記事より~Yomiuri onlibne

鳩山法相は25日の閣議後の記者会見で、司法試験合格者数を年3000人程度まで増やすとした政府方針について、今年度中に見直しを含めた検討組織を法務省内に設置する意向を明らかにした。

鳩山法相はこれまでも、「3000人は多すぎる」という考えを表明しており、「省内で検討するのは当然」と発言。具体的な組織のあり方については「私的な勉強会か研究会か、どういう形になるかは決まっていない」としたが、「3月ごろにはつくりたい」と年度内の設置を明言した。

鳩山法相は法曹人口について、「法曹の数が増えれば、質の問題に影響する。司法修習生の卒業試験不合格者が増えているのは、司法試験合格者数の増大と関係がある。門戸を広げ、誰でもなりやすいようにするという考えは誤っており、社会の乱れにつながる可能性がある」と述べた。




今年会計士試験に合格した人たちは,、現在せっせと「補修所」なるものに通っています。

会計士の補修所ってのは、司法試験の修習所とは異なり、そこに専従してびっちり実務関係を教え込まれるってものではなく、日常は監査法人等で働きながら平日の夜および土曜日に通うことになるものです。

聞くところによると多いときには週に3回通うこともあるそうです。



専従して通うものではないことからもわかるように、司法修習のように実務色が強いものをみっちり学ぶのではなく、経営分析だの税法総論だのあくまでも「お勉強」をしにいくところで、実務はそれぞれの働いている監査法人なり会社で行いなさいってスタンスです。



さんざん勉強して会計士受験に受かったばかりの人たちに、そんなお勉強を強制するっていうのが、どんだけ必要だか個人的に疑問です。まぁ、受けてる当の本人たちもそう思っているようで、その結果補修所にかようっつうのは、会計士として登録するためだけの単位を得るために通うもの、いわゆる形だけのものとなってしまってます。



そもそも会計士試験の合格者数を増やした趣旨として、企業内会計士の育成というのもあったかと思います。


が、現在のように週3回も平日の夜に行うというのでは、監査法人に勤務していない限り補修所に通うことは実質的には不可能でしょう。


監査法人では、補修所にいくのが業務の一環として許されているため、補修所にいくことを理由としてJOB等から早くあがっても早退扱いになりませんから、そりゃ平日の夜だろうがなんだろうが出席できますが、普通の会社に勤めている限り、こんなことはできなことは明らかでしょう。

(集中講義ってのもあって、これは平日の一週間昼間に行われます。こんなので貴重な有給を5日も使うのはもったいないですね。。。)



上述のYomiuri onlibne の記事にありますように、いま弁護士の合格者人数が多すぎるといわれていますが、さて会計士はどうなんでしょう?


監査法人においては、現状下では確かに人手不足を感じますが、今後、継続して3000人規模を増やさなくてはならないほどではないでしょう。


では、増やした人は普通の会社に、企業内会計士として入るのでしょうか?企業内会計士、平たく言っちゃえば、社内で他の人より簿記がくわしいくらいの位置づけにしかならず(実務に長く携わっている経理の人のほうが、その社内処理に関してはよっぽど詳しいと思いますが。。)、同じように「企業内」がつくとしても弁護士とはだいぶ役割・ポジションが違いますから、企業側からしてもあえて会計士資格を有している新人を採る必要性は乏しいかと思います。



失言大王の鳩山首相の、「多い=質が悪い」っていう、いつもながら安直かつ無責任な発言はさておき、会計士においても将来的な合格者の人数をお偉いさんによ~く考えてもらいたいものです。


でもその前に、企業内会計士を産むなんて(上っ面の)目的のもとに合格者の増加をおこない、すでに今年の大量合格者を生んだのですから、実際一般企業に勤務している人も通えるような補修所制度にしてほしいものです。


そうならないなら、形だけの補修所制度なんてなくしちゃえばいいのに。