今日の読書記録は、はやみねかおるさんの『怪盗クイーンはサーカスがお好き』です。
初夏に映画化される華やかな冒険小説です。
〈あらすじ〉
飛行船で世界じゅうを飛びまわり、ねらった獲物はかならず盗む。怪盗クイーンに不可能はない。ところがそんな彼に挑戦する謎のサーカス団があらわれ、クイーンが盗むつもりだった宝石を横取りした。そして、魔術師や催眠術師など特殊能力をもつ団員たちがクイーンに勝負をいどんできた。彼らの目的はいったい何?夢水清志郎の好敵手・怪盗クイーン、主役で華麗にデビュー!
普段は気まぐれで猫のノミ取りを楽しみ、パートナーや人工知能たちとの会話を楽しむ怪盗クイーン。
そんなクイーンは、ここぞというときは「必殺・仕事人』になる変貌っぷりは見どころです!
自由すぎる怪盗、真面目すぎるパートナー、常識人な人工知能、破天荒な敏腕記者…。登場人物全員が個性豊かで、それぞれ自分の信念を持っています。
お互いの関係性によって変化していく魅力的な会話も目が離せません。信頼感のあるトリオのちぐはぐな会話、部下に心の中でコメントする上司、ポジティブな刑事を傷つけないよう配慮する人工知能。その会話は、噛み合っていたり、コントのようになってしまったり…。思わず笑ってしまう場面がたくさんあります。
華やかなサーカスに隠された秘密と謎、そして物語の序章と最終章に描かれる『戦争』という奥深い作品テーマに感動しました。