NBAの試合結果を

見ていたら

とても参考になる

為になる記事を

発見しました。

 

 

http://nbareporter.net/2023/04/30/02-10/

 

【 以下、記事内容 】

 

去年の5月にサクラメント・キングスのヘッドコーチに就任したマイク・ブラウンが、16年連続でプレーオフを逃し続けてきたチーム(NBA史上ワースト記録)をたった1シーズンでウェストの3位にまで導いた手腕が認められ、NBA史上初となる1位満票でキャリア2回目のコーチ・オブ・ザ・イヤーに輝きました。ウォリアーズとスパーズではアシスタントでしたが、ティム・ダンカン、レブロン・ジェームズ、コービー・ブライアント、ステフ・カリー、ケヴィン・デュラントをコーチしてきたこの彼の輝かしい経歴を見てください。これだけ多くの時代を代表する選手たちをコーチしてきた人は他にいないのではないでしょうか。

そんなブラウンが、30勝だったチームをどうやって48勝チームへと変えて行ったのかについて、B/Sのクリス・ヘインズとマーク・スタインに話していたので紹介します。

ブラウンがまず最初に語ったのはカルチャーでした。

ブラウンは6年間ウォリアーズでスティーヴ・カーのアシスタントコーチとして過ごす中、カーとGMのボブ・マイヤーズがどうオペレートするのか見てきて、チームづくりに大事なのは戦術よりもカルチャーの方が大事ということがわかったそうです。

彼がスパーズでポップのアシスタントをしていた時はまだ若かったので、そのありがたみと深さを理解できなかったそうですが、経験を積んだ後にウォリアーズのアシスタントになってからは、その大事さを良く理解できるようになったそうです。ブラウンにとって、ポップとカーの2人はリーグでもベスト・メッセンジャーだそうで、選手たちへのメッセージの伝え方が上手いそうです。そのため、ブラウンはカーよりもヘッドコーチの経験があるにも関わらず、カーが選手たちに何を言ったのかノートを取って研究していたそうです。

カルチャーの大切さを学んだブラウンは、キングスの仕事を得る前に、キングスからカルチャーづくりについての以下の3つの事を了承してもらったそうです。

 

1. 球団のすべての部門の垂直および水平の協力と団結

 

これがサステナブルなカルチャーづくりのファーストステップだそうです。そのためにブラウンが最初に着手したのは、コーチングスタッフ、チケットセールス、メディカルスタッフ、コミュニティー・リレーションなどの各部門の間で信頼関係を築く事でした。そのために、すべての部がいつでも自分と会えるようにして、みんなが自分とのやりとりを通して自信を感じ取ってもらえるようにしていたそうです。

ブラウン:「シーズンが始まる前に、私はチケットセールスチームと即興でQ&Aをした。私には彼らへの質問があり、彼らも私に質問した…私たちが互いをより理解すれば、私たちはより良い仕事と集団的なビジョンを提示できるようになる」

また、フロントやオーナーシップの全員がチームの一員だと感じてもらうために、普通はコーチだけで行われるコーチのリトリートに、フロントオフィスのモンテ・マクネイアー(GM)とウェス・ウィルコックス(アシスタントGM)らの地位の高いエグゼクティブたちを招待したそうです。

コーチ陣が選手たちから信用を得られやすくするため、選手たちに自分がコーチたちを信用している事を見せていたそうです。例えば、トレーニングキャンプの前、ブラウンはキングスの練習場にいたそうですが、選手やコーチたちが練習しているコートに出ていったのはたった2回だけで、後はコーチにすべて任せていたそうです。

ブラウン:「コーチはやっていることを理解しているし、わざわざ5分毎にコートに降りて行ってプレーを修正したり、私がコーチできると証明するような事はしなかった。私はただそれを見ていて、選手たちと個人的に話して、家族のことや何があったかを話していた。それがファーストステップだ」

 

2. チームと同じように球団全体で原則と価値観を確立する

 

ブラウンはコート内外で受け入れられる価値観を共有しなければならないと考えているそうです。

そのため、原則、ルール、価値観を定め、球団にいる全員のリーダーたちがそれを支持するようにしたそうです。

ブラウン:「球団内のリーダーたちがそれらを信じれば、みんながあなたの後をついてきてくれる」

 

