あのチェスカー・ズブロヨフカ初のポリマー拳銃、CZ-100 | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

1970年代に東欧製の優れた軍用自動拳銃だったCZ75、CZ85のメーカーであり、現在はチェコ共和国のチェスカー・ズブロヨフカが初めてポリマーフレームを採用した自動拳銃がCZ-100です。トリガーアクションはダブルアクションオンリー(DAO)、つまり撃針(ストライカー)方式で、ハンマーはありません。また、マニュアルセーフティーはとくに内蔵されていなくて、トリガーを完全に引ききったときに撃針のロックが外れて撃発するようになっているシステムです。これはグロックやほかの西欧製の最近の自動拳銃を模範にしたもので、そういう意味では特筆すべき特長はありません。作動方式もブローニングHPなどと同様のショートリコイル、ロックブリーチです。このCZ-100のコンパクト版のCZ-101、そしてふつうのダブルアクション拳銃にしたCZ-110も後に作られましたが、チェコ共和国軍の制式拳銃にはなっていないようです。ただし、警察には採用されている可能性が高いと思われます。


口径は9mm×19(9mmパラ)または.40S&Wで、弾倉はダブルコラムになっていて、9mmパラで13発、.40S&Wで10発の装填が可能です。レーザーポインターやフラッシュライトを装着できるレールが付いていますが専用で、国際規格のピカティニーレールではありません。また、.40S&Wのモデルには簡易タイプの銃口制退器(マズル・コンペンセーター)が付いています。


映画ではマット・デイモン主演の「ボーン・アイデンティティー」(2002年、リメイク)に「教授」役がこのCZ-100を使っています。そのほか、マイナーな映画にも登場しているようです。



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