結局、プルトップを捻って蓋を開けてみれば、2018年の記念すべき初釣りはノーバイト・ノーフィッシュという『完全試合』をやらかしてしまいました。


完全に実力不足の清々しい程の負けを太陽が優しく照らしてくれました。









経験と技術

入念な準備と状況判断

己の精神力


ロリエ・・・




運の要素やフィールドの相性などがあることは勿論否めませんが、フィールドが違えば釣れなくなるし、運だけで次回も釣れる保証など何処にも無いのです。












今回は完敗です。












だから一番搾りで釣り後の乾杯をした僕は、ほろ苦い完敗の味を喉ごしに感じながら、その辺に飛んでいる苦虫を噛み潰したような表情を浮かべました。



既に13時を回っていたので、駅前の食事処で美味しい蕎麦などを食べたいと思っていましたが、なかなか美味しい蕎麦が食べられそうなお店を見つけることに苦戦を強いられました。



「ここかぁ?幻のお蕎麦が食べられるお店は・・・??」








【テロップ】
(ある意味、幻のお店)



腹ぺこの僕は、そんな幻のお店やレジェンド過ぎるお店の幾つかをやり過ごしました。


まだ少し時間があるので次の駅まで腹ぺこ青虫のように歩いて、お食事処や入渓可能な場所を調査することにしました。











歩行者が僕以外いないwicha専用通路をひたすら歩きました。


途中でその道の歩道は無くなり、歩道橋が一段高い所にある別の道へと僕を導きました。










一体、何処へ向かうんだろうと思った矢先に、さっきまでの道に再び繋がりました。


暫く歩いていると今度は橋の下を流れる川で、釣りをしている人が数人いるのが視界に入りました。


どうやって下の河原まで降りるのか、分からずに全然違う道を進んで立入り禁止のバリケードの前で佇んだりもしました。


けれどもハイキングを楽しみながら俳句を読んでいると橋の脇にひっそりと『奥の細道』が顔を覗かせていることに気付きました。













どうやらここも本日の魚の『放流地点』のようです。

『年券』を買ったときに貰った放流情報が書かれた紙を眺めると、にっこりとそう書いてありました。










ここでも一応は釣竿を出してはみましたが、ドライ・フライをいくら流してみても状況はドライで魚の反応は全くありませんでした。


僕が狙ってた場所にルアー竿を持ったおっちゃんが後から入ってきて、簡単にお魚を釣り上げて去っていきました。



アイム ハングリーの僕は仕方がなく非常食用に持ってきたカップヌードルをハンガリー風に食べることにしました。











カップヌードルが食べられるカップヌードルになるまでの間に、今朝方失敗に終わったベーコンエッグを再びこしらえてみました。













今度はベーコンエッグの目玉焼きは失明することなく、『明日』と言う名の明るい日を見据えていました・・・













ついでに非常飲料用に持ってきたビールも冷やして飲むことにしました。












優雅に奥多摩の川を漕ぎ進めるカヤックを渓谷の上から眺めながら2日間の想い出を心の中で反芻しました。











奥多摩ではまだ、八重の椿が空の青さに祝福されていました。












白丸駅まで歩いた僕は、このあと電車に乗り込み・・・










まるで『ロリエ』みたいなサラッさらな

白旗を上げて奥多摩を後にしたのであります。





(おしまい)