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ところで、なぜ糖質をとると身体に悪いのでしょうか。その理由の1つは、「酸化ストレス」にあります。
糖質を食べると血糖値が上がります。三大栄養素(脂肪、タンパク質、糖質)のうち、血糖値を直接上げるのは糖質だけなのです。そして、糖質摂取で血糖値が上がると、インスリンの分泌も増えます。糖質摂取による食後の高血糖もインスリンの過剰も、活性酸素を増加させ、ともに酸化ストレスを増してしまうので、人の身体によくないのです。
酸化ストレスとは、わかりやすく言えば「身体がさびること」です。
鉄が赤くさびてしまうように、身体の中の血管がさびていくのが酸化なのです。酸化ストレスとは、体内がさびやすい状態にあることなのです。
現在、酸化ストレスは、医学界で注目され、万病のもとではないかと疑われています。

がん、動脈硬化などの元凶となる酸化ストレス

そもそも人の身体は、酸化反応と抗酸化反応がバランスよく保たれていると、健康だと考えられています。しかし、高血糖があると活性酸素が発生して酸化反応が強くなります。そして、過剰な活性酸素は細胞を傷つけてしまうのです。
ただし、人が生きていくかぎり、活性酸素の発生は止められません。呼吸で酸素を取り込むだけである程度の活性酸素は出ますし、細胞がエネルギーを得るときも活性酸素は出ます。そこで、人の身体にはSOD(抗酸化酵素)による抗酸化反応というものがあります。またビタミンなどにより、抗酸化の働きが生まれ、活性酸素が悪影響を与える前にクリアします。

ところが、この大切な抗酸化反応も、高血糖や高インスリンなどにより邪魔されてしまうのです。たとえば高血糖があると、タンパク質にへばりつき、SODなどの酵素の働きを阻害したりするのです。
そして、酸化反応が抗酸化反応よりも大きい状態が、酸化ストレスなのです。酸化ストレスのせいで、人の身体にはさまざまな悪影響がもたらされてしまいます。
現在、酸化ストレスは、老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病、糖尿病合併症、パーキンソン病など、嫌な慢性病ほとんどの元凶ではないかと言われています。逆に、糖質を減らせば、がんやアルツハイマーなどの予防になる可能性が極めて高いということになるのです。
中高年になってくると基礎代謝も落ち、運動量も少なくなり、SODも減っていきます。年齢が上になればなるほど酸化ストレスに対応する力が弱くなるのです。
基礎代謝が落ちるということは、筋肉が減ってブドウ糖の取り込みが弱くなるということなのです。そのため血糖値が上がれば、さらにSODの働きが障害されます。
だからこそ、血糖値を上げない食事(糖質制限)が、中高年からの健康にはますます重要度を増すことになるのです。糖質制限は、酸化ストレスを減らすのです。

高血糖でAGEs(終末糖化産物)が蓄積する

もう1つ、糖質制限の有効性を理解するのに重要なキーワードが、「AGEs(エージーイーズ):終末糖化産物」です。
たとえば、10年間糖尿病で高血糖の状態にあった人が、最近になって糖質制限食を始めて血糖値が完全に正常になったとします。しかしそれでも、2年後に動脈硬化による合併症になるような場合があります。これは、血糖値の高かった10年間で生み出されたAGEsが、すでに動脈硬化を起こしており、血糖が正常になった後でも残ってしまうからです。この動脈硬化の存在が、合併症を引き起こしてしまうからです。
このように、かつての高血糖がずっと後に悪影響を及ぼすことがあり、この現象は「高血糖の記憶」と呼ばれています。たとえれば、現在は黒字の会社に、過去の大きな借金が残っているため、今も苦しまなければいけないのと同じです。
後々まで残り続けるAGEsの悪影響は、糖尿病の人にだけ関係のある話ではありません。まったく健康な人の場合でも、普通に糖質を食べれば、160㎎/dlを超える高血糖になることがあります。血糖値が高いほど、そして期間が長いほどAGEsは蓄積していきます。
今は健康体でも、毎日の食生活で知らないうちに全身の血管にAGEsをためてしまっている人が多くいるはずです。すでに50年以上も人生を送っている人ならば、誰でも、AGEsによって動脈硬化になるリスクがあるのです。
なるべく早く糖質制限を始め、AGEsの蓄積を止めるべきでしょう。

なお老化の元凶のもう1つは、前述のように過剰な活性酸素による酸化ストレスです。こちらも糖質制限食で高血糖と高インスリン血症を防げば、活性酸素の発生が減るのである程度予防できます。

50代こそ糖質制限を始めるべき

私の経験上、糖質制限を始めるのに重要なのは50代です。50代ならば、まだ、老化物質であるAGEsは取り返しのつかないほどにはたまっていませんから、糖質制限でこれ以上の蓄積を食い止められるからです。50代ならまだ、間に合うのです。
しかし、これよりも高齢になると、かなりの量のAGEsがたまっており、老化が身体を蝕(むしば)んでしまっています。そして、いったんたまったAGEsはもう消えません。
つまり、50代で老化物質の蓄積を止められるかどうかで、その後の人生が決まると言っても過言ではないのです。50代こそ糖質制限を始めるべき時期なのです。
しかし、残念ながら、多くの中高年が糖質制限にあまり熱心でないのが現状です。
その理由はいくつかあるようです。
まず、特に男性に多いのですが、仕事が忙しすぎるという人がいます。たしかに、50代というと社会的な責任の重い世代ですから、健康を疎(おろそ)かにしがちになるのも無理からぬところがあるでしょう。
また、糖質制限に懐疑的な人もいます。これは女性にも多いのですが、健康情報に詳しいというタイプに多いようです。情報過多の現代では、糖質制限に関する誤解が蔓延していて(エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない)、その有効性を正しく認識していない場合もあるのです。
そして、最も多いのは、もう健康になることをあきらめているという人です。何度かダイエットに挑戦しては挫折を繰り返し、中年太りは仕方がないと思い込んでいる人のことです。そんな人は、年を取れば歯が抜けたり視力が落ちたりなどといった衰えが起こることも、仕方がないとあきらめています。高齢になれば老化するのは常識でしょうし、これは50代のほぼ全員かもしれません。
しかし、あきらめているのは、糖質制限のアンチエイジング効果を知らないからであり、いかにももったいない話だと思われてなりません。
50代は、人生の後半を幸せなものにできるかどうかの分岐点です。糖質制限の道へと進むことを決断していただきたいと願っています



納得ですね!

食事管理としての糖質制限は効果がありますね。

いつまでも若い体を維持するのは糖質制限ですね!