私は、日本保守党が掲げる「日本を豊かに、強く」という理念に共感し、現在の無秩序な移民政策には断固反対する者である。しかし、一人の支持者として、党の言説に拭いきれない**「論理的な二重基準(ダブルスタンダード)」**と、歴史に対する不誠実さを感じざるを得ない。
1. 「共栄」の美化と「移民拒絶」の矛盾
党指導部は、大東亜戦争を「アジア解放」や「五族協和」の理想を掲げた聖戦として肯定的に語ることが多い。だが、大東亜共栄圏とは本来、国境を越えて多民族が混じり合い、一つの運命共同体を形成しようとした「拡大主義」の極致である。 もし当時の「他民族と共に歩む」理想を正義とするならば、現代において「他民族の流入を拒絶する」という排外的な姿勢は、先人たちが掲げた理想そのものを否定することにならないか。真に日本の純潔性を守る「保守」であるならば、他国と深く交わろうとした過去の拡大路線こそ、日本の独自性を危うくする試みとして批判的に検証すべき対象であるはずだ。
2. 歴史検証の不自然な「沈黙」:南京と731部隊
さらに、百田代表や有本事務総長の歴史に対する姿勢には決定的な偏りがある。 両氏は「南京大虐殺」については、誇大宣伝や捏造であると執拗に批判し、事実の究明を求める。しかし、その一方で、生物兵器の研究や人体実験に関わったとされる「731部隊」の存在については、驚くほど沈黙を貫いている。 南京の不正確さを突くのであれば、同じく日本の戦史に刻まれた731部隊の負の側面についても、保守の立場から毅然と事実を検証し、向き合うべきではないのか。「自分たちの物語に都合の悪い事実は黙殺し、都合の良い疑義だけを叫ぶ」という姿勢は、学術的な保守主義ではなく、単なる「現実逃避」に過ぎない。
3. 真の「保守」なら論理の一貫性を持て
我々が守るべきは、日本の名誉だけではなく、日本人の「誠実さ」と「論理的整合性」であるはずだ。 「昔の日本が行った拡大政策は正しかったが、今の外国人が来るのは間違いだ」 「南京の捏造は許さないが、731部隊の不都合な事実は見ないふりをする」 このような継ぎ接ぎのロジックでは、知的な国民や次世代の信頼を得ることはできない。
結びに代えて
日本保守党が真に日本の未来を担う政党でありたいのであれば、過去のノスタルジーに浸るための「歴史のつまみ食い」はやめるべきである。 「移民反対」という現在の正しい旗印を掲げるならば、それと矛盾する「過去の拡大主義」を客観的に見つめ直し、負の歴史からも逃げずに一貫した国家観を提示することを強く求める。論理の通らない保守に、この国の舵取りを任せることはできない。