記事より~
証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布)罪に問われたライブドア(LD)前社長堀江貴文被告に対し、懲役二年六月(求刑四年)の実刑判決が言い渡された。 無罪を主張する堀江被告に対し、東京地裁は被告らの粉飾決算が証券市場に対する詐欺行為と判断。「投資家を欺いた。反省の姿勢も見えない」として主張を退けている。
執行猶予がつかなかったのは、それだけ被告らの粉飾決算が悪質で投資家への影響が重大だという証しだろう。
判決によると、堀江被告は元取締役宮内亮治被告らと共謀の上、LDの二〇〇四年九月期連結決算で架空の利益や別勘定にしなければならないLD株売却益を計上。約三億円の経常赤字を約五十億円の経常黒字に粉飾した有価証券報告書を関東財務局に提出した(粉飾決算)。
同年秋には、関連会社が出版社を買収した際、買収先企業の価値を過大評価し関連会社の業績も虚偽の発表をしていた(偽計・風説の流布)という。
公判では、堀江被告が一連の違反行為を宮内被告らと共謀し、株売却や違法計上などの結果についても了承していたかどうかが最大の争点だった。
だが判決は「架空計上を除き、犯行を主導したとまでは認められない」としつつ、「事件は堀江被告主導だった」とする宮内被告らの証言は「信用できる」とした。堀江被告の事件への関与は明らかとの判定である。
株売却益計上について弁護側は、主導したのは金融部門の責任者宮内被告と訴えてきた。また「投資事業組合には実体があり、投資利益の損益への計上は違法ではない」とし、検察と真っ向から対峙していた。
これについても判決は「売却に関与した投資事業組合は脱法目的で組織され、売却益計上は許されない」と厳しく断じている。
自社株売却は決算上、資産状況を示す「資本」に計上すべきなのに、ファンドとして実体のない組合を使って投資による利益に見せ掛け、売り上げなど経営成績を示す「損益」に入れたことを違法とした検察の主張をいれた結果といっていい。
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堀江被告への判決は、誰もが思っていたよりもはるかに重い執行猶予なしの2年6ヶ月というものだった。この類の判決にしては極めて重いものだといわざる終えない。これに対して日興CGの意図的と言わざるおえない連結はずしにおいては、上場廃止にならならず当時の経営者の刑事責任も問われていない。
両社の組織の規模は明らかに違うが、単純に粉飾の金額としてはライブドア50億円に対して日興150億円とはるかに日興のほうが多額である。しかし結果を見てみると、この差はいったいなんであろうか。大きくみればSPCをつかった利益の水増しってことでも両者は一致するし。。。
以前記事でも書いたが、http://ameblo.jp/whosewhose/entry-10022003079.html
みすず監査法人はこの事件が大々的に明らかになる前に、日興CGに対して連結の範囲について意見を述べている。(と、思われる。)監査において、会社に修正指摘をしながらさまざまな理由により会社側が訂正しない部分に関しては経営者に対してマネジメントレターを提出することになっている。この限りでは、みすず監査法人が連結範囲を指摘した時点でこのマネジメントレターに記載されていた可能性は多分にあると考えられ、結果少なくともそのときには経営者は当該連結はずしを知っていたということになるはず。
百歩譲って日興の主張どおりに担当者の暴走だとしても、そのときに知っていたのならいくらでも訂正する余地はあったはず。それを訂正しないでほっていおいたのは、それだけでも意図的といえるのではないでしょうか。
まぁ、連結の範囲という問題に関して一担当者の独断で行われることなど絶対にないと俺は思いますが。それがベルシステム24という大きな会社の売却スキームを絡めたSPCの取引だとしたらなおさらです。