田舎の移住は厳しい! | アンチエイジを目指して・
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    憧れの「田舎暮らし」なんて真っ赤な嘘 女性が直面する“移住地獄”とは

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    移住女性に浴びせられる“罵詈雑言”

     小さくてもいい。田畑で家庭菜園をしながら、慎ましく暮していければ――。そんな思いが募り、ついに始めた夢の田舎暮らし。しかし、現実は甘くない。とりわけ女性にとっては堪え難い話も多い。
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     地方は現在でも“男社会”が圧倒的。“男衆”の価値観が支配する集落に飛び込んだ、ある妻の苦悩とは……。
    「集落では一人が言い出すと、全員が自分の意思に関係なくそっちに流されますから、昨日までの友も今日の敵で、もうダメなんですね。理屈じゃないんです。たとえ理不尽な言いがかりであっても、言われたら最後、噂を立てられたら最後なんです」
     五町田貞子(42歳・仮名)さんは、こう言う。そばに寄り添う夫の弘信さん(48・仮名)が黙ってうなずく。
    http://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/b/4/b42cd_1523_56de3470_4093e789.jpg 現実は甘くない
     現在は長野県松本市に住む五町田さん夫妻が先頃まで住んでいたのは、やはり長野県内の小さな集落だった。そこは冬場になれば、あたりの林道はこぞって通行止めとなり、ほとんど陸の孤島に近い地形にあった。
     東京生まれ東京育ちで、大学では建築を専攻した夫の弘信さんは、建築会社で設計士としてキャリアを積み、40歳になるときに独立して設計事務所を立ち上げた。
     それまで築いた建築関係の人脈で設計請負の仕事は順調だったが、以前から夢だった山村での自然環境を生かした設計を手がけたいと、田舎暮らしに踏み切った。事務所を手伝っていた妻の貞子さんも、やはり東京育ち。「高層ビルの森はもう見飽きて」と、まさに夫唱婦随での田舎暮らしとなった。
     幾度も地域を訪れ、役所を通じて地域の有力者らへの挨拶も丁重に繰り返したうえで、人間関係に軋轢が生じないようにと十二分にケアをしてからの移住実行となった。
     だが、現実は想像以上のものだった。集落の公民館で移住者に向けられる言葉からして、苛烈なものばかりだった。
    「東京の江東区から移住してきた70代の女性に対して、『あのババアは区費の払いが悪いくせに最新の石油ヒーターを使いやがって』とか、『東京から来たあっちの嫁は真っ昼間だってのにカーテンを閉めっぱなしにしやがって』とか、まあ、言葉がキタナイのなんのって。都会から来た私たちでさえ驚くほどの口の悪さでした。まるで素行不良の中学生みたいな……」
     この集落では毎年、住民が金を出し合って、代表者が新幹線で年末ジャンボ宝くじを東京・有楽町のチャンスセンターまで購入しに行くという“年中行事”がある。
