外国映画部門でアカデミーにノミネートされている「Seperation」。なかなか興味深いし、女性はイングリッド・バーグマンにソックリで綺麗だけれど(有名女優の娘だとか)、後味はあまり良くなかった。

アルツハイマーになった父と同居する家族(夫、妻、娘)。しかし、介護と仕事の両立に疲れる妻は家を出ていき、代わりに来た通いのお手伝いさんは妊娠中。年老いた父親はお手洗いの世話は要るのに、勝手に外出したり。お手伝いさんも手を焼き、世話をする時間に父親をベッドにくくりつけて用事に出かけるが、家主(夫)の方が先に帰宅してしまい、父親はベッドの下に倒れ込んでいた。憤った家主は、お手伝いさんを階段から突き落とし、流産。裁判になり、別居中の妻は複雑な立場で参加。結局は別居先で義理の父を預かるという泥沼。そして、信じられないのが、裁判所で原告と被告が待合い廊下で一緒に待っていること。その間に殴り合いの喧嘩が起こったり、なだめたり。これはイラン映画だが、イランという国が迷走しているのがよく分かる。人々も感情的で迷走しています。家では中学生の娘が「お手伝いさんが妊娠していたことを本当に知らないの?裁判でウソは良くない」と問い詰める。その間にも離婚プロセスは進行中で、最後は娘がどちらの親を選ぶか、というシーン。


しかし、しかしですよ!
家族以外のお手伝いさんの生まれてきていない子供までも不幸にした、このアルツハイマーの老人に腹が立ってきた。日本ではこんな事が起こっていませんように。アルツハイマーは、突然起こる病気ではないのだから、家族に頼らず、自分で施設だって看護婦さんだって初期段階で見つけられるはず。辛口だけど、私は周りを不幸にするこんな老人にはなりたくない。