S8  90-7  ルージュ・ボマー | レクイエムのブログ

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「うわぁぁぁ!来るなぁ!」

「あっち行け!!あっち行け!!」


利用客が我先にと水族館の外へ逃げ出す中、突如大量発生した黒いゲル状のカエル達は襲いかかってくる。葵隊の隊員達が応戦し、なんとか避難経路を確保している。


SWORD隊員「仮面を壊せばいいとは言っていたが……!」

「クソッ!館内だから大した装備してないぞ!?」


「うわぁぁぁ!!ママー!!」


すると利用客の子どもが足を滑らせてしまい、倒れ込んでしまった。それに気付いたカエルが子どもに襲いかかろうと迫ってくる。


玲作「クソ……!子どもに手ェ出そうとするんじゃねー!」


楠雄「俺達は未来の葵隊なんだ!カエルごときに日和っててたまるかぁ!!」


アルバイトの立場でも、子どもが泣いているところを目の当たりにした指鞠と二亀が掃除用具を振り上げてカエルに立ち向かっていく。するとその時だった。カエルの体が仮面ごと、両断されたのだ。


北斗「お前達……子どものために異形にも恐れることなく向かっていく姿、見事だ。 後は俺達に任せて早くその子を逃がしてやれ。」


楠雄「はっ……はい!」


駆けつけてきたのは、実力派の海上保安部の隊員達だった。指鞠達が子どもを逃がすと、すぐさま戦闘が始まった。


星壱「ウチでもカエルは展示しているが……こんなカエルはお断りだなぁ!ガッハッハッハッ!!」


北斗「火気厳禁とは……炸裂弾が使えないとはいえ、殲滅には全く問題は無い。 全部斬り捨てる。」


戸華莉「今度は人が相手じゃないから大丈夫……!〔シンドバッドジャーニー〕!!」


驚くほどのペースでカエルが殲滅されていくなか、中でも特に勢いが凄まじかったのは飛鳥馬と板東だった。巨大な触手で次々とカエルを仮面ごと押し潰したり、煙と共に伸びる骸骨の腕に近付くだけでまるで風船が萎むかのようにカエルが消えていく。


倫太郎「あまり大きすぎると一般人を巻き込んでしまいますからね……良い感じに調整できて良かったです。」


瑠香「アンダーザシーの能力も効くようで良かったわ。」


北斗「しかし……数が多すぎるな。」


海上保安部の殲滅力は確かに凄まじいものの、それでもカエルはどこからともなく次々と増えていく。


戸華莉「能力者本体を狙わないと厳しい……かも……」


星壱「なら潰しまくって無理やり引き釣り出すか!?ガッハッハッハッハ!!」


倫太郎「……それは、難しいかもしれませんね。」


飛鳥馬が警戒態勢に入る。飛鳥馬の目の前で、カエル達が集合を始め、より巨大なカエルとして立ちはだかる。


倫太郎「今、上ノ原さんも動いているようです。本体の捜索は彼女に任せて……僕らはコイツらの処理をしましょう。」


一方、イルカのプールの方でも激戦が繰り広げられていた。腕を破壊されてもフラミンゴは持ち直し、再び距離を取る。


フラミンゴ『本当に苛つく方々ですこ……と!!』


するとフラミンゴが腕を使い、高スピードで観客席を回り出した。観客席はプールを全方位囲うように設置されている。そして中心にいる葵達めがけ、 触手のような腕を次々と振り下ろしていく。


理央人「流石に照準が合わせづらい……!」


えれな「なら……接近して叩くだけでしょ!」


スレッジハンマーを持ち、瀬ノ内がフラミンゴの追跡を始める。しかしフラミンゴも瀬ノ内の追跡を簡単に許さない。中央のプールにいる葵達を狙いながらも、他の腕で瀬ノ内を狙う。


フラミンゴ『しつこいですわよ!それよりも、そんなに近付いて大丈夫ですの?』


えれな「もう!大人しくしなさいよ!」


理央人(とはいえ、このまま動かれると彼女の好きなタイミングで起爆スイッチを押される……!それがどこに隠されてるか分からないなら、爆薬を狙うしか……!)


駆け回るフラミンゴを瀬ノ内が追っていた、 その時だった。 逆方向から強い風が吹いてきた。風島だ。風島が駆けつけてきたのだ。


剛「こっちはな、先輩が俺らのこと慰めるためにここに連れて来てくれたんだ!そして……もう2度と!目の前で誰かを失ってたまるかよ!!」


自分達の非力さから猪原を失い、折れかけていたところを上ノ原は手を差し伸べてくれた。それに応えるのは当然だと風島は決意を固めていた。葵達に注意が向いていたフラミンゴの反応が遅れる。


フラミンゴ『クッ……!』


剛「遅ぇ!!」


竜巻のような風を纏った風島の跳び蹴りが、フラミンゴの胴体を捉えた。弾かれたフラミンゴの体が速度を失い、宙を舞う。そこを葵は逃さない。


理央人「ありがとう、風島君。 これで撃ちぬける。」


その瞬間、プールから現れたのは巨大な水の塊だった。それがロケットランチャーのように放たれ、フラミンゴに着弾すると水飛沫を激しく上げた。それによりフラミンゴの体が弾き飛ばされる。


えれな「よし!決まった!」


剛(ダイナマイトも濡れた!これで爆発は防いだ!)


フラミンゴ『ふっ……!あっはっはっはっはっ!!』


頼みのダイナマイトが濡れたにも関わらず、フラミンゴは高笑いをした。そして醜悪な笑みを浮かべながら、葵の方に体を向ける。


フラミンゴ『こんなダイナマイト、〔フェイク〕に決まっているでしょう!?誰がこんな水の多いところで火薬なんて使いますの!?』


その時、フラミンゴの顔にヒビが入り、左側のパーツが剥がれ落ちた。その下から現れたのは、金管が使用された爆弾だった。


理央人「何ッ!?」


フラミンゴの顔の下から現れた爆弾に気付いたと同時だった。突然入り口から館内に蔓延っていたカエルが押し寄せてきたのだ。 カエルは風島達を押し退け、フラミンゴの側に駆けつけてくる。


剛「ヤベェ!!この数は……!」


理央人「くっ……!この数同時は……間に合わない!」 


フラミンゴ『これで最期ですわ葵 理央人! 私と一緒に!地獄に行ってもらいますわぁ!!』