葵さんが亡くなって三年が経っていた・・・
2014年9月・・・
宗二さんが家で倒れているところを美香さんが見つけ、
病院に搬送されたという。
そして搬送先の病院で亡くなったと・・・
ハルさんが泣きながら連絡をくれた。
美香さんの話だと、宗二さんの命の灯火は・・・あっという間だったとか・・・
ハルさんの親友である宗二さん・・・
まだ四十代の半ばを過ぎたくらい・・・
あまりに早い死・・・
ハルさんは、すごく落ち込んでいた。
もちろん俺も・・・良い兄貴を失ってしまった気分でした。
葵さんに続き宗二さんも・・・
心にポッカリ空いた穴が大きくなってゆくのを感じた。
ハルさんは、もっとだろう・・・
そして美香さんは更に・・・
だけど美香さんは・・・気丈に振る舞っていた・・・悲しみを押し殺して・・・
宗二さんと美香さんの間には高校生になる男の子がいる。
その息子を気遣って、美香さんは気丈に振る舞っていたんだと思う。
美香さんは、とても強い女性だった。
宗二さんの葬儀が終わって・・・そしてホッとしたのか・・・
やっと感情を露わにして、ハルさんに抱きついて心行くまで泣いた・・・
「ハルちゃん、今だけ・・・胸貸して・・・泣かせて・・・」と言い・・・
ハルさんは泣きながら、美香さんに言った。
「なにか困ったことがあったら・・・遠慮なく言うんだぞ・・・」
「どんなことでも力を惜しまないからな・・・困ったら、ちゃんと頼るんだぞ・・・」
美香さんは何度も何度も、泣きながら頷くだけだった。
とても悲しい日だった。
宗二さんは頭の中で出血したらしい・・・
そして美香さんに発見されたときには、すでに手遅れだったらしい。
宗二さんの早すぎる死に、俺たちの心は再び闇に引きずり込まれた。
このとき・・・俺は不確かな予感していた。
ハルさんと美香さんが一緒になるんじゃないかって・・・
真美さんには悪いが、そう思ってしまった。
ハルさんと美香さんは幼馴染み。
この二人の絆も、また固く結ばれている・・・
そして美香さんが若い頃、ハルさんを好きだったこと・・・
宗二さんが言ってた「ハルが美香のこと好きだったかも・・・」という言葉・・・
俺はそう思ってしまった。
少し経ってハルさんに聞いてみた・・・
「ねぇハルさん。美香さんと再婚するの?」って・・・
そしたらハルさんから以外な答えが返ってきた。
「確かに一時の感情に流されたことはあるかもしれん・・・」
「でもな・・・美香はこれから先も宗二のものだよ」
「美香も宗二だけのもだ!永遠にな・・・」
と以外な答えが返ってきた。
そして、もう一つ聞いてみた・・・
「ハルさん・・・宗二さんが美香さんと付き合う前さ・・・美香さんのこと好きだった?」
ハルさんは「初恋の相手だよ・・・」と、こう答えた。
ハルさんと宗二さんと美香さん・・・幼馴染みの三人の絆は、こんな形で結ばれていた。
そして美香さんにも聞いてみた・・・
「ハルさんと再婚しないの?」って・・・
美香さんの答えはこうだった。
「ハルちゃんは、葵ちゃんだけのものだよ」
「葵ちゃんが再婚を許すとしたら・・・相手は真美さんだけよ」
「それにね、わたしは宗二だけのもの!」
「これから先もずっと・・・わたしが死ぬまでね」
美香さんは笑顔でこう言った・・・
驚くことにハルさんと同じようなことを考えていた。
俺は更に聞いた・・・
「ハルさんのこと・・・若いとき好きだったんじゃないの?」って・・・
そしたら、こんな答えが・・・
「ハルちゃんは初恋の人!ただ、それだけ」
俺は驚くことしかできなかった・・・
ハルさんと美香さんの絆の固さを改めて思い知った・・・
ほんとに俺のお節介なんか必要ないのだと。
俺は宗二さんとの思い出に耽り、宗二さんの人生は幸せだったんだと、そう感じていた。
そして・・・・
2014年・・・
ハルさんの運命を揺るがすことが起こる・・・
そしてハルさんは、何度も生死を彷徨うことになる。
続く