ウィテ・ウィセ(以下ww)
(自分をアンドロイドだと思っているサイバネティクス。恩人に勧められ、人間を学ぼうと多方面の勉強をしている為、多くの分野の先生を持つ。名前はwhite-wise(真っ白な知識)から。右手はドリルに換装可能。)
グリーン・グアラッチィ教授(GG)
(哲学・芸術の教授にしてキュレーター。緑に染めた髪とシルクハットが彼のシンボルマーク。)
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gg「未来派とは1909年から始まったイタリアの芸術活動の事なんだ。
とてもグログロした絵を描くことで有名かな。」
「どんな絵を書いているんですか?」
GG「写真に貼り付けるよ。まだおとなしいけどもね。この芸術活動の根本には戦争賛美とスピードへの傾倒があるんだ。」
ウィテ「戦争賛美?スピードへの傾倒?」
GG「あぁ。印象派以降、特に見えるものをそのまま書くのではなくてその見え方というものが意識されるようになってくるんだ。その極地のような絵になるんだけどもね。戦争とイタリアへ
の賛美は最終的にはムッソリーニ政権に見えるようにファシストに吸収されてしまうんだ。」
ウィテ「・・そうなんだ。悲しいね。それでスピードって?」
GG「未来派宣言から抜粋しよう。「……網膜上でイメージが持続することにより、運動する物体は増殖し、変形し、連続して生起し、振動のように、空間の中を通過する。したがって疾走する馬の 脚は4本ではなく20本であり、それらの動きは三角形をなす……。・・・自動車はサモトラケのニケよりも美しい。」・・・。サモトラのニケは有名なルネッサンス彫刻で伝統そのものなんだ。この運動も、その担い手のキリコやカッラらが古典主義に回帰して終わってしまうのがとても皮肉だね。」