結局、プルトップを捻って蓋を開けてみれば、2018年の記念すべき初釣りはノーバイト・ノーフィッシュという『完全試合』をやらかしてしまいました。
完全に実力不足の清々しい程の負けを太陽が優しく照らしてくれました。

経験と技術
入念な準備と状況判断
己の精神力
ロリエ・・・
運の要素やフィールドの相性などがあることは勿論否めませんが、フィールドが違えば釣れなくなるし、運だけで次回も釣れる保証など何処にも無いのです。

今回は完敗です。

だから一番搾りで釣り後の乾杯をした僕は、ほろ苦い完敗の味を喉ごしに感じながら、その辺に飛んでいる苦虫を噛み潰したような表情を浮かべました。
「ここかぁ?幻のお蕎麦が食べられるお店は・・・??」

【テロップ】
(ある意味、幻のお店)
腹ぺこの僕は、そんな幻のお店やレジェンド過ぎるお店の幾つかをやり過ごしました。
まだ少し時間があるので次の駅まで腹ぺこ青虫のように歩いて、お食事処や入渓可能な場所を調査することにしました。

歩行者が僕以外いないwicha専用通路をひたすら歩きました。
途中でその道の歩道は無くなり、歩道橋が一段高い所にある別の道へと僕を導きました。

暫く歩いていると今度は橋の下を流れる川で、釣りをしている人が数人いるのが視界に入りました。
どうやって下の河原まで降りるのか、分からずに全然違う道を進んで立入り禁止のバリケードの前で佇んだりもしました。
けれどもハイキングを楽しみながら俳句を読んでいると橋の脇にひっそりと『奥の細道』が顔を覗かせていることに気付きました。
奥多摩ではまだ、八重の椿が空の青さに祝福されていました。
まるで『ロリエ』みたいなサラッさらな
白旗を上げて奥多摩を後にしたのであります。
(おしまい)








