今日は注文していたキャンバスが届いたので

お店に取りに行ってきました。

 

 

絵を描く時、

どうしてキャンバスを使うんだろう?

アート好きの人なら、そう疑問に思ったことが

ある人もいるはず。

 

むかしむかし、ヴェネツィアの芸術家たちは

イタリアの湿潤な気候のせいで、

せっかく描いた絵にカビが生えたり

すぐ痛んでしまうことを悩んでいました。

そんな中、誰かが

「雨風に強い船の帆布使ってみたら

いいんじゃない?」と言い

実際に帆布を使ったところ、

いい状態で長期間保存できるようになった

という歴史があるのだそうです。

 

ちなみに、キャンバスに描かれた油絵として

最も古い作品の1つは、1410年ごろに

フランスで描かれた絵画らしいです。

 

612年前ですよ。笑

600年以上保存が可能って、、

帆布最強ですね。

 

私も抽象画を描く時に、

キャンバスを使います。

 

キャンバスには種類やサイズがたくさんあって

選ぶのに一苦労するのですが、

今日は簡単に「私流キャンバスの選び方」

をまとめてみました。

 

キャンバスを選ぶときは、

・サイズ

・号数

・素材

・目の粗さ

・留め方(横留め or 裏留め)

大体この5つを検討します。

 

キャンバスの基本サイズは4種類。

・S(Square)正方形

・F(Figure)人物

・P(Paysage)風景

・M(Marine)海景

作品のイメージに合わせて選びます。

 

世界堂ホームページより引用

私は、SかFを選ぶことが多いです。

 

キャンバスの基本号数は、

0号~500号まであり

最小の0号は長辺が180㎜(0.18m)

最大の500号は長辺が3333㎜(3.33m)です。

私がよく選ぶのは30、40、50号あたり。

長辺が1m前後のものです。

海外への輸送のしやすさやも考慮しています。

 

キャンバスの素材は、

いくつか種類がありますが

麻布・綿布がよく使われます。

私はもっぱら麻布です。

 

キャンバスの目の粗さは、

麻布に関して言うと

粗目・中目・細目があります。

 

粗目は、大作を大胆に書いたり

厚塗りをする場合に適しています。

中目は、色んな書き方に向いていて

アマチュアからプロまで

幅広く使われています。

細目は、細密な描写に適しています。

 

それぞれ3種類の粗さの中から更に

2~3段階の粗さが展開されます。

私は、普段は中目のキャンバスを

使っています。

 

キャンバスの留め方は、

・横留め

・裏留め

の2種類があります。

 

横留めとは、キャンバス生地を

木枠の側面でビス留めしたもの。↓

 

裏留めとは、キャンバス生地を

木枠の裏側で留めたものです。↓

※裏留めキャンバスは、

「裏張りキャンバス」または

「包み張りキャンバス」とも呼ばれます。

 

 横留めのキャンバスのメリット・デメリットは

価格が安く店頭で求めやすいのですが、

側面にビスが見えてしまうのが難点。

 

一方、裏留めのキャンバスは、

側面はキレイなのですが、

木枠を包み込んで張る必要があるため

使用するキャンバス布の面積が

どうしても広くなってしまうこと、

そして、張るときに特別な工程が必要なので

横留めキャンバスよりも値段が高くなります。

こちらは、店頭に置いていない場合が多いので

別途注文する必要があります。

(自分でキャンバスを張る人もいます。)

 

私は、普段は裏留めキャンバスを選びます。

クライアントによっては額縁を付けずに

キャンバスだけで飾る方もいます。

ですので、キャンバスの正面だけでなく

側面まで見られることも考慮します。

そうなると、キャンバスの側面も

作品の一部ですから

側面にビスが見えるのは

あまり好ましくありません。

 

 

最後になりましたが、

キャンバスの平均価格帯です。

サイズ、号、留め方などで価格が前後しますが

私が購入しているところでは、

 

キャンバス一枚あたりの定価

【30号】 10,000~15,000円+税

【50号】 18,000~21,000円+税

ここに割引が入って20~30%OFF

 

という感じです。

ネットの価格と比較すると

やや高い方かもしれませんが

木枠の強度や品質などを考慮して

いまのところこちらを使用しています。

 

ウッドショックの影響で

年々原材料が手に入りにくくなり、

また新型コロナの影響で

物資コストや副資材の価格が上がり

キャンバスの価格も高騰しています。

 

キャンバスの値段って

あまり知られていませんが、

実はこんな感じです。

 

 

余談:

個人的にキャンバス選びで一番難しいのが、

キャンバスのサイズと号数を決めるときです。

 

キャンバスのサイズと号数は

作品の仕上がりや印象に大きく影響するので

とても慎重に選んでいます。

 

作品制作と聞くと、

キャンバスと向き合っている姿を

イメージする人が多いかもしれませんが、

キャンバスを選ぶ、

使う道具を選ぶ(または作る)

といった過程も全て制作に含まれます。

 

描き始める前も、色んな事に神経を使います。

なので制作期間は基本ヘトヘトです。笑