繁忙期もすぎ、時間が出てきたので先週末くらいから、小説を読みふけっております。

集中すると1~2日で一冊ペースで読めるので、すでに結構な冊数に


東野 圭吾
分身

鞠子と双葉。それぞれ東京と北海道で生きている2人の少女。

まったくつながりのない2人、けど2人は瓜二つだった。


「分身」という題名からもわかるように「クローン」を一番のテーマとしたもの。クローンという人間の域を越えた行為とその試みの結果に苦しむ、作った人々・子供が自分の子ではないと気づき苦しむ親、そして自分が分身として作られた子供達。人々それぞれの心理描写が深いものでとても印象深い 。

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垣根 涼介
サウダージ (文春文庫 か 30-3)
主人公は日系ブラジル人「耕一」と、裏家業修行中の「アキ」
「耕一-DD」、「アキ-佐々木和子」の二組の恋愛が絡みながら物語りが進んでいく。

おつむの中が空っぽで本能のおもむくままに行動するキャラクターが強烈なコロンビア人「DD」と、特異な生い立ちゆえに鬱屈している耕一との組み合わせと、元ギャングのヘッドだったがまだ若くあどけないところも残すアキと聡明で自立心ある和子との組み合わせの対比等々が絶妙に描かれています。
まぁ、よくも悪くも垣根ワールド。毎度のことですがセックス描写はエロイです。 

伊坂 幸太郎
グラスホッパー

「押し屋」「自殺させ屋」等々、裏の世界でいきるものが絡み合うなかに飛び込んだ妻を殺された男「鈴木」。

裏家業の人々のなかにあって、「普通」であることがいろいろなトラブルに巻き込まれて。

裏家業の人々が冷たいだけでなく、それぞれにユーモアを持ち合わせているところは面白い。

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東野 圭吾
秘密 (文春文庫)

事故に遭った妻と娘。妻は死に、娘は助かる。しかし、娘の体には亡くなったはずの妻の魂が入っていた。そして奇妙な夫婦の生活が始まる。新たなる人生を歩む妻と愛の形を変えていかなくてはならないと決意した主人公。


なんか読んでいて、とても切なくなってくる物語。新たなる人生を歩んでいく妻と、それを見守らなくてなならない夫。そんな夫が見せる、男ならではの嫉妬の仕方には、とっても共感できる。

◎◎


中場 利一
ノーサラリーマン・ノークライ

銀行員が舞台の青春モノ。個性豊かな登場人物が魅力的。仕事ではいやな上司が、ある時突然見たことのない姿をあらわしたりする。 主人公も悩み方とかが人間臭くて共感できる。今の会社やめたいけど、条件とか生臭いことを考え出すと踏み切れないあたりなど特に。

作品中によくでてくる上司の言葉「軸足を前へ!」は、いい言葉だなと個人的にも思う。

◎