さあ、いよいよ最終回です
ここまで読んでくれて本当にありがとうございます(笑)
今回の話は、実際にはるごんに伝えたいことを書いたつもりです
実際は卒業じゃなくてジャカルタですが(笑)
だから、ゆっくり読んでくれると嬉しいな…
いつもはガンガン飛ばしながら読んでると思うので(笑)
そして、楽しんでくれたら最高です!
それでは、最終回
はじまりはじまり
心の準備もできないまま、うちの犬が駆け出した。
間違いなくはるごんだ。
こっちから話しかけようと思った時、はるごんがこっちに気がついた。
「遅いよぉ、ずっと待ってたんだからね」
「え?わざわざ僕を?」
「最後に言いたいことがあって。。。」
最後か。。。
はるごんは言葉をひとつひとつ探しているようだった。
「。。。なに?」
「えっと、、、ちゃちゃとテディの面倒も見てくれて、それにずっと応援してくれて、、、今までありがとう」
お礼を言いたいのはこっちの方だ。
「どういたしまして、なんだけどさ、、、これで最後じゃないよ」
「え?」
「これからもずっと応援してるから、これで最後じゃない。イベントとかでまた会えるよ」
「ホントに?まだファンでいてくれるの?」
「当たり前だろ。約束だってしたし、なによりもはるごんが好きだし(笑)」
「みつ太郎、、、ありがと。。。」
はるごんは少し涙ぐんでいるようだった。
「僕、はるごんのおかげで夢ができたんだ」
「そうなの!?どんな夢?」
「ひとつは、医学部に入って医者になること。もうひとつはまだ恥ずかしくて言えないかな(笑)叶ったら一番最初に報告するよ」
「わかった」
「お互い夢を叶えられるようにがんばろ」
「うん、そうだね」
「そうだ。お座りできるようになったんだよ」
少しの沈黙の後、はるごんが突然言った。
急に話を変えたから、一体なんの話かと。。。
「見てて。お座り!」
ちゃちゃとテディはうちの犬に夢中で全く座る気配がない。
「お・す・わ・り!」
すると、うちの犬がちょこんと座った。
「なんでー!(笑)全然しないしー!」
あの日の時のような、最高に楽しい散歩。
しかも今回は、週刊誌の影に怯える必要もない。
そんな楽しそうなはるごんを見ていると、知らぬ間に涙が流れてきた。
「家じゃできたんだよ。。。ってなんで泣いてんの(笑)」
「やっぱりちょっと寂しくてね」
はるごんの部屋に行ったり、はるごんのお見舞いに行ったり、こうして一緒に散歩したり。
あまり考えてはいなかったけど、はるごんと付き合えるかもしれない、そんな期待を心のどこかでしていたのかもしれない。
「ごめんね、急に卒業するなんて言っちゃって」
「ううん、別にいいよ。はるごんが決めたことだし。。。」
「遥香もみつ太郎のこと忘れないから」
「ありがと。。。」
また少し涙が流れた。
「その好きな人っていうのは芸能人なの?」
「ううん、違うよ。普通の人」
「はるごんが好きになるんだからいい人なんだろうね(笑)」
「もちろん!すっごい優しいし」
その人のことを話すはるごんの顔は、キラキラ輝いていた。
「遥香のこと絶対好きだし(笑)」
正直、すごい嫉妬。
「幸せになれよ。その好きな人に言っといて。はるごん泣かせたらタダじゃおかないって(笑)」
「ふふっ(笑)わかった(笑)」
「じゃあ、そろそろ行くね」
そう言ったのは僕だ。
これ以上ここにいたら、ホントに大号泣してしまいそうで。
「うん、、、またね。。。」
またね、って言ってくれたのが嬉しかった。
「会う機会は減っちゃうかもしれないけど、ずっと応援してる。はるごんの心の中にいる!(笑)」
「うわ~、くさ~(笑)」
「これからもよろしく!」
「うん、よろしく!」
僕ははるごんに背を向けて、犬と来た道を歩き始めた。
恋人同士だったら、ここで後ろから抱きついてきたりするんだろうか。。。
そんなバカなことを考えるのも、もうやめよう。
僕とはるごんは、ファンとアイドルの関係。
それ以上でも、それ以下でもない。
もう振り返らない。
前に進んでいこう。
そうすれば、またいつか出会える時が来るから。
僕の叶わない夢は叶わないまま、僕は歩き続けた。
あの青春の日々から10年。
僕は研修医を終え、ようやく一人前の医者になっていた。
そして、妻と幼い娘が1人、幸せな家庭を築いている。
結局、一浪では医学部には行けず、ニ浪目でようやく合格した。
でも、その一年をちっとも後悔していない。
かけがえのない一年だった。
はるごんはどうなったんだ、だって?
仲川遥香は立派な女優になっている。
ドラマに映画に引っぱりだこだ。
そして、今見ているドラマにも。。。
娘がいつものようにテレビを指差して言った。
「あー!ママだぁ!」
僕と妻は目を合わせて微笑んだ。
おしまい
ありがとうございました!
これにて「君と僕の距離」は終了です
最後はね…(笑)
ちょっと面白い終わり方で(笑)
空白の10年は映画でやるってのはどうでしょう(笑)
そういや、書籍化したい出版社の人はいないのかな?(笑)
はい、というわけで
ここまで楽しく読んでくれていたら嬉しいです♪
自分では濃く書いたつもりなんですけど、こうして文章にして読んでみると、結構短いんですよね…
小説書くのも難しい…
次の新しい小説もありやなしや(笑)
なんだかんだ、書いてる自分が楽しかったので
またネタが無くなったら始めるかもしれません
その時はよろしくです
というわけで
ここまで読んでくれて本当にありがとうございました!
完走できてよかった…(笑)