    「不参加を伝えると、『都会から来てカネを出さねえなんてふざけやがって。誰のカネで生活できてると思ってやがるんだ』ですからね。とにかく『移住者はカネを落とせ』、『カネを拠出しろ』と、まあカネ、カネ、カネ。もしくは、露骨に浴びせられる罵詈雑言ばかりでした」
     そんな地にも、まれに妙齢の“お一人様”の女性移住者が流れ着くことがある。
    「畜産の地なので、あるとき女性の獣医さんが越してきたんです。そして、公民館で挨拶に立った女性の獣医さんに、男連中からこんな言葉が飛び交うんです。『おーいっ、彼氏はいるのかー、彼氏はーっ』。それを合図に、合いの手を入れるかのように、あっちからもこっちからもで、その下品なことといったら……。若い獣医さんは可哀想に、赤面したまま言葉なく立ち尽くしていましたよ。しかも、それの何がおかしいのか、男たちはドッと大笑いなんです。都会や会社の歓送迎会でそんなことをやったら、今時は『セクハラだ』、『モラハラだ』と言われかねませんが、いかにも男社会いまだ健在といった感じですね」
     そして、女性への配慮が、いまだに乏しいのだという。
    「年に1度の集団検診では、体育館に男女問わず、1列に並んで検尿、検便を提出させるんですが、検診はおおむね集落を区切って検診日を決めているんで、指定された日に行くと、当然、前後左右みんな隣近所の見知った顔ばかりです。その検尿、検便を提出する机には、毎年こうプラスチックに印字された大きなプレートが出ているんです。『生理の方は申し出てください』って。前後左右は隣近所のオッサン、オバサンばかりですよ。そこで若い女性が、『今日生理です』なんて申告したらまる聞こえじゃないですか」
     さすがに見かねた五町田貞子さんが、役所の女性担当者に改善を要望したという。
    「『隣人のおじさんがいる前で、今日生理ですって、あなたなら言えるんですか』って。『都会だったら、今時こんなことをしたら役所が突き上げられますよ』って。でも変わりませんでした。理由はこうでした。『毎年そうやってますから』って……」
     ゴミの収集では、完全に無色透明なビニール袋が指定されている。中身は当然、丸見えだ。
    「そんなゴミ袋に、名前を書かなければなりません。女性なんかは恥ずかしくて、生理用品の袋ひとつ入れられないわけですよ。トイレは汲み取り式だし、浄化槽に流すわけにもいきませんから。結局、そうした恥ずかしいものは、夜のうちに車に積んでおいて、たまに遠くのコンビニに行った折に、そこのゴミ箱に捨てることになります。このように、田舎の集落へ移住した女性は比較的歓迎される一方、女性に対する配慮は公私ともにありませんね」
     過疎の地ほど、嫁の来手や後継者不足が、今もなお現実の課題である。そうした集落では、女性は大切に扱われる傾向が強い。ここで紹介した女性の苦労話は、移住体験談として、むしろ例外の部類に入るのは事実だ。
    「実際、小学校や分校に独身の女性教師が派遣されてくると、そうした女性教師に男衆がアプローチして結婚した例は数多くあります。集落の若い男性は、そういうことでしか女性との出会いがないので」(同・五町田貞子さん)
     しかしながら、女性と男性の違いは当然として、既婚女性と独身女性の間でも、集落での扱われ方は決定的に異なる。移住の体験談も、その辺りを斟酌したうえで耳を傾けるべきだろう。

