2021年 7月 26日
農業と食料自給率
会社員時代の部下が農業をしており、悪戦苦闘の日々を過ごしていると聞きました。
人と違い作物は喋りませんし、天候にも大きく左右され上手くいかない事が多く
大変だと。その代わり想定以上の結果が出た場合は本当に嬉しいとも言ってました。
ここまではイメージ通りの農業でしたが、それ以降語ってくれた内容は普通の生活を
していたら中々聞けないものでした。先ずは農業に携わっている方々の年齢。その
後輩は30代後半になるぐらいですが一番若く、次に若い方が50歳代との事。70歳代や
80歳代も多く、とにかく高齢化が進み、今後数年で引退や農地を手放す人が非常に
増える見込みとの事でした。また、農業をするのに必要な経費がとにかく高い。
何をするにもお金が掛かり躊躇するようです。コロナウイルス感染に伴った国内外の
移動が制限される中で日本の食料自給率は38%しかありません(※2019年数値)。
農地として活用できる土地はたくさんあり、農業に対して興味を持ち出した
若年層も増えてきました。しかしながら昔ながらの「やり方」「慣例」が未だに
横行し、新規参入を妨害とも言える状況を作り出しています。一般企業における
入社は仕事に必要な備品の準備で数万円はかかりますが、何十万も何百万も
かかりません。トラクターを1台購入するのも300万円?程度のようです。
世界各国の経済が逼迫し、輸出まで回らない食材も増え価格が高騰してきました。
今こそ古いしがらみを捨て、農業に新規参入するなら公的機関が物品や土地も
安く貸し出し、軌道に乗ったら回収するぐらいの仕組みを作る必要があります。
衰退分野として、コロナウイルスの影響をモロに受けている飲食業や観光業に
目が行きますが、生活の根源となる「衣食住」の「食」に関わる農業に対し
もっと注目すべきです。そして世界に誇れる作物の品種を作り、供給できる環境を
各都道府県の特色を活かしながら展開する事が国力増強にもなります。