ゆうべのCRYING (みやこS★) | ☆まけうまブログ★

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徒然なるままに日暮らしスマホに向かひて心に浮かぶよしなしごとを競べ馬の有様とともに書きつらねる自己満ブログ。
前半はよしなしごと、後半はレース回顧。
競馬道は一にも二にも検証の積み重ね。怠ればハズレ馬券が山と成す。

ブログネタ:根拠のない自信ある? 参加中

晩秋になると毎年頭の中でこの曲がリピートする。

[B'z/ゆうべのCRYING]

1stアルバムの中の地味な曲。
今では信じられないような話だけど…

[B'zって、TM NETWORKぽいよね]

あの頃はしょっちゅう誰かが言っていた。
松本氏がTMのサポートメンバーだった事実は別として、自分にはどこが似てるのか全然わからなかったけど。

確かに、まだ稲葉氏のボーカルは声量的にパンチ不足で、松本氏のギターも今のように泣きまくっていない。
後年の色濃くB'z COLORでごり押しする音楽性みたいなものは開花していないのだけど…

逆に1stアルバムの控えめに抑制された感じは、B'zの他のアルバムに替えられない、けだるいメランコリックな空気が漂っていて、結構好きだ。

自分はよくこの季節に、ヘッドフォンごしにこのアルバムを聴いた。
特に好きだったのが、[君を今抱きたい]と[ゆうべのCRYING]。
ちなみに春日部のナンパ野郎も、この2つが好きで、時々何かの拍子に歌っていた。
イカレた野郎だけど、根っこの感性はどっかで共通なのかもな。

[ゆうべのCRYING~シャツの袖で拭っても♪]

口ずさむと、けだるく冷たい晩秋の空気と曲の雰囲気がシンクロする。

意味もなく、透明で、切ない気持ちになる。

そして、その切なさが心地よい。

まだ擦り切れていない頃に訪れる、そんなメランコリックな感情。


今年もこの曲が頭にリピートした状態で、何となく母校までの道のりを歩く。
この週末は学園祭、別にそんなものを覗く気はなかったのだが…
毎年、学園祭の前に後輩の新京成のキリストから電話が来て、自分が何日に来場するか予告される。

[残念、その日は天皇賞なんだよねぇ]

そう返すのが、毎年定番のお約束★
だけど今年の天皇賞は先週終わってるのか…
今年は、文化の日に合わせて、学園祭の日程が繰り下げられたのだろう。
事実、在学中も毎年サークル行事も放り出して学園祭Dayは府中に突撃していたのだ。

ちなみに新京成のキリストと名付けたのは自分だ。
奴は腰までむさ苦しい長髪を伸ばし、鼻の下と顎に怪しい髭を生やしている。
あまり世界に深入りしたくないのでよくわからないが、何らかのポリシーなんだろう。
他人の目には根拠や自信が不明なことも、この世にたくさんある。
奴は自宅の最寄駅から新京成の電車で通っていたのだが、奴が通るたびに異様な風体に乗客が振り返る。
その光景を想像すると、さながら新京成に降り立った場違いなキリストような図が浮かんでくるのだ。

奴はどういう訳かその呼び名を気に入っていたようだが…
実際の所は、痩せて細くなった麻原彰晃といった方が実像の雰囲気に近い。

まぁ母校には、本当とんでもない奴しかいなかったけど★


仕事が終わった夕暮れ。
車を置いて母校までの道のりを歩く。
300mちょっとかな。
キリストもとっくにずらかった頃だろうが、なぜか母校を歩きたくなったのだ。
耳の奥で自然に[ゆうべのCRYING]が流れてくる。
コンビニやカラオケやお好み焼き屋がいつもと違って異様にざわついている。

たまに坂路調教する正門前の坂に、学園祭のゲートが出来ていた。
敷地は暗くて、学園祭の片付けに移動する学生や実行委員くらいしか歩いていない。

坂を登っていくと、合宿所の方から校舎に移動する男女の集団がドタバタ走ってゆくのが見えた。
何となく学園祭ならでは風景。

そうだな…
自分もつまらない用事で、よく敷地中を走り回っていた気がする。
今思うとまるで大した用事じゃない気がするのだけど、そうやって忙しげに走り回っていること自体に、妙な充実感があったのかもしれない。

坂の上の敷地に辿り着くと、すでにテントは折り畳まれていて、学園祭はもう宴の後だった。

昔は至る所に灰皿があったが今は見当たらない。
構わず煙草に火をつける。

前にビールを飲みながら学園祭に現れ、後輩どもの所に顔を出していたら、学生会が回って来て…

[学園祭の後は飲酒禁止だよ!規約見てるよね?]