    人間関係が厳しくとも離婚しない“地元嫁”

     五町田貞子さんが言う。「とにかく、生活費は高くつきますよ。集落の人間関係をうまくやろうとすればするほど、やっぱり最後はカネの話に行きつくんです」
     人間関係を円滑にしようと思えば、カネが必要――どういうことだろうか?
    「人口が少なくて世帯数も少ない集落では、皆が助け合って和気あいあいとやっているのではないか、という印象を外からは持ちがちですが、とんでもないんです。むしろ、狭い土地ほど隣人同士のいがみ合いさえあって、それが表面化したときは凄いですよ。私がいた集落はもう、村長派と反村長派で二分していて、道路をはさんで、やれこっちに住んでいる者は村長の親戚が経営するガソリンスタンドから灯油を買わなければだめだとか」
     しかし、灯油もガソリンも、値段表示さえないというのだ。そのため、極めて高くつくこともあるという。
    「30キロ近く離れたホームセンターに灯油缶を持っていって買ってきたほうが安いくらいですから。でも、それを見られると突きあげられるので、夜中、近所の人が寝静まった頃にこっそり、電気を消したまま家のなかからホースを延ばして外の灯油タンクに移すんです。バカバカしくなりますよ」
     隣人監視の目が厳しいのは、生活物資の調達や購買先すべてに及ぶ。
    「遠くのイオンモールのショッピングバッグを家に運び込んでいるのが目につこうものなら、わざわざ自宅の戸を叩いてまで、『生活用品は農協の店で買え』ですからね。というのも、農協の店が商売にならなくなったら自分たちが生活できなくなってしまうからです。もちろん事情はわかりますが、イオンで90円のものが過疎地の農協直営店では150円ですからね。そもそも地方に移住してきている段階で、都会での会社勤めよりも収入そのものが減っていますから。そこに生活コストだけが倍になったら、やっていけませんよ」
     都会暮らしでは、まず体験できないような出費もかさむという。
    「これは盲点ですが、地方の不動産物件は、公営住宅であれ、古民家であれ、和室が極端に多いんです。入居するときには『ああ、い草の上に寝っ転がったら気持ちいいじゃない』と気になりませんが、退出のときに必ず畳の“表替え”ってやりますよね。汚れた畳の表面を取り替えるものですが、和室が多いってことは、畳の表替えの枚数が多いってことなんです。田舎は畳屋も競争がありませんから、これがバカ高いんですよ。1枚8千円くらいから取りますから。10畳の部屋が2つもある古民家ならば、退出のときの表替えの費用だけで16万円です。家賃が安いので、表替えだけで軽く敷金はすべて飛びますから要注意です」
     役場や不動産業者は、敷金をはるかに凌ぐ退出コストがかかることなど、まず教えてくれない。
    「カネを落としてもらうべき、飛んで火に入る夏の虫に、わざわざ不都合な話を教えてはくれませんからね」
     とはいえ、集落は意外にも、若い住人が少なくない。彼ら彼女らはみな、都会での教育を終えると、実家に戻ってきているのだ。何かと生活コストがかかり、人間関係が難しい土地であっても、昨今は過疎地でさえ都会人が想像するほど『若年層が皆無』ということはない。むしろ、地元出身の若い夫婦のUターンが盛んでさえある。そこには“事情”がある。
    「行政や雇用促進の団体は盛んに施策効果を謳っていますが、実感としてはちょっと違いますね。地元出身者らが戻ってくるのは、決してそこが住みやすいから、懐かしいからではなくて、経済的な事情が大きいのではないでしょうか。詰まるところ、親が子供を呼び寄せ、居着かせるために、惜しまずにカネを出すからです」
     集落に戻ってきた子供たちは、実家の敷地内に新築のマイホームを建ててもらえるのだ。もちろん、土地は親のものなのでタダ、自宅の建設費もタダ。
    「クルマは新車を次々に乗り換えて、そのクルマだって地方では家族の数だけ必要ですから、親が出している例はいくらでもありますよ。つまり、都会では働いても働いても賃金が上がらないワーキングプアなどと言われている現代では、子供たちも親元に戻ってきたほうが生活が楽なんですよ。むしろ、親元に戻ってこないと生活がままならない時代でもあるんですね」
     若衆が集まれば、こんな会話が交されるという。
    「『もう、都会に出て行く』って言ったらよ、『クルマ買ってやるから』って言うじゃんよ。農協行ってすぐにカネおろして来ちゃってクルマ買ってもらっちゃったから、まだしばらくは出ていけんじゃんね」
     親のほうも、あの手この手で必死の引き留め工作だ。だが、病院通いに限らず、いざというとき手となり足となる我が子をそばに置いておくためと思えば、マイホーム代やクルマ代など安いものだろう。老人ホームに入るためのお金を子供に投資するようなものである。
     あるときその地方に、東京で人気の「いきなり!ステーキ」の店舗ができた。そこには、年老いた父母に中年の息子か娘といった組み合わせが、平日でも開店と同時に溢れていたという。さすがに“柔らかいステーキ”という評判でも、見ているだけで心配してしまうほど高齢の老父母は、我が子が「ステーキ食いたい」と言えば、財布を持ってどこまででも付いていくのだ。子供の心を引き留めたい一心なのだろう。
     だからこそ、人間関係がどんなに難しくとも、嫁は自宅の敷地内で夫の親と半ば同居し、どんなに精神的に不便があっても絶対に出て行かないという。

    女性がタバコを吸えば“犯罪者”

