米国暮らしが長くなったけれど、同じビル内とかご近所で日本人と知り合うことは、ほぼ無かった。


3年前に偶然知り合いになったご家族。親切で穏やかなご夫婦と、元気なお子さん達。

生活時間が違うので、一緒に行動することはなかったが、ある朝、奥さんが倒れてしまい、私も病院に付き添う。一命をとりとめた後、お子さんの送迎など短期間だったがお手伝いしたご縁で、パンデミック中も仲良くさせてもらった。

 

長い行列がどこのスーパーもあったので交代で買い物に行ったり、煙突が見えるほど近いのに外出禁止だったので、ビデオで一緒にエクササイズしたり。

 

あの頃は冬で孤独感が深まる時期だったが、灯りや煙突から暖房の湯気が出ているのを見ると、何となくホッとした。若いご家族がアメリカで頑張って暮らしているんだな、思いを馳せたり。



そのご家族が、いよいよ帰国される。寂しい限り。優しい奥さんとは、月に何度かウォーキングをしたり、仕事の合間にランチしたり。お互いの生活が違うから、情報交換とか良いことがあった時は報告したり、付かず離れずのお付き合い。

 

お別れのプレゼントは荷物にならない物を探した末、スウェーデンが好きな女の子には「長靴下のピッピ」、本に興味を持ち始めた男の子には「エルマーの冒険」。どちらも私が子供時代に好きだった本。この本が飽きる頃には、私のことも忘れるんだろうなぁ、と思いながら、健やかな成長を祈るばかり。