日本女性の睡眠は短すぎる!
「今までの研究の中で、日本人の睡眠時間が世界の中で短く、欧米では女性が男性より長く寝るが、日本人では女性の睡眠時間が男性より少ない、ということがわかっています。つまりそれは“日本人女性が世界の中でも1、2を争うほど眠れてない”ということなんです」と語るのは、著書『スタンフォード式最高の睡眠』がベストセラーとなっている西野精治先生。「日本人女性のこの状況は、ただ“がんばり屋さん”で済む話ではなく、日々の足りない睡眠時間が徐々に溜まっていってしまっている状態。実はこれは大きな問題で、単なる“睡眠不足”を超えてもっと深刻な“睡眠負債”を抱えてしまっているんです」
週末の寝溜めでは解消されない、“睡眠負債”って!?
「負債は放っておけばどんどん増えていって、しまいには首が回らなくなりますよね? それと同じことが睡眠でも起こっているんです。“睡眠不足”というと『ちょっと足りてないだけ』と思いがちですが、“睡眠負債”となるとどうでしょう? 『早く返済しなくては。急いでどうにかしなくては』と思いませんか? そのくらい溜まってしまった睡眠時間の不足分=負債は、そう簡単には返せないんです。よく『週末に寝溜めをすれば大丈夫』と思っている方がいますが、実はそう簡単なことではなく、ある実験では『体が一日に必要とする睡眠時間より40分短い睡眠時間を長期間続けたために溜まった睡眠負債を返済するのに、毎日14時間ベッドにいることを3週間続けなくてはいけなかった』という結果があるほどです。“ちょっと寝不足”というのがいかにジワジワ自分の体にとって負担になってきているか、というのがおわかりいただけると思います」。
眠り始めの最初の90分”が重要! 睡眠の“質”をアップさせるべし
「一般的に日本人の平均睡眠時間は7時間とされていますが、忙しいと毎日7時間はムリ……と考える人も多いと思います。ただ、実際に大切なのはなにかというと、ずばり「睡眠の質」なんです。そしてその質に大きく関わっているのが『90分のゴールデンタイム』。90分のゴールデンタイムとは、“眠り始めの最初の90分”のことで、人は眠りについてすぐに一晩のうちで一番深い眠りがやってきます。この深い眠り=ノンレム睡眠をいかに深くするか、というのが、睡眠の質に大きく関わってくるのです」
エイジングにも効果的! 「90分のゴールデンタイム」と「成長ホルモン」のイイ関係
「先ほど述べた『90分のゴールデンタイム』が睡眠の質とどう関わっているかというと、まず、この眠り始め最初の90分で成長ホルモン(グロースホルモン)が最も多く分泌されます。これは、成長期の子供だけに必要なわけではなく、細胞の増殖や代謝の促進など体の修復に必要なホルモンです。エイジングケアにも効果があるといわれています。これがきちんと分泌されることがまずひとつ。
そしてもうひとつは、この始めの90分の深い眠りを取ることで『眠りたい』という欲求(睡眠圧)の多くから解放されるので、目覚めもすっきりしますし、日中も『寝たのに疲れが取れない』という悩みもなくなるはずです」
いわゆる“シンデレラタイム”は存在しないって知ってた!?
「『22時~26時の間は“シンデレラタイム”だから、その時間に寝なくちゃ』というのをよく耳にしますが、実はこの“シンデレラタイム”は医学的にはなんの根拠もないんです……。今まで述べてきたことでおわかりの通り、大切なのは『睡眠の質』であって、『眠り始めの90分』で深い睡眠が出現するのであれば寝る時間は関係ありません。美肌にも関係している成長ホルモンを始めの90分にしっかり分泌することが、シンデレラタイムに勝るスキンケアになるはずです
ショック! 眠らない女性は太る!?
「実はあまり知られていませんが『眠らない女性は太る』といわれています。厳密に言うと、眠らなくても眠りすぎてもダメなのですが、それは体の中のホルモンが影響しています。眠らないとインスリン分泌や反応が悪くなって、血糖値が上がり、レプチンというホルモンが脂肪組織から出ず、食べ過ぎを抑えられなくなります。また反対に胃からグレリンというホルモンが出て食欲が増し、交感神経も優位になるので高血圧に。これが太るという根拠。そのほか睡眠不足によるアルツハイマーのリスクや精神不安定やアルコール依存など、さまざまな症状が睡眠と大きく関わっていると言われていて侮れないですね」