昔まだ僕らが学生だった頃、大学の部室で皆で酒を飲んでいるときに「な~?なんで『かっぱえびせん』は『かっぱえびせん』って言うんだ?」とひとりの先輩が突然呟きました。


「海老は入っているけど河童は入ってないよね?」と別の誰かが不思議そうな面持ちで言いました。


「原材料を見るとステビアって書いてあるけど、これって河童の名前のことなんじゃないのか?」とまた別の誰かが答えました。


そんな下らない話を聞きながら僕は左手に持つカール・スバーグを一口喉の奥に流し込みました・・・


・・・



今週の日曜日はwichaとふたりで魚釣りに出掛けました。


どんな魚を釣りたいか尋ねるとwichaは「食べられる魚が釣りたい」と言います。

それからwichaは少し考えた後で「イナゴ釣りに行きたい!」と言います。



「175・・・?」


「佃煮??」


「田舎へGO!?」


・・・と思いましたが、直ぐに「タナゴ」だと気付き、近くのホゾでタナゴ釣りをすることにしました。


だいぶ秋らしい木々も目立ち始めモミジバフウの木の星達は赤や黄色に色づき始めていました。






途中の釣具屋さんで餌とタナゴ針を購入するために立ち寄ることにしました。


釣具屋のおばちゃんから「今から釣りするの?」と少しビックリした様子で尋ねられました。


釣り餌と釣り針を買うのに今からゴルフするわけないのになぁ~と思いなからも「今から少しだけ釣りをします。」と答えました。


釣具屋を出た後で「やっぱりタナゴ針は極小に限る・・・」と思いました。


15時過ぎに釣り場に到着し、早速振り出しの竿を用意して釣り座を構えます。


仕掛けをセットした後でビールを飲みながら、wichaが釣りをしているのを眺めていました。


すると直ぐにモエビが釣れます。


餌を付け替えてあげて、仕掛けを下ろすと直ぐにまたモエビが釣れます。


ビールを飲み干して、頃合いを見計らい、こちらも釣りを始めることにします。


すると直ぐに浮きがピクピクと動き


アワセるとモエビが釣れます。


何度やっても、幾らやっても、研究に研究を重ねてみてもモエビが釣れます。


「けれども」でも「しかしながら」でも「それでいて」でもなく・・・




「当然のように」



モエビが釣れます。






初めの方は「何が釣れますか?」と聞かれると「モエビが釣れます」と答えていました。



けれどもやがてそれは「モエビしか釣れません。」に変わっていました。



ときどきは違うものも釣れないかな~と思います。


そしてその願いは現実となり・・・




今度はテナガエビが釣れます。



テナガエビが釣れたことでwichaは幾分嬉しそうでした。

けれども結局は、まるで呪いにでもかけられているかのようにエビしか釣れませんでした。


・・・


先輩は「じゃ~カルビーに電話してみようぜ!」とご機嫌な科白を周りに浴びせかけていました。



それからそこにいる皆をじゃんけんに巻き込みました。


・・・・



あの頃は、河童のこともえびせんのことも正直どうでも良かった。



それくらいポテトチップスに夢中でした・・・



「かっぱえびせん」は発売当時人気があった「カッパ天国」とかいうマンガの人気にあやかって付けた名前だということを電話受付けセンターのお姉さんは丁寧に教えてくれました。


あの当時のカルビーの電話受付けセンターのお姉さんは、もうカルビーの電話受付けセンターのおばさんになっているかもしれません。

あるいはカルビーを退社してしまっているかもしれません。


けれども今日もまたカルビーの電話受付センターの別のお姉さんが「かっぱえびせんの謎」についての質問に丁寧に答えているのだと思いました・・・




おしまい




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