2月は最後の蝋梅が咲いていて

そんな蝋梅にサヨナラするように

テレビともグッパイしました。

それにしても『翔んで埼玉』が爆発的ヒットを続けているからって、千葉県に民放の電波さえ飛ばないだなんて・・・

僕はサイフォンのクラクションをシラクラ鳴らしながら、『翔ばない千葉テレビ』の放送が映らないテレビのモニターを眺めました。

自暴自棄になった僕達ファミリーはまたまた丸の内へとお出掛けして、日の丸弁当でも食べようかとサルバトーレ・クオモへ入店しました。

そして自暴自棄になりながらブュッフェのお料理を食物連鎖的に取ってきて、取り調べを開始しました。

この日の夕飯はポークジンジャーでした。
近所のスーパーに『飛べる豚』と『飛べない豚』が売っているかと思いますが、僕たち庶民´sは当然『飛べない豚』をいつも買います。
『飛べない豚』は只の豚なので、もちろん無料です。

僕達ファミリーは映らないテレビにエールを送るようにポークジンジャーを召し上がりました。
けれども、この日は更なる悲劇が僕に降りかかってきて、大事にしていたサイフォンの上部ガラスをワイフに割られてしまったのです。
テレビがいなくなってしまった悲しみが冷め止めぬ中での更なる悲劇・・・
「とっても丈夫だと思っていた上部ガラスが割れるだなんて・・・」
「うっ、嘘だろ??」
「嘘だと言ってくれよ?」
けれども僕のサイフォンは、iPhoneのようには話し掛けてきやしませんでした。
ポケベルさえ鳴らなくて、困惑している裕木奈江のように、僕の勇気は萎えてしまいました。
ポケットベルでもiPhoneでもない壊れたサイフォンを眺めながら、己の能力の限りを尽くして神に逆らってでも本気で直してやろうと僕は思いました。
「大丈夫だよ・・・?」
「今、クレアラシル塗ってやるからな?」
ビキニの背中のフォックに手を伸ばしながら
僕は呟きました・・・
この時の僕はいつもの冷静さを失った冷製スープのようでした。
「あれだけ言ったのに!?」
「鱸のポワレなんか食べたから割れたのよ?」
ワイフは特に詫び入れることもなく、サイフォンの上部ガラスが割れた理由を弁証法的に抽出してみせました。
「全部、鱸のポワレのせいよ?」
「テレビが壊れたのも、サイフォンの上部ガラスが割れたのも、千葉が翔べないのも全部そうだわ・・・」
僕は弁証法的に話をゴリ押しするワイフを眺めながら、「こりゃ、サイフォンの弁償は無いな?」と思いました。
そして、この呪いを解くには僕たちはテレビを買わなければならないのだと決心するのでした・・・
(おしまい)






