もう何年も婚活アプリや結婚相談所で婚活をしているのに、いまだ結婚できない」と言う人たちがいる。これは、なぜなのか? 仲人として婚活現場に関わっている筆者から見たら、そう言う人たちは、明らかにやり方を間違えている。結婚への近道は、“意中の相手に出会ったら、期間を区切って活動をすること”なのだ。なぜ、婚活に期間を区切ることが大切なのか、拙著『100日で結婚』から一部を編集してお届けする。 ■脳内婚活をしていたら、結婚できない
独身で30代、40代、50代と歳を重ねている人たちに、「結婚には、興味がないんですか?」と聞くと、「いやいや、いい人がいたら結婚したいですよ」と大抵の人が答える。 「いい人がいたら」と答える独身者たちが望んでいるのは、“自然の出会い”での結婚だ。要は、学生時代の後輩、同級生、先輩、会社の同期や取引先の相手、趣味のサークルや習い事をしていたら、その仲間たちなど、自然な形で出会い、恋愛をし、その延長線上に結婚があれば理想的だと考えている。
こうした“自然な流れでの結婚”は、20代ならできる可能性が高い。なぜなら、結婚したいと思う独身者が、生活圏内にまだまだたくさんいるからだ。しかし、30歳を過ぎると、生活圏内の素敵な人たちはすでに結婚している。普段の生活を続けていながら、理想の結婚相手を探すのは非常に難しくなってくるのだ。 “いい人がいたら、結婚したい”と思っていた人たちの中には、そのことに気づいて、婚活を始める人たちもいる。そして、彼ら(彼女ら)の多くが、婚活を始めたら理想の相手に出会えて、すぐに結婚できると、最初は思っている。
ところが、婚活を始めてみると、これが一筋縄ではいかない。 先日、会員の佳子(仮名、40代)が、敬浩(仮名、40代)とお見合いし、交際に入った。ところが、その3週間後に、佳子から、こんな連絡が来た。 「お見合いしたときから、まだ一度もお会いできていません」 お見合いから交際に入ると、仲人を通じて連絡先の交換をし、まずは、男性が女性にファーストコールをする。その電話口で、敬浩は言ったそうだ。 「今、仕事が立て込んでいるので、また連絡します」
そこからパタリと連絡がなくなり、その3週間後にまた1本のメールが来た。 「親父が入院してしまい、休みの日は病院に行かないといけなくなりました。落ち着いたら、また連絡します」 結局、お見合い後に初めてのデートにたどり着けたのは、1カ月半後だった。そのときのことを佳子は、私にこう言った。 「仕事や病院の往復で忙しかったはずなのに、『一度観たいなと思っていた絵画が、期間限定で海外から来ていたので、先日美術館に行ってきたんですよ。本物はよかったな』って。そんな時間があるなら、デートもできましたよね。むしろ、『デートで、絵を観に行ってみませんか?』と、誘ってくださったらよかったのに」
この初めてのデートの直後、佳子は、敬浩に“交際終了”を出した。 敬浩のようなタイプは、婚活市場でよくお目にかかる。こうした人たちは、「自分はつねに結婚のことを考え、高いお金を払って結婚相談所に登録をして、お見合いを1カ月や2カ月に1回はしている、イコール、自分は婚活をしているからいつかは結婚できる」と考えている。 はたから見ればダラダラと婚活しているようにしか見えないのだが、本人の頭の中には、つねに“婚活”と言う言葉があるので、行動はしていないのに婚活をしているつもりになっている。私はこの状態を、 “脳内婚活”と呼んでいる。婚活市場でいくら“脳内婚活”を頑張っていても、永遠に結婚はできない。
