昨日から公開の映画「Oppenheimer」。原爆の父と言われた、オッペンハイマー博士の発明とその後の人生についての映画。

最近は映画館の席を予約できるため、公開前から売り切れになっている映画館が続出。

 

 

こんな混雑する映画館は何年ぶり?パンデミック中は大きなシアターに2〜3人の時もあった。戦争のご時世で関心事や興味がそちらに移っているのか。全米、こうなんだろうか?

 

アメリカには有名な核開発の研究所がいくつかある。シリコンバレーにいると、そういう研究所で働いたり、お父さんがそこで働いたという人に時々会う。セキュリティや軍事用のチェックが厳しく、優秀な科学者さえ過去の行動が少しでも怪しいと入れない。その一つを設立したのが、オッペンハイマー氏。しかし、その彼も冷戦時代に疑惑をかけられる。

 

 

 

それは、この映画のテーマのひとつである彼は共産党員だったか、と言うこと。

 

少しネタバレだけど、原爆の発明や実験に関わった同僚が、広島・長崎の後でヒーロー扱いされるオッペンハイマーへのジェラシーも含み、ハメられたと言っても良いくらい。事実は奥さんも若い頃、共産カードを持っていた、と映画には出てくる。冷戦時代、これは非常に良くない状況。

 

アインシュタインもオッペンハイマーも、自分の発明がアメリカだけでなく世界を変えてしまう、と苦悩しているシーンがある。未知の部分が多いまま、広島、長崎に投下した。

 

映画終了後、物理学者や科学者、ビリオネアの人口が全米一となっているこの土地から引っ越そうかと考えた。狙われるのはニューヨークなどではなく、明らかにこの周辺。通訳で物理学者の会議に行ったことがあるが、議題が変わる度に電光掲示板に「Classified」か「Unclassified」か表示される。Classifiedだとノートにメモする事も禁じられ、携帯電話の持ち込みは言語道断という厳しいセキュリティの中、議論はどんどん進む。私にはチンプンカンプンなことばかり。

 

今年、広島でG7サミットがあったが、既に新しい時代の変化に巻き込まれている気がする。科学は人々に生活に使われるべき。国や市民を戒めるためではない。