学食で昼から一升瓶開けて飲んでいた自分は、いつのまにそんなことになったのか知らないが…相当高飛車な野郎だった。
面倒臭いから、学生会殺しの宝刀を使うことする。

[おぅ、そうか悪りぃな。俺もOBなもんで最近のことはよくわかんなくてな。こいつらは関係なく俺が勝手に飲んでるだけだから、勘弁してやってくれよ]

[あ、OBの方でしたか]

[俺もボチボチ帰っからよ、よろしく頼むわ]

[あ、いえ、羽目を外されなければ結構ですので]

一転してとんでもない腰の低さに★
そんなんでいいのか学生会?と思いつつ、じゃあお言葉に甘えて…とばかりに、そのまま居座って飲んだくれ続けていたのは言うまでもない。
酒は飲んでも、呑まれるな!ってね、ヒック…悪酔いしなきゃいいんだよん☆

そんなことを思い出しながら、敷地を歩く。

変わったと言えば変わったし、変わってないと言えば変わっていない。

ただ自分の中の風景だけが変わっていた。

自分の庭みたいだった場所から知っている奴らが全部消えて、他所者になった自分が紛れ込んだような…
タイムマシンでパラレルワールド的に迷い込んだような感覚。

学生会室の前を通ると、誰もいない本部テントの机に無造作に置かれたトランシーバーから、学内を駆けずり回る学生会メンバーの業務連絡が、無機質に聴こえてくる。

新京成のキリストは、自分の後任でサークルの会計を引き続いでいた。
そして、しょっちゅう予算折衝で学生会に殴り込みをかけていた。
ちなみにその一学年下の会計担当が中京の馬券野郎。
奴は二浪だから歳は一緒だが…

自分やキリストの頃は、強引かつ地道な折衝で予算を獲得していたが、役職には向き不向きがあるもので、中京の馬券野郎の折衝があまりにヘッポコすぎて、サークル費を減額されそうになった。

[ここはおまえが示しつけに行った方がいいんじゃねぇか?]

[後進に道を譲った以上、出しゃばりたくないんですがねぇ…まぁやむを得ないでしょう]

とか言いつつ、キリストはニヤニヤ笑いながら、中京の馬券野郎を引き連れて学生会に乗り込んでゆく。
だらだら会室で喋っていた連中が、途端に全員直立不動で起立するほどの有名人だ。

[この予算のつけ方だけどねぇ?前年は確かこういう条件で、これを満たせば今年もこれで大丈夫って確約あったよね?君達、議事録取ってるでしょう?それに則って不明な点を全部説明してもらえるかな?]

うわぁ始まったよ★
温厚な自分には、とてもこんな芸当は出来ないな…と思いながら、慌てて棚やら引き出しを漁る学生会室の派手な様子を、煙草を吸いつつ、見物していた。
中京の馬券野郎は、キリストの勢いに棒立ちになったまま、身の置場に困っているのが笑える。

[どうしたの?]

ちょうど戻って来た学生会長が、厄介なのが来てるな…という顔で身を乗り出して来た。
その時、通路の机に座っていた自分と目が合って、学生会長の眼鏡がピクリと引き攣った。

[おぅ、久しぶり]

ニンマリと声をかける。
奴は元バイト先の後輩なのだ。

[ちょっとうちの若いのがいろいろ相談したいことがあるらしくてな。忙しいとこ騒がせて悪いけど、ちょっくら聞いてやってくれっか?]

学生会長は引き攣ったまま無理やり笑顔を作って、[あ~そうでしたか]と鋭く眼鏡を光らせて、会室に声をかけた。

[あ、こちらさんの件は、ちゃんとお話聞いて、しかるべく対処してあげて]

そう言って、触らぬ神にとばかりに、そそくさと元来た方向に逃げ去った。
昔はかわいげのある奴だったが、変な権力を握ると途端に香ばしい人格に豹変する典型のような野郎だ。

暴れ放題に詰め寄って予算をふんだくって、キリストたちが引き上げて来る。

[久しぶりにこんな面白い演劇見せて貰ったぜ]

ククク、と忍び笑いしながら外に出た。

[というか、表でなんかしてたでしょ?]

