連続殺人犯に使われ、何度も倒産したチャーター・アームズ社のブルドッグ | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

チャーター・アームズ社というメーカーは何度が倒産して、現在では新しい拳銃メーカーとして、往年のベストセラーであるブルドッグを発売しています。もともと、チャーター・アームズ・ブルドッグは1973年にチャーター・アームズ社から発売された5連発のリボルバーでした。.44スペシャルまたは。357マグナム弾用に設計されたダブルアクションおよびシングルアクションのリボルバーでした。価格が安いこともあって、1970年代にはベストセラーのリボルバーのひとつでした。しかし、1992年には倒産し、チャーコという会社として再生されますが、またもや倒産。ついでチャーター2000というメーカーになり、エジェクターロッド(排莢桿)が覆われているデザインに変わりました。しかし、この会社もまた倒産し、2007年からは新しいチャーター・アームズ社となり、この改良型ブルドッグを販売しています。


倒産とは直接の関係はないのですが、チャーター・アームズ・ブルドッグは1976年ニューヨークで連続殺人を犯したデビッド・バーコウィッツ(「サムの息子」)によって使われたため、悪名高い拳銃となってしまいました。また、前に書いたように、このブルドッグとライフルのパーツを組み合わせたのが、映画「ブレード・ランナー」で主演のハリソン・フォードが使う「ブラスター」という架空のプロップガンですね。


チャーター・アームズはこのほかにアンダーカバーというリボルバーも作っていますが、場合によっては、「サタデーナイトスペシャル」と呼ばれる安物拳銃に分類されることもあります。しかし、.44スペシャルや.357マグナムなど、強力ですが、高価な弾丸を使う点で、.22LRや.25ACPの「サタデーナイトスペシャル」とは区別するのが一般的です。なお、「サムの息子」が使用したのは、.44スペシャル口径のブルドッグでした。


チャーター・アームズ・ブルドッグは「刑事グラハム/凍りついた欲望」という映画で、主人公の刑事が使います。なお、この映画の原作は有名なトマス・ハリスの「レッド・ドラゴン」で、そのものの「レッド・ドラゴン」というタイトルでリメイクされます。これはハンニバル・レクター・シリーズの第1作で、刑事が犯人のヒントを得るために連続殺人犯のレクターを刑務所に訪れるという設定になっています。


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