記事より~

ソニーは24日、折り曲げた状態でもフルカラーの動画を映せる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーを世界で初めて開発したと発表した。プラスチックフィルム基板と有機薄膜トランジスタ(有機TFT)を組み合わせ、パネル厚を0.3ミリに抑えた。「壁張りテレビ」の実用化にもつながる技術で、ソニーは薄型テレビの次世代技術競争で他社に先行する考えだ。

 開発したのは画面サイズが2.5型のディスプレー。硬いガラス基板にシリコン半導体材料のTFTを集積した従来の有機ELディスプレーに比べて、厚さを10分の1以下に抑えた。商品化の時期などは未定。

 曲面にも張り付けられるほか、丸めて収納することも可能。携帯機器や壁、柱などに張って動画を表示できるという。今後は材料の寿命や動画表示性能などを改善し、テレビや携帯電話の画面などに加え、新しい用途の開拓にも乗り出す。 (19:28)


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一年ほど前、ワールドビジネスサテライトで開発中の折り曲げられるテレビが紹介されていた。確かそのときは白黒だったと思うが、それをカラーでソニーが開発。まさに壁掛けテレビから壁はりテレビへと。


壁に貼れるくらい薄いのだから、さまざまな活用が見込まれるだけに、いち早い商品化が待望される。窓ガラスにテレビとか、クローゼットのなかにテレビなんてのが見られるのも、そう遠い将来ではないのだろう。



まぁこのような商品への興味はもちろんのことだが、この商品をソニーがいち早く開発したというのがとても興味深い。

かつてはブラウン管の独自技術「トリニトロン」により世界的に名をはせたが、薄型テレビでは出遅れ、最近ようやくVEGAで盛り返しつつあるが、かつてほどの輝きは失われている状況下での、この一石。


果たしてこの一石が起死回生の一石となりうるのか。





ちなみに、そんなソニーのテレビの歴史が書かれているのがこの本。ソニーの独自技術であるトリニトロンの開発から、出遅れた薄型テレビVEGAの開発までが書かれている。

勝見 明
ソニーの遺伝子―平面ブラウン管テレビ「ベガ」誕生物語に学ぶ商品関発の法則