ヨーロッパ旅行の開始日、と言うかロンドンの空港到着時に同僚が入院した事を知る。


驚きと少しの予感はあった。


彼女は3年前に大腸癌の手術と化学治療を終えて、出身の台湾から戻って来た。症状はあったと言うからステージ3だと思うけれど、それ以降は断固として「もう健康だから病気のことは聞かないでくれ」と言う。


私もあくまで同僚としての立場で振る舞った。彼女、とても頑固なので。


それから2回、腕が痛いとかで病欠。「再発?何か隠してる?」と思ったけど聞かなかった。


今月の入院で初めて、病院に来てほしいという。

もう末期。手足が麻痺して電話ももてない。


今はホスピスに移動。英語で言うTerminal careの施設。出入り自由。何が必要か聞いたら、ミソスープを持って来てと言うので、玉ねぎ、椎茸、卵を入れたお味噌汁を1日おきに持参。


和食好きの台湾人。家庭風の味噌汁がこんな美味しいとは、と言う。そして「あなた、ロングヘアは似合わない。髪を切ったら?」と。