婚活での結婚は、自身で期限を決め、その中でスケジューリングをし、短期集中型でやっていくほどに結果が出せることは、拙著『100日で結婚』に記した。 「そんな短期間で?」と驚かれるかもしれないが、婚活での出会い、ことに結婚相談所でのお見合いの場合は、会う前にすでにプロフィールが提示されていて、年齢、仕事、年収、学歴、家族構成、趣味などがおおむねわかっている。あとすり合わせていくのは、相手を結婚するパートナーとして見ることができるかどうかなのだ。

しかし、お見合い繰り返しているのに、いっこうに結果が出せない男性たちがいる。交際には入ったのに、数回会うと女性からお断りがきてしまう。今回は、その原因が何なのかを、本の一部を抜粋しながら掘り下げていく。 ■女性の気持ちが、今どこにあるのかが大事  婚活歴1年になる義晴(仮名、45歳)が、先日お見合いをして、弓枝(仮名、39歳)と交際に入った。その1週間後に、「連絡は取り合っていますか?」と私からLINEをしたところ、こんな返信が来た。

 「僕が3回LINEを入れると、やっと1、2行の返信が来る。コロナにもすごく敏感のようなんです。なんとか会う約束を取りつけるところまでは持っていこうと思っているのですが」  交際に入り、まだ一度も会っていないが、もうこの時点で2人の結婚はないだろうと、私は踏んだ。  なぜかと言えば、相手からの返事がこなくても、どんどんLINEを送っている義晴。また、来たLINEに1、2行しか返信をしない弓枝。これでは、両者のコミュニケーションバランスが悪すぎて、気持ちを合わせていく結婚には到達しない。

 私は会員たちにいつも、「婚活において、LINEは連絡ツールではなくコミュニケーションツールなのですよ」と言っている。「LINEは毎日入れるように心がけてくださいね。最低でも1週間に1回はデートができるように、どんなに仕事が忙しくても会う時間を作り出す努力をしてくださいね」とも。  生活圏内の出会いは、お互いを好きになった時点で交際がスタートする。しかし、婚活の場合は、1時間程度のお見合いをし、そこで“感じのいい人”と思ったら交際希望を出す。まだ人柄も十分にわかっていないのに、2人は“結婚”に向かって歩き出すのだ。そんな2人が結婚にたどり着くためには、密なコミュニケーションを取って、相手のことを急速に知り、好きにならなければならない。

 

 

ただ、やみくもに連絡を取ればいいというものではない。以前、ある男性会員にこんなことを言われたことがある。  「僕は、鎌田さんに言われたとおり、お付き合いに入れば、毎日LINEを入れているし、『週末は会いませんか?』『いつがあいていますか』と、ちゃんと会う算段を取り付けようと努力していますよ。それなのに、いつも一、二度会うと、相手からお断りが来る。いったい僕の何が悪いんですか。これ以上何をどうすればいいんですか?」

 そのとき、私は、こう答えた。  「彼女の気持ちが、今どこにあるのかを考えて行動していますか?  毎日LINEを入れる。頻繁に会う。これは単なる2人の距離を縮めていく手段であって、大事なのは、そこに相手の気持ちが乗っかってきているかどうかです」  それで言うなら、義晴のように弓枝からの返信がなくても毎日LINEを入れたところで、2人の関係が縮まるわけではないのだ。  また、LINEの返信を忘れた頃によこし、こちらかの誘いに反応が悪い女性は、男性側からさっさと交際終了を出したほうがいい。婚活がうまくいかなくなると、交際に入っている女性の反応が悪くても、切りたがらない男性が多い。しかし、それはサイト上では“交際中”になっていいても、まったく実りを期待できない交際なのだ。

■女性の気持ちが取れる話し方とは?   では、どうしたら女性の気持ちを手に入れることができるのか。婚活においては、話しすぎるのもマイナスだし、無口なのも嫌われる。また、話が上手か下手かは、個人の性格や素質だったりするのだが、ここでは、誰にでもできる会話術を、お伝えしよう。  まずは、いちばん覚えておいてほしいこと。それは、相手の話に、まずは共感することだ。女性は、共感してくれる相手に信頼を寄せる。これは、『100日結婚』の中でも記したのだが、女性が、「私、ジブリの映画が好きなんです」と言ったら、何と答えるか。3つの例で見ていこう。

 

〈A〉「あー……すみません。僕、見たことないです」 〈B〉「ジブリが大好きなんですね。ほかにはどんな映画を見ますか?」 〈C〉「ジブリ、人気ですよね。実は僕、あまり見たことがないんですけど、どんな所が面白いんですか?」  〈A〉の回答は論外だ。話がそこで終わってしまう。男性は会話に結論を求めがちだが、相手の意見を受けた結論だけを述べ、会話を断ち切って、会話は終了。さらに、「あー……僕、アニメは見ないんですよね。見るのはアクション映画ばかりで。この間見た映画では、トム・クルーズがすごくて……」と、話を自分の土俵に持っていき、そこから自分の話を始めてしまうのは、もっとよくないパターンである。