3. 各選手、コーチング・スタッフの各メンバー、オーナーのヴィヴェック・ラナディヴェが、各自アサインされた役割に完全にコミットする契約にサインする

 

ブラウン:「全員の役割をつくる。オーナーシップを与え、役割を定義させる。そうすれば最終的には全員がそれを自ら受け入れる。勝っている時はいいが、負けている時は役割を持つのが難しくなる。だから各自にオーナーシップを与え、役割を定義させたのが大きかった。そしてそれをチーム全体で共有する。一度それをチームで読ませ、チームの前で合意してもらう。実際にサインしてもらう。そうすると後戻りはできない。そして一度その価値観を共有して理解し、私と同じくらいそれを大事に思ってくれるようになる」

そして、選手たちにその契約書にサインしてもらった時の事については、「トレーニングキャンプの開始時にチーム・ディナーをして、それぞれの役割を説明した。役割に不満を持った選手もいたが、もし自分の役割を受け入れる事に同意したなら契約にサインするんだ。誰もサインを強制されていないが、もし契約にサインしたなら、チームメイトはあなたが義務を果たすことにコミットするのを見た事になる。だから、もし、大変な事態になっても逃げることはできない。チームへのコミットメントから逃げた場合、責任を取らなければいけない。本当にそれに価値を見出すと、それを守って受け入れるものだ。それが私がチームに求めたものだ。選手全員がサインした」

ディアーロン・フォックスはその時の事について「あなたがもしこれだけの時間をプレーするなら、その時間で全くプレーしない選手たちが出るかもしれない。しかし、それ(契約へのサイン)はコーチのブラウンに、球団全体に、あなたが役割を受け入れる意思がある事を知ってもらうためだった。自分の役割にハッピーではなくても、その役割を受け入れ、それに取り組む意志があるという事が大切だと思う」と話しています。

ブラウンはその契約書のコピーを3部とっていて、1部はいつもチームと一緒に持ち歩いていて、残りの2部はそれぞれゴールデン1・センターのロッカールームと練習場に置いてあるそうです。

ブラウンは、ヘインズからそのようなカルチャーをキングスに導入できると思っていたか聞かれ、自信はあったと答えています。むしろ、キングスは成功していないため、方向性を求めていたようです。そのため、ブラウンは自分の信じる正しいやり方で球団の方向性を示し、自分の手で球団を成長させていくチャンスがあると思ったそうです。ブラウンが2011年にレイカーズのコーチになった時に、コービーからフィル(フィル・ジャクソンの事、レイカーズで優勝5回したヘッドコーチ)の時はこうしていたと言われ、「オー、シット!」とたじろいでしまい、「コービーの言う事ももっともだ」と思った事もあったそうですが、キングスではそういうような事を心配する必要がなく、むしろ逆の立場だったそうです。キングスで自分の目指すカルチャーを確立できると話していました。

ブラウン:「新しいカルチャーを導入するのは大変だ。(キングスは)長い間まちがった事をしてきたので、むずかしい会話をしなければいけない」

キングスもマイク・ブラウンのチーム・ビルディングに信頼を寄せていて、チームの成功に向けて全面的にサポートしているのが伺えます。何よりもオーナーにも自分の役割を理解してもらったのが大きいのではないでしょうか。もしかすると、このあたらしい信頼関係があるカルチャーのおかげで、「ライト・ザ・ビーム」のようなアイディアも受け入れられたのかもしれません。*ライト・ザ・ビーム=キングスが試合に勝つとレーザーライトをアリーナから空に向かってシンボルのように灯す事。キングスの事をビーム・チームと呼ぶ時もあります。

ブラウンがカルチャーの次に話していたのは、勝者になるマインドセットの確立です。

ブラウンが以前、ベイエリアにあるSMC(セントメアリー大)を再建したヘッドコーチのランディー・ベネットに、「最も大きな後悔は何だった」と聞いた時に、ベネットの答えは戦術ミスなどではなく、「マインドセットの早期確立」だったそうです。ベネットはブラウンに、「最初の頃、数ポゼッションゲームの接戦になると選手たちの頭に疑念がよぎってしまう。相手は『ヤツらはSMCだ、流れを変えてやっつけよう』となる。接戦でそのような迫力に直面すると、90%弱いチームが負けてしまう」的な事を話し、もし当時その事がわかっていたら、もっと早くチームを立て直す事ができていたはずだったと言っていたそうです。

