キャンプ2日目の朝は4時に起きて、手前を流れる多摩川で小一時間ばかり釣りをしました。

けれども全く反応はなく、今日の予定を即席で考えてから時間が急に勿体無くなり、釣りを切り上げて朝食の準備に取り掛かりました。

ウインナーとマフィンと昨日の残りの牛タンやエリンギなどを焼いて、スクランブルエッグにサラダも一緒に食べました。

後片付けをしてから奥多摩駅へ向い、大勢の観光客で賑わうバス停で20分ほど並んで、何とかバスに乗ることができました。
奥多摩駅から既に渋滞する山道を25分ほどバスはひた走り、終点の『東日原』で降車して、そこから約20程の道程を歩いて目的地へと進みました。

途中、誰とでも仲良くなれる能力の持ち主で戌年でもあるRukiは、通りに面した庭から顔を出している犬と遊び始めました。

この日もとても天気が良くて、新緑を眺めながらの散歩は気持ちがよく、景色を眺めながら歩くと自然のリズムに歩調が合わさっていくのが感じられました。

ヘルメットを被ったNAVITIMEのおじさんは、「目的地に到着しました。案内を終了致します。」と言葉を発した後で、NAVITIMEの象徴的なヘルメットを脱ぎ捨てて額の汗を拭っていました。
目的地はもちろん関東最大級の洞窟で、東京では随一の規模を誇る『日原鍾乳洞』です。

中へ入ると夏でもジャンバーが必要なほど冷んやりとしています。

細い通路を天井に頭をぶつけないように気にしながら奥へと進みました。

すると奥にはライトアップされた巨大な空間が広がっていました。

僕がその景色にみとれていると向こうの方からトムじいさんがやって来て、「小鬼がおる!」と短文をツイートしました。
それから少し得意気な顔をこちらに向けて、「どぉ~れ、見せてあげるかのォ~?」と仰られました。
トムじいさんは腰に付けていたハンマーで手にした石を叩きました。
するとキィィ~ンという渇いた音が洞窟内に響き渡り、トムじいさんが手にした石が割れて、割れた石の断面から滲むような光が放出されたのでした。

トムじいさんは僕らの表情を見ると今度は調子に乗って、力任せにガツンと岩を叩き始めました。

するとその振動で上にいた女の子が体勢を崩して落下してしまったのです・・・

「うわぁぁぁ~!!」
「親方ぁ~!」
タッタッタッタッタッ・・・
「親方ぁ~!!空から女の子が・・・?!」

かつては不良少女と呼ばれて、ご両親から虐げられてきた『シータ』という女の子が、非行石をブンブンと振り回しながらこちらにやってきたのです。
だから僕は慌てて古い暖炉の下にあった秘密の言葉を呟いてしまいました。

「この石はぁ~、ワシには強すぎる・・」
トムじいさんは両腕で自らを抱き締めるように身をうずくまらせて震えだしました。
それからトムじいさんは一艘のボートに乗り込み、地下道を流れる水路をクルーズしていきました。
トムじいさんは水路を下りながら果しなきクルーズを続けました。
いつしか、トムじいさんはすっかりトム・クルーズに成り変わっていたのでした。
to be continued・・・