「家でパンを焼きました~」

こんな書き込みとともに自作のパン写真をブログやFacebookにアップする既婚女性の姿を、けっこうな頻度でみかける。「その日つくった料理写真」というのは独女のSNSでも見られるが、既婚女性の場合はなぜか「手作りパン」。

芸能人ブログでも例えば辻希美がたびたび手作りパンを作っている様子をブログに掲載しており、モーニング娘。や夫の仕事先などに差し入れしている姿が報告されている。ほかにも住谷杏奈、益若つばさ、小倉優子なども手作りパンを焼きブログを更新済み。

ちなみに辻希美と住谷杏奈に関しては、過去にアップされた手作りパンの写真に不自然な点があるということで、ネット住民より「これ既製品じゃない?」という疑惑をもたれたことも。この疑惑の真相はさておき、こういった騒動になるということは「手作り」のパンを焼くということに対する関心の高さの表れだろう。だから見る目も厳しい。

しかしなぜ「手作りパン」なのだろう? 独女からみると「幸せアピール?」「いい奥さんアピール?」という意地悪な見方をしたくなるが、はたしてパンを焼く既婚女性の本音はどんなものなのか?
「そういえば私も含め、周りのママ友の半分は手作りパン焼いていますね(笑)。なんでですかね? 自分でも考えたことなかったです」

そう語るのは、パン焼き歴3年という既婚女性のアサミさん(34歳)。アサミさんはコストコへ行けば強力粉を箱買いし、それでも足りない時には通販で大量購入しているという。

「女の子って昔からお菓子作りとか好きじゃないですか。パン焼きはその延長。だから本当はお菓子作りでもいいんですけど、お菓子は太るし子供にあまり食べさせたくない。だからパンを焼くんじゃないですか?」

一方、結婚して1年のヨウコさん(32歳)はパンを焼く理由について「暇つぶし」と断言。

「専業主婦で子供もいないので、時間はたっぷりあります。かといってお金がかかることはできない。じゃあ何をするか? という時に自然と手作りパンに興味が出ましたね。パン焼きはコストもかからないし、焼いたパンを友達に差し入れすると喜ばれますから」

「料理は嫌いだけどお菓子作りは好き」という女性は確かに多い。生地をこねたり膨らませたりという作業は料理とはまた違ったワクワク感があるものだが、お菓子ばかりつくっても、食べ過ぎるわけにはいかない。

しかしパンだったら、お菓子ではなく食事になるのである。パンをつくれば自分自身も楽しいし、家族にも喜ばれる。さらに友達に差し入れすれば「料理上手だね」と褒められることもあるだろう。こうして既婚女性はパン焼きに走る、と考えられる。

しかし、自分自身が楽しいのはいいが、家族や友達が“喜ばない”ことも場合によってはあるようで……。

「結婚している姉がまさにこのタイプ。家に遊びに行くと、必ずお手製のパンとピザが出てきます(笑)。最初は嬉しかったけど、いつもそうだといい加減飽きる。それにぶっちゃけそこまで美味しくないし」

そう語るのは独女のサホさん(34歳)だ。ちなみにサホさんの家の冷凍庫には姉に持たされた手作りパンが何個も冷凍されているらしい。

一方アヅサさん(独女・36歳)は会社で手作りケーキやパンを焼いて差し入れしてくれる上司に困っているという。

「作っているのは上司の妻。知らない人が作ったケーキやパンをもらっても、気持ち悪くて食べたくない。潔癖なのかもしれませんが……」仕方ないのでアヅサさんは家にそのまま持ち帰り、ごみ箱に捨てているという。

やはり、手作りだからといって誰でも喜ぶわけではないのだ。その見極めができるほどの信頼関係がないと、手作りパンの差し入れは難しい。そういった感情も含め、つい既婚女性が焼く手作りパンについて、世間は厳しい目で見てしまうのかもしれない(橋口まどか)