ひとりぼっちの蜜蜂まーやが

母さん探して

道草をしていた夏の終わりのことです。













この日はwichaが壊してしまったRukiの軟式テニスラケットを下町ラケット屋さんでご購入しました。



折角、義父であるお爺ちゃんが孫のために買ってくれたのに・・・












まだ4ヶ月そこらしか経っていないのに全く困ったものです。


学割とかないのかしら・・・












オーマイガット価格で購入したラケットにガットを張って貰っている間、近くの公園でお子達ふたりを遊ばせました。


Rukiにはテニスラケットに張るガットのテンションのことなどを教えながら、関税と貿易の一般協定のことなどを伝えました。














家へ帰る途中にハリケーンのような雲を見付けた僕達3人は、立ち止まって巨大な竜ノ巣の行く方を固唾を飲んで見守りました。












固唾を3杯ほど飲みながら見守っていると、予想通り激しい稲妻がほど走りました。

どんどんこちらに近づいてくる巨大な竜巻に恐怖し、本当に僕の固唾は固まってしまいました。














そうそう・・・


ちゃんと夏休みの自由研究も行いましたよ?















結局、大したことは思い浮かばなかったので、やっつけ仕事で家にある洗剤や漂白剤などを10円玉に吹きかけて汚れの落ち具合をレポートに纏めました。















同じくらい汚い10円玉を用意するのは

なかなかの苦労を伴いました。



この実験で重要なことは、同じくらいの汚さの10円玉を揃えることなのです。












自動販売機の下にある10円や

鳩の巣の上でスヤスヤと眠っている10円

化石の発掘場でたまたま発見された10円などを僕らはかき集めました。















それらかき集めた10円玉の汚れを均一にするためには、女神様のいる池へと僕らは向かわなければなりませんでした。













僕が10円を池に落とすと・・・


池の水面が巨大な渦を巻き、池の中から待ってましたとばかりにレオタード姿の女神様が表れました。


ここ最近では誘致問題の影響かすっかり出番の少なくなってしまった彼女ですが、久々のご登場にまるで女神様のように優しい微笑みを浮かべていらっしゃいました。




女神様は仰いました。




「貴方の落とした10円玉はこの金の10円ですか・・・?」


「それともこちらの銀の10円ですか?」
















清い心を持つ正直者の僕は答えます。



「いいえ違います。」



「僕が落としたのは普通の10円玉です。」














すると有り難いことに、なんと女神様は黄金に輝く10円金貨をくださったのでした。






「よし!臨時収入が入ったぞぉ!!」



「本当、パパ?」



「今から下町ラケット買いに行くよ?」



「わぁ~い!パパ大好き❤」




こうして、夏休みの宿題をきちんと終わらせて、女神様に金貨を貰った僕達ファミリーはRukiのラケットを買うことができたのであります。





(おしまい)