化傾向ともうかがえます。読者の皆さんが想像している以上に男性の結婚年齢が早い、ということについて、図表1から計算した結果をもとに、次にご紹介します。

初婚同士で結婚した男性のうち55%が29歳まで

図表1について、簡単にデータ解説をしたいと思います。データでは、初婚同士の結婚をした男性の年齢別人数を示していますが、実に28歳までで48%、29歳までで55%を占めているのです。

ですので、仮に結婚適齢期を「婚姻届を若い男性から順に積み上げ集計したときに、その年齢までの男性の婚姻届が50%に到達する男性の年齢」とすると、29歳までが男性の初婚同士結婚の適齢期といえるでしょう。

これは「男性人口の50%が29歳までに結婚している」という意味ではありません。よく間違えて、他の人に伝言ゲームしてしまう方がいるので、注意してください。「結婚を成就できた男性のうち、その5割を超える人が29歳までの男性です」という意味です。

結婚相手を多数の候補者から選び放題というわけにはいかなくなり、お相手探しが難しくなってくると思われる「その年齢までの男性の婚姻届が70%に到達する年齢」は、31歳までで67%、32歳までで72%ですので、だいたい32歳といえるでしょう。おそらく読者の皆様の想像以上に若い年齢で、すでにマッチングが難しくなってしまうのです。

日本は移民が極めて少ない(2%程度)国ですので、自分が生まれた後から同世代人口が急激に増えるということは考えられません。つまり、「(多数派の好みに近い、人気があるという意味での)いい人と結婚したい」なら、当たり前ですが「早い者勝ち」なのです。

したがって、結婚したいと思い、互いの好意が通じ合うような(ここが肝心です)女性と出会えて結婚に至るには、婚姻届の7割に達するような年齢以降になって、ようやくパートナー探しを開始しているようでは遅く、当然ながら「いい人がいないから結婚できない」とぼやくことになりやすいわけです。

平均初婚年齢をベンチマークはハイリスク

平均初婚年齢の31.0歳になってからでは、すでにその年齢までに婚姻届を出して結婚した男性は67%に達しているという結果ですから、平均初婚年齢あたりでパートナー探しをしても、自分にとって理想と思い描くような「いい人、普通の人」が見つけにくくなっているといえるでしょう。平均初婚年齢を婚活するうえでのベンチマークにすることが、いかにリスクが高いかをおわかりいただけたと思います。

2020年に結婚生活を開始した初婚同士婚の男性の80%が34歳までの男性で、90%が38歳までの男性です。つまり、男性であっても35歳以降の成婚がいかに発生確率から考えて厳しいかという実態を「男性は産まなくてもいいので、年齢は関係ない」などと誤解せずに、婚姻データから正しくご理解いただければと思います。

近畿エリアのある相談所の代表からは「先日もアラフォー男性が2名相談に来られて、口をそろえて『子どもが欲しいので、アラサーくらいの若い女性を紹介してほしい』と当然のことのようにおっしゃったので、先生の婚姻データを見せたら真っ青になっていました」とうかがいました。

お子さんが欲しい気持ちはわかります。しかし、自分がお子さんを作る能力があるということと、自分が希望するような女性に選ばれるか、ということは、まったくもって別の話であるということ、そして繰り返しになりますが、統計的に見れば男性も27歳以降は年々、成婚が厳しくなる、ということをお伝えしておきたいと思います。

初婚同士の夫婦の年齢差、さらに縮小へ

最後に、婚姻データからもう一つ注目する点として、2020年における初婚同士の夫婦の平均年齢差は1.5歳と過去最低値を久々に更新しました(しばらく1.7歳で推移していた)。

結婚が成立するとしても「ほぼ同年齢婚」が主流の今、子どもが欲しいとの理由で若い女性と結婚したいと考えるのならば、なおさら「自分も若いこと」が若い女性から選ばれるための極めて重要な要素になっていることを男性諸氏にお伝えしたいと思います。

コロナ禍の若い男性において、わずかな早婚化傾向がみられることは、対面での出会いが減ったことへの危機感だけでなく、自分たちよりも上の世代の男性が、上述のデータでご説明したような成婚状況であることを目の当たりにし、適齢期に対する意識改革が起こっているからなのかもしれません。