国民の約10人に1人は分譲マンションで生活している今、マンションに住む人たちは大きな危機に瀕している。老朽化と大規模修繕、管理組合との付き合い、住民の転居と高齢化……。マンション購入時には明かされない課題を解説。

分譲マンション住人は不安と絶望の地獄を見る

(※写真はイメージです/PIXTA)マンションの将来、想像できますか

分譲マンションについては、自明の理ですが、時間とともに建物は劣化していき、賃貸住戸化などの居住形態や居住者の変化があります。その結果、分譲マンションはゴーストマンション化していき、終盤の漂流廃墟マンション状態は必ずやってくるのです。 事前に、分譲マンションの終焉期の勉強や検討をされて、予防の為の行動を起こされ、終焉期を新たな金銭的負担も無く、安心して暮らせ、耐用年限まで納得して迎えられるか。無関心で放置していて、今後、必ずやってくるゴーストマンションの状態に陥り、この状態が、あとなん年続くか不明の中、その間ズーッと不安と絶望の地獄を見、かつ世間の迷惑物になるのか。そんな分かれ道になっても、行動は起こされません。 唯一いえることは、こちらから指南や指導をするのではなく『自分達のマンションの将来のイメージを共有してほしい』ということです。 人の人生でも同じと思われますが、高齢になってくると、自分の人生を顧みて自分史を作る人や、今後のことに向けては、今、住んでいる住宅の行く末のこと、自分の入るお墓のことなどを考える瞬間があるのと同じように、住んでいるマンションの将来についても思う瞬間はあると思うのです。ここがターニングポイントです。 勉強会などで、イメージの共有に向かったならば、あとは簡単です。その心配事や予防策などを具体的に実行していけば良いだけです。

築30年、40年のマンションならば今すぐ取り組むべき

◆具体的な準備とはどうすればよいのか 準備する検討項目として、以下の各項目が考えられます。 1.解体費の段取りを考える  世帯だけで解体費の段取りができれば良いのですが、不可能な場合、建物付で土地を解体費用相当の値段で買ってもらえるかどうか。非現実的かもしれませんが、たとえ解体費用相当額で買い取ってもらえるとしても、直ちに実行する訳にはいかないのです。これでは現在、居住している区分所有者の生活を犠牲にすることになり、現実的ではありません。区分所有者の皆様が、当該マンションに居住し生活しながら、しかも金銭的負担を低く抑える方策でなくては、区分所有者の皆様の同意は得られないと思われます。 2.空き住戸への対応を考える マンションごと民泊施設として開放するとか、空き住戸になる前に、当該区分所有者から管理組合に寄付あるいは低額で貸与または譲渡してもらう。この場合、当該住戸に関して管理費は免除とし、修繕積立金は管理組合で負担することにします。 これは、解体に向けて区分所有者の拡散を防ぎ、管理組合に所有権を集約するためです。そして、管理組合が賃貸経営や民泊経営をするなど活用を考えます。 その上で、活用益の中から修繕積立金を捻出することにします。空き住戸が相続人不明の場合は、弁護士に依頼して、所在の解明と当該住戸の所有権の措置を促します。 これでも不明区分所有者の所在確認に3年以上かかると理解しなければなりません。 3.自分の住んでいるマンションを総括してみる 区分所有者は、マンションの終焉について勉強をする必要があります。分譲マンションも、いつかは耐用年限を迎えることを理解し、いつまでこの分譲マンションに住むかを想定し、管理組合の解散時期を想定します。 ・管理組合解散時期の想定 ・長期修繕計画書及び修繕積立金の検証、解体費用の概算金額の検討 管理組合の解散に関する概略のコンセンサスを得て、総会にて概略の決議を得ておくことです。解体想定時期の約40年前程度が良いと思われますが、できるだけ早期が望ましいです。 まず、手持ちの長期修繕計画書を見直し、更新して有効な長期修繕計画書を準備します。次に管理組合の存続(解散)期間、建物の耐用年限を設定し、解体時期の仮設定や解体費用の積立も長期修繕計画書に組み入れた超長期修繕計画書を作成します。  準備は、早ければ早いほど区分所有者間の負担が平等かつ軽減されることになります。 築30年から40年頃には、検討及び準備に入る必要があります。遅ければ遅いほど処理や対応が難しくなり、最終的には不可能となります