地デジに移行して1年8ヶ月もたつのに、いまだに民放キー局はマルチ放送を実施していない。もちろんできないのではなく、彼らの勝手な都合(わがまま)でやろうとしないのだ。自分達の不始末を視聴者に見せるのはいいかげんやめてくれ。録画のゴルフやフィギュアスケート中継はもうたくさんだ。

 一昨日の「ヤマハレディースオープン葛城」が面白かったのはいつもの(地上波の)録画ではなく、BSでのライブだったからだ。3人によるプレーオフにもつれ込んだおかげで延長になったが、最後までフォローしたのは良かった。というか、これが本来なら当たり前なのである。時間枠に縛られた地上波で生中継できないならBSでやればいい。最近のテレビやレコーダーにはBSチューナーはほとんど付いているので、パラボラの費用(8千円ぐらい)だけで楽しめる。設置も自分でやれば余計な費用もかからない。もともと地上波で解決できない地域差をなくす為にBSを始めたのだから、その目的どおり運用するのがテレビ局の使命であろう。たかが土日分のゴルフ中継枠を取るぐらいやればできるはずだ。あるいは、地上波で午後2時から4時まで生中継して延長分だけBSでリレーすればいいのに、無理に地上波だけでカバーしようとするからダメなのだ。もう少し気を効かせれば面白いスポーツ中継はいくらでもできるのに、バカな地上波がでしゃばるせいでいつも邪魔をしているのが分かるだろう。

 この国のスポーツ中継がアナログ時代から全然進歩しないのは、みんなやる気のない民放キー局のせいと言っていい。彼らは「テレビ界におけるガン」そのものだ。カネとスポンサーの事にしか頭を回そうとしない。今後も当分マルチ放送の実施はないだろう。新しいことを自分達で始める度胸すらないボウゾーなのだから。