     五町田貞子さんは、女性の喫煙も要注意だと明かす。
    「最近は集落の奥さんたちも、みんなタバコを吸いますよ。でも、集落で女性がタバコを吸っているところなんか見られたら、もう、それこそ犯罪者扱いですよ。『女のくせにタバコなんか吸いやがって』って。周囲からそう罵声を浴びせられるだけでなく、その奥さんの嫁ぎ先の家の名誉にまでかかわってきますから、隠れて吸うのに必死です」
     見つかったら大変だ。「あそこの嫁は、あの女は、タバコなんか吸ってやがるぞ」と、まるで犯罪者扱いだ。
    「だから、タバコを吸うときだけは、誰もいない山のなかの奥の奥のまで車を走らせたり、あるいは、集落の者はあまり立ち寄らないような生活圏から離れたコンビニまで行って……。一服するのに、1本吸うのに、もう大変です。ガソリン代のほうが高くつきます(笑)。女のくせにタバコなんかって。それでいて男たちは、役所の前だろうが、畑だろうが、プカプカやってますからね。女のくせにって……時代錯誤も甚だしい。でも、それが常識なのが地方の集落ですから。でも、それでも出て行かないんですよ、地元出身者やその奥さんは」
     高断熱高気密の自宅を建ててもらい、車も買ってもらい、子供の経費の面倒もみてくれる――。それはやはり、実家に“寄生”していなければ成り立たない、田舎暮らしの良さなのだろう。
     そんな地元出身者、Uターン夫婦の生活ぶりを見て、移住者が自分の生活像を重ねてはいけないのだ。「しかも……」と貞子さんは明かす。嫁はときに、家族として数のうちに入らない扱いなのだとか。
    「これは長野のその集落だけじゃなくて、山梨県北杜市とか移住人気地でも共通ですよ。あのあたりじゃ、実家の姑は息子夫婦のところに、おやつだ、おすそ分けだといって、お菓子やお土産を持ってきても、例えば4人家族でも必ず3つしか持ってこないんです。それを奥さんが『夫が帰ってくる前においしくて食べちゃって』と姑に言うと、また姑は持ってくる。しかも、また3つだけ。息子である夫と孫である子供2人の分だけ。これは山梨から長野にかけて、どこでもそういう話を聞きます」
     つまり、嫁の分は勘定に入っていない。決して嫁と姑の関係が悪くなくても、姑はそうするのだという。
    「つまり、姑たちが嫁いできた時代から、そうした習慣なんでしょうね、嫁の扱われ方として。都会の女性にはまったく理解できない作法で、彼女たちは陰ではブツブツ言いますが、決して集落から出て行きません。そうした奥さんたちはたいがい、家もクルマも子供の生活費も、そして農家だから食料も、実家から供給されているからなんです。つまり多少嫌なことがあっても、経済的なメリットのほうが勝っているから出て行かないだけのことなんです。それを見て移住者たちが、若い人たちも居着いているから住みやすいんだ、と思うと大間違いです」
     いよいよそんな集落に嫌気がさした貞子さんは、「こんなところに死ぬまで住むのはとても無理」と、ついに新たな移住先へと再び“転住”を決意した。その際、移住以来、なにくれとなく話し相手になってくれていた県警の駐在所に挨拶に行った。
     長野県内の駐在を転々としてきて、まもなく定年を迎えようかという駐在さんは、こう教えるのだった。
    「あんたも出て行くか。あんたなんかは長いほうだったよ。もうね、入れ替わり立ち替わりだからね。定住なんかとはほど遠いよ」
     駐在さんは常に、狭い集落の人間の出入りと、転入、転出を目配りしている。移住者が転入してくる場所は限られている。そうした番地の住民の流れを見ていると、早ければ数カ月、長くても1年未満で外に出て行ってしまうという。
    「あまりの入れ替わり立ち替わりで、こっちが挨拶に行こうと思ってると、もう出てっちゃってるんだから」と駐在は笑うのだった。
    「この辺りは、3代住んでもまだ地元の者としては認められないからね。県をまたいで山梨から嫁いできた85歳のおばあちゃんなんかは、まだヨソ者扱いだから。移住してきた人たちが本心から受入れられるっていうのは、まず考えられないね」
     近くには、移住後10年近く、集落の住人から無視され続けてきたという移住者もいた。だが、都会や会社でのストレスから解放された退職後、そこから「10年もの無視」に耐える“意義”を移住者が見つけられるだろうか……。五町田貞子さんは言う。
    「集落に居た頃は、冬場なんて朝は4時、5時から雪かきで、6時に出て行こうものならば、『もう終わったずら』なんて嫌みを言われる毎日でした。今は移住者ばかりが集まっている新興住宅地のような場所なので気が楽です」
     夫の弘信さんも同感だという。
    「女房がタバコを吸うときでも、今はもう気兼ねなく堂々とですよ。隣の奥さんと仲良く、縁側でのびのびと世間話しながら、1本頂戴、いいよ、なんてやってますよ。女性がタバコを吸うためだけに車を走らせなきゃいけない田舎暮らしってね、なんだったんでしょうね」
    取材・文/清泉亮(せいせん・とおる)
    田舎の移住は厳しいです。男尊女卑の社会です、

    都会で育った人が田舎で生活できません、

    大変ですよ!