とても未熟ですが、小説というものに挑戦したいと思っています。もし良かったら読んでみてください

 

         迷い

 スクランブル交差点で、信号待ちをしていた。冷たい風が頬を刺す。俺はコートの襟を立てながら、背を丸めた。吐く息は綿飴のように揺れていた。信号が変わり、ゆっくりと歩きだす。行き交う人々は何を思い、どこに向かっているのだろう。俺には重い足を引きずる。このご時世だ。会社が倒産することだって珍しくはない。そう言い聞かせた。アルバイトに身を落として、半年が過ぎた。社員への道は険しい。きっと今日の面接も駄目だろう食うことだけで、精一杯の生活だ。

 駅の改札で切符を買う。面接に行く交通費も馬鹿にならない。ホームに上がり、喫煙出来る場所へと進んでいく。禁煙でも出来れば、人生が変化していくかもしれないが、まず無理だろうと、自嘲気味に笑った。

 2本目のタバコに火をつけた時、一人の背の高いがっちりとした男と目があった。

「杉田じゃないか、懐かしいな10年振りじゃないか」高校の同級生の加島 保だった。

「久し振りだな」俺は目を逸した。    つづく