私がビジネスの方向性に困っていよいよ

焦り始めていたころ、ほんの少し不思議な

ことがありました。

 仕事の関係で初めて電話する必要が出た

事業所が2か所ありました。

 

 1か所目、先方の窓口の女性職員は用件

のあと、お決まりのセリフを言った。

 

先方)「もう一度、お名前をお伺いしてもよろしいですか?」

私  「〇〇 〇〇です。」

先方 「はい、〇〇 〇〇様ですね。」

 

 女性が念押しした名前は、私の亡き父の名前であった。

 

 2か所目、同じようなやりとりの後、

 

先方)「お名前を再度、確認させてください。」

私  「〇〇 〇〇」です。

先方 「ありがとうございます。では、〇〇様・・・」

 

 女性が復唱した名前はまたも私の亡き父のものであった。

 

 私の名前と父の名前は聞き間違えるほどの類似性はない。


 ちょっと不思議な出来事。

 

 私は、自然と父と母が笑う写真に手を合わせて呟いていた。

 

「父ちゃん、母ちゃんありがとうな。なかなかゆっくりさせて

 あげられないね。」

 そして私はまた、PCに向かって仕事を始めるのだった。

 

 両親の写真を背に。

 

 

 この日を境に、

 

 私のビジネスはなぜか上向き始めたのだった。

 

(おわり)