今回は自分の仕事についてお話ししますが
あえてネガティブな内容です。
かといって、自分の気持ちに偏った内容ではなく、僕が見てきた現実です。
次回につなげるためにマイナス面を綴っていますので、
そんなに重く受け止めずに読んでみてください。

ぼくは今まで広告業界にいまして、広告業界といっても広いんですが、
いわゆるグラフィックデザイナーをやっておりました。
というか今でもそうなんですけど(笑)
もうかれこれ、キャリアだけは20年ほどになります。
印刷会社・制作会社を経て、現在フリーランスとして仕事をしています。





自分なりに頑張ってきたつもりではありますが、それなりの腕で、それなりの評価を得てきました。
極たまにクライアントから絶賛していただけることもありますが、それはもう嬉しいもんです。
ぼくは超かっこいい広告を作るのは少々苦手です。センスがないんでしょうね(汗)
ただ、広告の芯を見抜いて、費用対効果を上げることに対しては、ある程度の自負があります。
そのおかげでクライアントからの信頼度は以前いた会社の中でもトップレベルだったと思います。

自分の紹介はこれくらいにしまして
最初に書くのにちょっとアレなんですが、この業界のあまりよろしくない特徴や風習を書きますww

その1
締め切りに追われることが多いですから深夜残業・休日出勤等々になってしまうことはままありますし、今でもそうです。
ですからデスクワークといえど慢性の眼精疲労と睡眠不足、さらに運動不足も加わりなかなか疲労がとれません。

その2
景気の影響と世の中の風潮をもろに受けてしまいます。
クライアントの売上や利益が下がった場合、まず何をするかといえば、大抵は広告・広報日の削減です。
そんな中であらゆる広告代理店や制作会社、デザイナーさんが仕事を取りに行くわけですから当然価格競争になり、低価格化が進みます。
また2011年の震災の時など非常にわかりやすいのですが、例えばTVCMなど各企業が自粛しACジャパン(日本公共広告機構)ばかりでしたよね。
各種イベントも自粛されあらゆる制作物がストップしました。
しかし被災者の方々は本当にそれどこれではないので、周りに文句を言う人間がいなかったのが幸いです。
また、パソコンの普及などにより、素人さんでも手軽にチラシやDM、POPをなど作ることが可能になり、小ロットのものであればクライアントでの内製化もかなり進んでいます。

その3
その2にも関連することなんですが、低価格化と並行して、PCや後工程の進歩により短納期化が進みました。
僕がこの業界に入った20年前はPCで一貫して制作する場合もあれば、版下と呼ばれるものを作成し、印刷の前段階の製版と呼ばれる作業など工程が複雑で手作業も多く、日数もかかっていました。
今はPCでデータ作って早ければ1日以内に印刷終了できます(部数等によります)。
物にもよりますが、受注から納品までの期間は当時と比べ半分以下になっている気がします。

その4
この業界の給与形態ですが、基本デザイナーやディレクター、ライター、プランナーなどアイデア勝負の職種は「みなし労働時間制」が適用されている場合が多いです。
売り上げに直結しない仕事を多く持ってしまった場合、やってもやっても給料も実績も上がらないという負のサイクルが発動します!
さらに小さな制作会社などは、デザイナーの給与はびっくりするくらい、そう、生活できないでしょ!?というくらい安い場合が多いです。
基本、この場合の考え方は「ここにいる理由は修行の場だから。 独立起業までの勉強させてやってるんだから安くて当たり前。」という考え方です。
もちろんその会社にかなり貢献しているチーフデザイナーなどはある水準もらったりもしますが。

その5
福利厚生・・・なにそれ?
社会保険などの最低限は大丈夫でしょうけど、事務所に寝袋常備も当たり前! 今でいう「ブラック企業」のど真ん中!
会社の年間休日カレンダーなど関係ない!!仕事があれば即対応!
そんな厳しい環境は今でも続いていますし、世間一般的に雇用面で考えれば昔よりはるかに待遇は悪くなっています。
すべての会社がとは言いませんが、そんなところが多く、割と根性と体力勝負な面があります。
ゆえに「若い人材の定着度」が非常に低いです!
つまり、業界の高齢化は顕著になってる気がします。少なくとも僕の周りでは・・・


さぁ、なぜそんな業界から僕は抜け出せないんでしょう。
抜け出せないんじゃなくて・・・
抜け出さないんですよ。
その理由は次回書きます!^^