ゆっくりしたいと思った夜、ひとりでビデオを観た。たまたま選んだのが、アメリカの若年層向けのバレエコンクールのドキュメンタリー。

アメリカのドキュメンタリー、ドラマチックに作ります(笑)。最初から観る方も熱が入ってしまう…。
参加者は大勢だが、6~7人の子供にフォーカスする。そのうち1人は黒人の女の子。内乱が激しい時期の南ア共和国からアメリカ人夫婦の養子となる。病弱で肌には今も斑点があり、アメリカまで到着できるかも分からなかった子が、今では力強いバレエを踊る。自分の事をよく分かっている賢そうな子。

コロンビアから単身でNYに渡米した少年ホアン君。家族が恋しいけれど、ロンドンロイヤルバレエの奨学金を貰うため、コンクールを目指す。逆境にある子は強いと思う。一番若いグループでは、イタリア在住のアメリカ人男子とイスラエルの女の子の友情など、ホロリとさせられる場面が多い。

そして、母親が日本人という姉(ミコちゃん)と弟(JJ君)。まるで私の子供時代を見ているようだった。のんきな弟と何となく親の期待に応える姉(→私)。お母さんが頑張っていて、私も子供がいたらこんな風になっているかも、と思った(甥や姪の受験でも、あやうく教育ママと化していたので)。弟くんがコンクールの決勝まで進んだのに、バレエを止めると言いだし、泣いてしまうお母さん。「子供のミスは、すべて私の責任。あの時に、こうしてやれば良かったと後悔したくないのです」と話す。他の子とは違い、食事から勉強まで親子一心同体。この決心と意気込みがないと、子供を世界の舞台へは送れないのでしょう。

http://www.balletdocumentary.com/in-movie-theaters/
http://www.movies.com/first-position/m68536


ほとんどが個人レッスン。大昔、私が受けたバレエの稽古は、ずらりと何十人もの女子が並んでいたが、この子達は振付けも個人的にしてもらうため、先生がいるスタジオかスタジオを借り切る必要がある。足もボロボロ。それでも好きで情熱がある子供達。うやらましい気もする。

そう言えば、大学生の時にスウェーデンに一人旅した時、ユースホステルでロンドンロイヤル・バレエスクールに留学中の日本人二人と一緒になった。たしか17才だと言われた記憶があるが、言葉遣いや態度がとても誠実でマナーが良く、私は風邪で熱もあったけれど、本当に好印象だった。ストックホルムでオーディションを受けると言っていた。なぜか忘れられない思い出。親元を離れ、厳しい世界にいると、あんな風になるのだろうか。

白椿のブログ


ビデオのお供はヨーグルトと果物&ハーブティ。