本日、葵さんのお墓参りに行ってきました。
俺の都合上、明日は妻の実家に行くのでね。
朝8時少し前に墓地に着く。
すると偶然にもハルさん家族が、すでに居た。
ハルさん家族も着いたばかりだという。
お墓を洗いたくさんの花を添えた。
俺と真美さんとハルさんの息子と娘で心を込めて作業をした。
みんなで蝋燭に火を付け、お線香を上げ、手を合わせた。
その後、ハルさん家族は20分ほど黙ったまま、お墓の前を離れなかった・・・
真美さんも息子Tも娘Kも、葵さんに報告することがたくさんあったのだろう。
息子Tも娘Kも、空手の大会で得た賞状とトロフィーをお墓の前に置いていた・・・
真美さんや子供たちが「そろそろ行こうか・・・」と言うと、
ハルさんだけが「もう少し、このままで・・・」というので、真美さんが付き添い、
子供たちは俺と一緒に、外は暑いから車の中で待機していた。
俺も一緒にハルさん家族の車に乗り、
子供たちと話して時間を潰し、ハルさんと真美さんを待つことにした。
ハルさんと葵さんの娘であるKだが・・・・
久しぶりに会ったのだが、どんどん葵さんに似てくる。
現在、小学六年生だがしっかり葵さんの面影がある。
少しドキッとする。
高校生にもなれば、もっと葵さんに似るんだろうと心の中で思った。
このKは顔や体つきは葵さんにそっくり。
将来は美人になるだろう・・・
まさに葵さんの遺伝子の勝利である!ハルさんに似なくて良かった。
しかし!性格がハルさんに似すぎているのです・・・
息子のTは顔はハルさんに似ているが性格は葵さん似。
でも娘のKは・・・性格の面でハルさんの悪魔の遺伝子を受け継いでいるのである・・・
歳のわりには聡明なK。
優しいのだが悪魔的な冷徹な面も併せ持ち、人の心を読もうとする。
ハルさんが怒る時の、悪魔のような目を持っている・・・
恐ろしい遺伝子は途絶えることはないようだ。
この娘のKは空手の組み手でも、同級生の男の子に平気で打ち勝つ。
147cm30kgくらいの小さい体ながら、同級生の男の子を泣かすほどボコボコにする。
全く容赦しない。
そして人前では余程のことがない限り、涙を見せることはない!
自分の部屋に行ってひとりで泣く。
しかし、彼氏やイケメンが相手だと・・・
ぜんぜん攻撃しない。
イケメンは攻撃したくないらしい。
そう・・・誰かさんにそっくりなのだ。
そんなKと久しぶりに、いろいろなことを話たのだが・・・
大人びてる・・・体つきも胸が膨らみ始め女性を感じさせる。
息子のKも大人びているけど・・・娘のKも・・・本当にしっかりしている。
とても小学生と話している気になれないほどで・・・
葵さんと重ねてしまう自分がいました。
モテるんだろうな・・・きっと。
ちなみにKの彼氏は同じ空手道場の同級生で、学区は違うが仲良くやってるみたいだ。
ハルさんも心配だろうな(笑)
ちなみに息子のTはスマホのゲームをやりながら、たまに話に参加するだけだったが、
相変わらず、しっかりやってるみたいだ。
カナダ人の彼女とも、うまくやってるみたいだ。
車で待つこと一時間ほど経つと真美さんから電話があり、
ハルさんの車椅子を手伝ってと連絡があった。
墓地は段差が多いので、みんなでハルさんの車椅子移動の手伝いをした。
ハルさんも真美さんも汗だくだった。
ハルさんは、ずっと黙ったまま葵さんのお墓の前に居たらしい・・・
たぶん葵さんと会話していたのかな?
報告することも、たくさんあったのだろう・・・
ハルさんと葵さんの夫婦だった頃の絆・・・たぶん二人だけにしか分からないことなんだろう。
俺はハルさんに聞いてみた。
「葵さんと話てたの?」と・・・
ハルさんは「そうやな・・・」とだけ答えた。
素っ気ない返事だったが、ハルさんは満足そうな顔をしていた。
そんなハルさんの顔を見て、俺は少しホッとした・・・
横でそんな会話を聞いていた真美さんは、優しく微笑むだけだった。
そしてハルさんが真美さんに御礼を言う。
「マー坊・・・・付き合ってくれて、ありがとな・・・拙者はおまえが愛おしいぜい!」
俺と子供たちの前だったが、真美さんはハルさんを抱きしめ口にキスをした。
真美さん・・・あんた、できた女性だよ・・・
ハルさんの良き理解者です。
そんなハルさんも幸せ者だよ。
ハルさんは、母であり妻である前に真美さんを「女」として扱うし、
真美さんも、ハルさんを父であり夫である前に「男」として扱う。
そして結婚しても、いつも新鮮な恋人のような二人の関係・・・
俺は少し羨ましかった。
美女を二人も妻にもらい、そして理解してもらえる・・・
辛い思いもたくさんしてきたハルさんだが、ちゃんと神様から御褒美もしっかりもらってます。
ケンカもするが仲良くやってるみたいです。
ハルさんの体ですが今のところ改善の兆しはありません。
ですがサポートする真美さんも、体の自由を奪われた当人のハルさんも、
明るく前を見てがんばってるようです!
ハルさんは、一人になると時には黙って涙を流し、泣いていることもあるそうです。
現状の辛さに泣くのか、思い出にふけって泣くのか分かりませんが・・・
真美さんが、そんなハルさんを見つけると、抱きしめてキスするそうです。(子供たち談)
そして「諦めるもんか・・・絶対に諦めるもんか!」とハルさんに言って慰めるそうです。
こんな真美さんがいるから、ハルさんはがんばれるんだろうな・・・そう思いました。
そして俺が帰ろうとするとき、ハルさんと真美さんは深々と長く頭を下げた。
なにも言葉はなかったが俺はそれだけで、二人の気持ちが十分伝わってきた。
今日は日曜でハルさんもリハビリが休みだそうで、家族でゆっくりするみたいです。
葵さんが亡くなり数年が経つが・・・
葵さん・・・幸せだったんだね・・・
短い人生だったとは思うけど、きっとすごく幸せだったんだと思う。
俺は帰りの車の中で、葵さんとの思い出が頭を駆けめぐり、少し懐かしんで涙が出た。
そして笑顔にもなった。
本当にいろいろなモノを残していってくれた葵さん・・・
今でも葵さんを忘れることはない。とても感謝している。
さ~て次は・・・・宗二さんのお墓参りに行ってきます・・・