■期間を区切ることの大切さ 婚活をするときに、心に止めておかなくてはいけないことがある。 それは、“生活圏内の出会い”と“婚活の出会い”は、そもそも性質が違うということだ。生活圏内の出会いは、生活している場所に行くと相手がいて、顔を合わせていくうちに相手を好きになっている。「僕ら付き合おうか」となった時点で、 “好き”という気持ちが、十分に育っているのだ。 ところが、婚活の出会いというのは、相手のプロフィールや顔写真はわかっているが、人柄まではわかっていない。“この条件でこの容姿なら、結婚相手にいいかもしれない”と思って、申し込みをしたり、申し込みを受けたりする。そこで、1時間程度のお見合いをして、交際に入る。
そうした出会いだからこそ、最初に出会い、交際に入ったときが、一番テンションが高い状態なのだ。そのテンションをさらに上げていかなくてはいけないのに、会わないまま時間が経つと、どんどん下がっていく。まだ人間関係ができてないときに下がったテンションは、二度と上がることはない。 さらに言えば、情報過多のこの時代、“会えない時間は愛を育てる”のではなく、“会えない時間は愛を消す”だけだ。 敬浩に1カ月半会えなかった間に、佳子は、3つのお見合いをしていたし、その中の1人とは交際に入って、すでに2回のデートをしていた。
ネット婚活が主流である現代は、いくらでも新しい出会いを求めることができる。動ける人は、どんどん出会っていくし、デートを重ねていく。会う回数の多い相手の情報がどんどん脳に上書きされていき、一度お見合いしただけの人のことなど、あっという間に忘れ去られてしまう。 そういう意味でも、婚活市場で出会い、そこから結婚へと結びつけていきたいなら、期間を区切って素早く動き、相手の人柄を知り、“好き”と言う気持ちを積み立てていかなければならないのだ。
■なぜ期間を区切るのか これは私がよく会員たちに言っていることだ。 「婚活は期間を区切ることが大切なんですよ。なぜなのか。ダイエットをしたり、体を鍛えたりするときのことを考えてみましょうね」 ただ、“痩せたい”“体を鍛えたい”と思っていても、体型は変わらない。目の前にあるおいしそうなものを見ると、痩せたい気持ちがあっても、ついつい食べてしまう。“次の食事は軽くすませよう”“明日の食事で調整しよう”と思うが、結局は次の食事も、明日の食事もいつもどおり食べてしまう。
あの有名なトレーニングジムのCMを思い出してほしい。トレーナーの指導のもと、期間を区切り、食事制限と筋トレをして、ブヨブヨだった体が見事に均整の取れた肉体美に生まれ変わる。期間を区切るからこそ、そこに組み込まれたプログラムを実施して、結果を出そうとするのだ。人は、ゴールを設定すると、ゴールが見えないときよりも何倍も自分を奮い立たせる力が湧くし、集中力を発揮する。 婚活も然りで、期間を区切りその間、どうしたら結婚までたどりつけるかをスケジューリングし、その期間は集中して、婚活をする。時には、プロ(仲人や婚活カウンセラー)の力を借りるのもいいだろう。もちろん、自分で動ける人たちは、婚活アプリや婚活パーティーなど、出会いの場にどんどん出向き、意中の相手に出会えたら、自分の中てどうしたら結婚まで辿り着けるかを、スケジューリングしていけばいい。
その期間は、仲人の経験則からいうと100日あれば十分だと考えている。 ただ、ここで忘れてはいけないのは、結婚に辿り着くことができるのは、相手の気持ちがそこにあってのことだ。相手の気持ちを置き去りにして、スケジュールを遂行しようとしたとたん、 すぐに“交際終了”が来るだろう。つねに相手の気持ちがどこにあるのか、それを確かめ、寄り添いながら進めていかないといけない。 また、ダイエットの場合、目標は達成したもののもとの生活に戻れば、あっという間にリバウンドしてしまうだろう。しかし、婚活はゴールが結婚なので、目標達成をした時点で、婚活期間に立てていたスケジュールは終了となり、婚活期間中のエネルギーは、もう使わなくていい。
さらに言うなら、恋する情熱がなだらかな愛に変わるのが結婚なので、あとは、落ち着いた気持ちで、相手に寄り添い、思いやり、日々を紡いでいけばいいのだ。