 〈B〉は一見、相手の話を受けているように見えるが、これもよくない。なぜなら、そこには共感や感想がないからだ。お見合いを終えた女性の中に、「今日の方は、会話が一問一答形式で進んでいくので、1時間がとても長く感じました」と言ってくる人たちがいるが、これはまさに〈B〉のパターンだ。女性が答えたことに、いったん、「そうですが」と相づちを打ち、次には別の話題の質問をしてくる。これを見合いの間繰り返していくので、女性は時間が過ぎるのをとても長く感じるのだ。

 〈C〉がいちばんべストな会話の進め方だ。「ジブリ、人気ですよね。実は僕、あまり見たことがないんですけど、どんな所が面白いんですか?」と、まずは相手に共感し、次に、この話題を掘り下げて質問していく。  例えばここで、女性がジブリの魅力を語り出したとする。  「こうこうこうだから、ジブリ作品ってすごく夢があると思うんです」  「わかります!  そのお話を聞いていたら、本当に夢がある感じでいいですね。今度、見てみたいなぁ。何かおすすめはありますか?」

 相手の話を“共感”で受け止め、その話題を広げ、フォローして次の質問をする。そうやって会話をつなげていくと、女性は気持ちよく話すことができる。これは、“フォローアップクエスチョン”というテクニックだ。  自分の言葉に同調し、しかも好意的な意見を言ってくれている。そこで、女性は大きな満足感を覚え、男性に好感も抱くようになるのだ。 ■婚活市場には、自信を失くしている人が多い  なぜ、共感が大事なのか。人には、多かれ少なかれ承認欲求があるからだ。また、婚活には、“いつ結果が出る”という確約もなく、ましてや婚活がうまく行っていないときには、誰もが、自分に自信をなくしている。

 

 

“人が普通にできている結婚が、なぜ自分にはできないのか”、“結婚できない自分は、だめな人間なのかもしれない”。そんなふうに考えてしまう場合もある。  ともすればくじけそうな心に必死でむちを打ち、お見合いへと出かけていくのに、そこで出会った人にさえ、自分の発言を軽く受け流されたり、否定されたりしたら、どんな気持ちになるだろうか。  そんな状況下にいるからこそ、お相手の発言を受け止め、共感し、認めてあげる。それをするだけでも女性の気持ちは変わっていくし、相手に心を許して、好意を抱くようになるのだ。

 そして、最後に言いたい。婚活において、見た目はとても大事だ。それは、顔が美形か否か、身長が高いか低いかではなく、清潔感と体型管理のことを指す。この2つは、本人の意識次第で、いかようにでもなることだ。  入会時にお見合い写真を撮る。ところが、その1年後には、かなりふくよかな体型へと変貌していく男性たちがいる。ある会員男性は、コロナ禍で激務を強いられる仕事についていた。去年から、土日も必ずどちらかは出るし、長期休暇に地方の実家にも戻れない生活をしていた。久しぶりに会うと、驚くほど体型が変わっていたので、私は彼に言ったことがあった。

 「少しダイエットしましょう」  すると、彼が言った。  「仕事が忙しくて、おいしいものを食べることしか、今は楽しみがないんです」 ■「男性として絶対に好きにならない」  彼の気持ちもわかる。だが、彼がお見合いし、相手からお断りが来たときの理由に、「写真よりも太っていた」と言われることが多くなっていたのも事実だ。また、あるときのお断りの理由には、こんなことが書かれていたこともあった。  「ユーモアがあってとても楽しい方だったけれど、ベルトの上にドカンと乗っているお腹の脂肪を見たときに、“ああ、この人のことは、男性として絶対に好きにならない”と思いました」

 

 そして、昨年、こんな男性がいた。  5月に緊急事態宣言が明けて、すぐのこと。智男(仮名、39歳)が、入会面談にやってきた。彼は、すでに入ることを決めていて、結婚相談所に入会するために提出する独身証明書、収入証明書などの公的書類を持ってきていた。その書類の1つ、身分証明書として免許証を出してきたとき、そこに写っている顔写真と目の前の彼があまりにも別人だったのに驚いた。写真は顔がパンパンに丸いのに、目の前の彼はシュッとシャープなフェイスライン。あまりにも違うので、「これ、いつの写真ですか?」と聞いた。

 すると、彼が言った。  「半年前ですよ。20キロやせたんです。緊急事態宣言期間中は、運動不足になると思って、筋トレしながら、食事管理を徹底的にしました。見た目を変えないとモテないと思って」  この気合があったからか、彼は半年後の秋に成婚退会をしていった。  人間、見た目じゃない。人柄が大事。もちろんそのとおりなのだ。ただそれは理想論であって、婚活においてはやはり見た目も大事。女性から、「いい人なのだけれど、男性としては好きにはならない」とか、「今日お会いした人は、ヘンな匂いがしました」とか、言われないように、見た目と清潔感への意識は、ぜひとも高く持っていただきたい。