その状況はキングスでも同じだったため、ブラウンにとってベネットとの会話は大きな助けになってくれたそうです。

ブラウン:「何年もキングスと試合をしてきて、試合の残り5分くらいでタイムアウトをとって、『よし流れを変えよう、ギアを入れ替えて奴らをやっつけて試合を終わらせよう』と言って、実際にそうして、8ー2ランの展開になると、キングスの選手たちの目から疑念を感じ取る事ができた」

そのため、ブラウンは初日から選手たちにプレーオフに行くにはマインドセットが必要だと言い続けてきたそうです。

ブラウン:「私がやったのは、自分たちはできるという信念を植え付ける事だった。2年後でも3年後でもなく今すぐにだ。プレシーズンでの小さな成功も正しいやり方で祝った。これとあれをやれば私たちも同じように相手をやっつけられる。それは偶然ではない。全員が夏から一生懸命に個別ワークアウトやチーム・ワークアウトしてきた。すべての小さな事やすべての機会で『私たちは他のみんなと同じように優勝争いをする事ができる』と信念を鍛えてきた。今はそれがある」

プレーオフについて聞かれたブラウンは(この時点ではまだプレーオフの対戦相手がわかっていなかった):

「私たちはアンダードックだ。ウォリアーズ対ペリカンズ戦(レギュラーシーズンの)を選手たちと観て何か気になるところがあった聞いた。デヴィオン・ミッチェルが躊躇なくフィジカリティーだと言った。私は『100%正解だ』と言った。私たちがレギュラーシーズンでここからここまでくるのはとても簡単だった、まとまって、競い合って、比較的健康で、少し運が良ければプレーオフに進出できる。でもポストシーズンでここからここまで行くのは物凄くハードだ。彼らにはその経験がない。攻守での多くの事はどれだけハードにフィジカルでプレーするかから派生する。48分間だ。もしフィジカルにもメンタル的にも準備ができていなければ早く敗退する事になる。だから今選手たちには真実を話している。相手がレイカーズだろうが、ウォリアーズになろうが、彼らが私たちの目にほんの少しでも疑念を見たら終わりだ。何が起ころうが気にしない、彼らに疑念不安を感じさせてはいけない」

このマインドセットはうまくチーム内に浸透しているようで、チームとして経験がないプレーオフにも関わらず、彼らのプレーには恐れや萎縮は感じられません。The Athleticのアンソニー・スレイターによると、ウォリアーズのウィングのアンドリュー・ウィギンスも「キングスはひるまずに攻撃し続けてくる」的な事を言っていたそうです。

キングスのプレーオフでのプレーを観て、多くの人がキングスは本物だと感じているのではないでしょうか。ブラウンがキングスにもたらしたカルチャーとマインドセットが効果を発揮しているのだと思います。リーダーのビジョンって大事ですね。これはあらゆる組織に当てはめる事ができるのではないでしょうか。これからもずっとサクラメントの空に「プレーオフ・ビーム」を灯していって欲しいと思います。

 

 

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ちょっと長いですが

以上が本文です。

 

こういった内容を読むと

「スポーツの世界にありがち」

という印象を受けるかも

しれませんが、これこそ正に

一般社会や企業、場合によっては

学校や公共機関にも

必要であり、通ずるものが

あるように思えます。

 

というか、上記のコミュニティに

カルチャーとマインドセットが

無いから、往々にして

ダメな組織が構築されがちなのだと

思ってます。

 

 

確かに仕事や学校は

スポーツほど楽しいものでは

ありませんが、だからこそ

指導する立場、コーチングする

人達は何をもって取り組むのか

もっと真剣に考えるべきだと

思います。

 

過去を振り返ってみると

どの企業もカルチャーと

マインドセットなど

殆ど教える事なく

どうしたら売れるのか

企画数値が達成できるのか

だけに注力してました。

 

その結果、表面上は

取り繕えても中身は

スカスカな企業、集団に

なっていたように思えます。

 

 

AIでもって標準化・平坦化

されていくのが決まっている

この世の中で、いかにして

突出した何かを持てるのか

創れるのかは、こういった

カルチャーとマインドセットに

大きく起因してくると考えます。

 

そこに気付かない集団は

均一化の波に飲まれ

大手の歯車にしかなれない

末路を辿るかもしれません。