[何も。元バイトの後輩くんに、久しぶり~♪って挨拶してただけだよ]

[どうもアッサリ片がついたと思ったら!]

爆笑する自分とキリストを、苦笑いで眺める中京の馬券野郎。
奴には帳簿よりも、競馬新聞片手に語らせておくに限るようだ。


すっかり日が暮れた構内。
もちろん、キリストはどこにもいない。
どっかの時間にぷらりと現れて、異様な風体で現役学生どもを気の済むまで唖然とさせて回り、やがて悠然と立ち去ったのだろう。

時代は流れ…
この場所にいた我々は、もう誰もいない。

それが自然の流れ。

煙草に火をつけて、裏の坂道を露月池に降りて、いつもの街に戻った。




川須が人気薄のサンライズモールでハナを切るみやこS。

休み明けでいい所を見せたフサイチセブンが、今日は色気を出して2番手。

直後に3歳馬ホッコータルマエ、交流の星ニホンピロアワーズ。

人気のローマンレジェンドは内枠から先団を見る形で、インにつける。

その外から、完全に一頭マークと決め打ったデムーロ。
GⅠ馬グレープブランデーを駆って外から終始蓋をして、ローマンを外に出す隙を一切与えない。
それを見た岩田はインで徹底して溜めていた。

デムーロの策は直線入口まで終始ローマン封じに徹すること。
先にまくって出ることで、岩田が外目に持ち出す進路を完全に塞いでしまった上で、先行勢に並びかけてゆく。

インから直線に向く岩田とローマンの前は馬5頭並びの完全な壁。
これはヤバい!と慌てる所だが、岩田は落ち着いていて、全くそんなそぶりも見せない。

ダート戦で横一線のまま入線することなど、まずありえない。
必ずどれかの脚色が悪くなり、次第に横並びの馬群はちぎれてゆく。

ダートの競馬が身に染み付いた岩田は、それを知り尽くしている。

川須のサンライズが下がって来たら終わり。
最内だけは狙えないと岩田はわかっていて、馬群のド真ん中の直後で、手綱を絞っている。

内から幸とホッコータルマエがロスなく抜け出しにかかろうとする。
しかし脚色は外のニホンピロアワーズの方がいい。

そして逆にフサイチセブンが怪しくなって後退。

その3つの動きが重なって、馬群がバラけ、隙間が空く。
その瞬間に岩田は、ホッコータルマエとニホンピロアワーズの間に突っ込ませた。
もちろん芝のように弾けないことは誰でもわかる。
要はゴール板で交わせばいい。

乗れてる学ちゃん、この脚色で、岩田が来る前にどうにか抜け出し粘り込みを図りたい。
差はわずかだが、ホッコータルマエに交わす脚色はない。

岩田が追い詰める。
直線半ばまで一脚も使ってないんだから、余力が違いすぎた。
ゴール前で、グイッと首一つ突き出してローマンレジェンドが1着。

デムーロの徹底したイビリに遭ってこれだから、もはや完勝。
何より岩田のこれだけ落ち着き払った騎乗を見せつけられたら、どうにもならない。

ニホンピロアワーズの脚色も力強かった。
白山大賞典の勝ちっぷりを見ても、力をつけているのは歴然で、中央の重賞でもとっくに勝ち負けレベルだった。
今日は相手が悪すぎたな…馬も騎手も★w

ホッコータルマエは、3歳同士の比較では少し分が悪いかな?と思っていたけど…
神戸新聞杯回顧の時に、頼むからダートを使ってくれ!と書いたナムラビクターが府中で5馬身差で圧勝。
そいつを完封した馬だし、相手なりに走って崩れないのが強み。
これだけ走れば先も楽しめるだろう。

グレープブランデーは6着。
多少強気に乗った分もあるが、それでも最後の止まり方からして、陣営の言う通り、まだ完調には遠いということだろう。
GⅠ馬だし、メンバー激弱の阿蘇Sで勝ったせいで、復活と捉えて人気になるのも仕方ないが…
少し様子見だろうね。

GⅠ馬ハタノヴァンクール、休み明けで前が有利な展開。
JDDは今野とアートサハラのまくりに助けられた部分も大きかった。
少なくとも、自力で勝ちに行けるほどの力をつけてはいないということじゃないかな?