毎朝電話の音で起きるたび、この古めかしい黒いダイヤル電話を疎ましく思う。
コールさえしなければ、イトオシイ形をしているんだが・・・。
「はい、工藤探偵事務所・・・」
いつものように、やるきなく電話に出た。
浮気調査ならまだいい。最近じゃ子猫の捜索、へたすりゃ水道のつまりなんて依頼もめずらしくない。
「人を探しているんですけど・・・」
声はいい!俺の感覚かれすれば、多分二十代後半かなりのいい女と見た。こういう感は間違いない。
「いなくなった婚約者をさがしてほしいんです。」
来た!
こういうありがちな依頼、俺のやりたい仕事だ。
まずは、それなりの服に着替えて俺は依頼者を待った。
はじめから、直接依頼者に会うことはないんだけどな。