ハルさんが本気で恋した女性。

 

それの相手が葵さんです。

 

 

 

この葵さんという女性は高校生で、ハルさんと一緒に高校のプールに見に行き

 

そして俺も葵さんという女性に惚れてしまう。

 

そりゃあ、もう・・・キレイな女性でした。

 

 

 

この葵さんが通う高校と、最寄りの駅の間にハルさんの住むアパートがあり、

 

ハルさんの住むアパートの、すぐ近くに「パン屋?駄菓子屋?」がある。

 

そのパン屋?駄菓子屋?なるお店は、葵さんが通う高校生の駅を利用する生徒の

 

憩いの場所ともなっていた。

 

 

 

ハルさんの朝は早い。

 

毎日4時半とか5時には、このパン屋?駄菓子屋?なる店の店主(じいさん)と将棋を指すの

 

が日課。

 

そのパン屋だか駄菓子屋だか分からない店に入り浸るハルさん。

 

そこで通学途中に毎朝のように立ち寄る「葵さん」に出会い、

 

そして惚れてしまったというこでした。

 

 

 

ハルさんは、この葵さんに無謀にも何度もアタックし告白。

 

そしてフラれる。

 

何度も繰り返していた。

 

 

 

バカなのか?思考が停止してるのか?言われてることが理解できないのか?

 

無謀にも断られても断られても、告白してはフラれる・・・

 

そしてフラれる度に、酒飲んでグダってる。

 

俺も失恋の話を聞かされる度に、

 

「他にいい女性が現れるよ」「もう諦めたら?」

 

と言葉をかけ、慰めた。

 

その度にハルさんは「葵ちゃんじゃなきゃダメなんだわ・・・」と

 

同じ事ばかり言っていた。

 

 

 

葵さんも、何度もストーカーまがいのハルさんに対して悪い気がしなかったみたいで、

 

不思議とハルさんと友達のように接して行くようになる。

 

 

 

俺が、この葵さんを姉のように母のように慕うようになるのだが、

 

初めて葵さんと会話したのは、もう少し後のことになる。

 

話してみると理想を遙かに越えて優しく、そして強かった。

 

 

 

そんな、ある日のこと・・・事件が起こる。

 

 

 

 

 

 

葵さんの両親が事故により他界する・・・

 

そして、この事件の直後・・・ハルさんの両親が自殺により他界する・・・

 

ハルさんの両親は自宅の作業場で首を吊っていた。

 

ハルさんの父親は建設会社の社長で公共事業をメインとする事業を展開していた。

 

ハルさんは父親の会社を継ぐ気はなく、父親の会社で働いていたわけではない。

 

 

 

 

この事件は新聞にも掲載された。

 

葵さんの両親も事業を展開しており、ハルさんの父親が経営する会社と関係が深かったよう

 

だ。

 

もちろんハルさん本人も葵さん本人も、そのこと知らなかったという。

 

 

 

 

事件の真相は、俺には詳しく分からないが、聞いた話で分かっていることだけ話します。

 

 

 

 

葵さんの両親が事故死したことに関わっていたのが、ハルさんの両親だという。

 

ハルさんの両親は遺書を残しており、そこに書かれた真実はハルさんだけが知っている。

 

ハルさん以外は知らないことで、ハルさんも誰にも話す気はないと言う。

 

ハルさんの両親は、自分たちが間接的に関わったことを苦にし、自殺という道を選んだ。

 

俺が知る範囲では、これだけの真実しか分かっていない。

 

 

 

ただ遺書は三通あり、そこには残された子供たちへの謝罪、そして心配が書かれていた。

 

ハルさんに対して父親からの謝罪と、愛情が歪んだ接し方にハルさんを心配する親の気持ち

 

が綴られていたという。

 

 

ハルさんは、両親がしでかした罪を代わりに謝罪するため、葵さんとその兄弟のもとへ足を運

 

んだという。

 

葵さんは4人兄弟で、兄が二人、妹が一人いた。

 

ハルさんは何度も何度も父親の罪を代わりに詫びるため足を運んだ。

 

 

 

 

ハルさんも葵さんも、すごく辛い思いをしたようで・・・

 

俺には両親がいないため、両親を亡くす悲しみや苦しみは解らない。

 

でもハルさんを見ているだけで、どれほど苦しんだのかは分かったつもりでいた。

 

ハルさんは、葵さんの親族・遺族にかなり酷いことも言われたようだ・・・

 

でも俺の前ではいつも笑顔でいた。

 

 

 

このとき俺が思ったのは・・・

 

ハルさんという人間はすごく強靱な精神力を持つ人だということ。

 

普通なら精神が崩壊してもおかしくないような状況でも、平然と陥った状況に向かって行く。

 

こんなに強い人間が実際にいるということを、目の当たりにしている俺は・・・

 

この人の魅力にドンドン引き込まれる。

 

決してホモではないが、男が男に惚れるというやつです・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、どれだけ時間が経過しただろう・・・

 

 

 

 

 

 

しばらくしてハルさんの家に遊びに行くと、ハルさんの横には葵さんがいた・・・

 

葵さんは高校三年生。俺は中学2年になっていた。

 

ハルさんと葵さんは付き合っていた。

 

その経緯は詳しくは知らないが、葵さんの方がいつの間にかハルさんに好意を抱くようになっ

 

てということだ。

 

 

 

 

 

 

この葵さんがハルさんの事を好きになったことは衝撃だった・・・

 

この世の七不思議の一つだろ・・・

 

 

 

 

この二人の付き合いは・・・決して祝福されていたものではない。

 

葵さんが付き合っているのがハルさんだということが、兄弟にバレると

 

猛反対されたという。

 

それでも葵さんはハルさんの側にいたかったという。

 

 

 

 

 

俺はそのことを葵さんの口から聞かされたとき、酷く落ち込んだのを覚えてる。

 

俺も葵さんに惚れてて、失恋したような気分に襲われていた。

 

 

 

 

 

それからはハルさんの家に遊びに行くと、当たり前のように葵さんがいて・・・

 

葵さんに接することも多くなっていった。

 

そして葵さんに接するほど、人間性が深く見えてきて、より好きになっていった・・・

 

この想いは自分でも、どうすることもできなかった。

 

葵さんは、とても素敵な女性で、好きな気持ちが無尽蔵に膨らみ・・・

 

もう、どうすることもできなくなっていった。

 

 

 

 

 

その自分の気持ちの反面、ハルさんと葵さんの恋を本気で応援していた・・・

 

自分の気持ちを葵さんに伝えるどころか、自分の気持ちを押し殺した。

 

ハルさんと葵さんには、いつまでも幸せに時間を過ごしてほしかった・・・

 

そんな強い想いがあった。

 

 

 

ハルさんの楽しそうな笑顔が絶えることはなかった。

 

それを見て俺も幸せな気分になれた。

 

 

 

 

続く