タリーズの創業者、松田氏のタリーズ創業記。読みやすい語り口ながら、松田氏の「食文化」へのこだわりとコーヒーへの情熱が伝わるような本である。
- 松田 公太
- すべては一杯のコーヒーから
タリーズをつくるにあたって、松田氏が一番気をつけたが、ブランドビルディングとのこと。それまで日本になかったスペシャリティコーヒーという分野を開拓するためのイメージ構築。そのための1号店が銀座だったとのこと。これは同分野の雄、スターバックス1号店も銀座であることから、両社ともに同様の考え方に基づくものなのか。
この2店、出店の経緯は、スターバックスがアメリカ・スターバックス社とサザビーとが組んで日本進出を行ったのに対して、タリーズは松田氏個人のみで日本出店している。
なおスターバックスジャパンの株式は18年9月30日時点でサザビーリーグが40%、エスシーアイ・ベンチャーズ・エス・エル(米スターバックスの100%子会社)が40%保有している。(半期報告書「大株主の記載」より)
現時点でスペシャリティコーヒーという分野において、ブランドっていう側面のみではスタバのほうが優勢かなと個人的には感じる。が、利用に関してはタバコをすう俺にとってタリーズのほうがありがたい。スタバはもっぱらテイクアウトか新宿サザンテラス店のように外でタバコ吸えるところでの利用のみ。新宿サザンテラス店は外の喫煙できるベンチが多いため喫煙者でも使いやすいスタバの店舗のひとつ。
ちなみに定番中の定番であるカフェラテ(SIZE:TALL)はスターバックス:360円に対してタリーズ:370円とタリーズのほうが10円高い。これを見ると、やはりスターバックスを意識した値段だと思われる。
しかし、残念ながら、タリーズのコンビニへの展開は失敗か。スターバックスラテはいまだコンビニで見られるが、タリーズのものは最近コンビニ店頭でめっきり見れなくなってしまった。個人的にはスタバラテよりタリーズのほうを好んで買っていただけに残念。
スターバックスだけでなく、エストネーション(服屋)までもサザビーの系列だったなんてホームページを見るまで知らなかった。松田氏のタリーズを作り上げた情熱と行動力はもちろんのことだが、母体の色を覆い隠し完全に各ブランドの色を確立させるというサザビーのブランドビルディングの手法にも感服
サザビー
http://www.sazaby-league.co.jp/