医療の値段が崩壊しているアメリカ。

 

努力すれば報われる国でもあるけれど、医療と税金は自分のコントロールが効かない。

 

今回、同僚に紹介したヘルパーさん。ヘルパーさんが足りない状態なので、現金払いで月7000ドル(約90万円)。その代わり、24時間泊まり込み。この人はまだ安い方だと言われた。もう手足も動かない末期なので、台湾から医師を呼んで、担架のままファーストクラスに乗り、医師や看護師と一緒に帰国することになった。この費用が約400万円。

 

別の友人は、交通事故に遭って3年。リハビリが終わっても痛みがあるので運動不足だった友人。足に血栓があることや、数々の慢性的な後遺症が出てくる。入院した時の医療費も目が飛び出んばかりだったそうだが、会社の保険で9割カバー。しかし、日本円で1億円近い金額(ERと集中治療室、そしてリハビリまで)。1割負担でも、かなりの金額。65歳まで現役で頑張りたかった友人だったが、後遺症であえなく退職。彼女の場合、事故相手はドラッグをしていたそうで、本当に不運だった。いつも落ち着いて、不平不満はあまり言わない人だけれど、こんなことってあるの?と彼女の代わりに憤る。


(1500億円かけて竣工したスタンフォード大学病院)


週末に会った癌サバイバーの友人は、化学治療は終了。続いて、免疫治療で同じ病院に行き始めた。ところが、開始後に保険会社から免疫治療に入っている薬の一つに保険が効かないものがある、と連絡があり、その薬は1回分が数千ドル。なぜ、今になって?と抗議したら、「では再確認します」。一旦、彼女は免疫治療はストップ。保険会社からの回答は「薬には保険が効くことになったけれど、この病院は今の保険ではカバーされない」「え?では病院を探すところから始めるの?」と問答が続き、まだストップしたまま。病人に、これはないよ。そもそも、薬ひとつに、こんな値段が出てくるのか分からない。ちなみに彼女は福利厚生が良い一流企業に何年も勤めているが、これなので他の患者はどうしているのか?

 

私は日本で急遽、保険なしでMRIを撮ったことがあった。3万円。アメリカだと保険が効いて3万円。保険がないと、その10倍くらいになり、なぜだかMRIが有形文化財のように大切に扱われている。

 

アメリカでは世界最新の機械や薬がある。しかし、保険が効かないなら、と諦める人や母国に帰る人もいる。


国民老人保険(メディケア)に入れる65歳までは事故も病気もできない(これがストレスになりそう)。

Health is wealth (健康は富なり)…本当です。

健康でいたい。ありがたいこと。