水と霊によって生まれ変わる 1
1.【はじめに】(2)
『神は、宇宙を造り、地球を造り、人間を造られました。
神は、人間をこの上なく愛して造られました。ご自分の似姿に似せて造られたほどです。
そして人間の最も重要な核の部分には、ご自分の思いが分かるように、霊というものを置かれ、そこに、魂と肉体を着せました。霊の部分には、人間が幸せに生きて、肉体が滅びた時にはご自分のもとに戻ってきて、永遠に共に過ごせるようにという、計画(至福の計画)がインプットされていました。このようにして神は第3の天から、第1、2の天の中に人間を創造されたのです。土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられたのが最初の人間であるアダムです。』
しかし、最初の人、アダムはやがて神を裏切ってしまいます。このことによって人間の核となる霊は死んでしまいました。
霊が死んで核を失ってしまった人間は、魂と肉体だけで生きるほかありません。造り主である天の父の思いを知ることができず、第3の天に帰って父と共に生きるという、至福の計画の道を外れた生き方をし始めます。
このアダムの裏切りの場面で重要なのは、アダムをそそのかした存在があった、ということです。それが、ヘビです。ヘビは、助け手であるエバをそそのかし、エバに誘導されたアダムも、神から禁じられていた善悪を知る木の実を食べてしまったのです。霊では、神に従いたいと思っていたのに、霊を覆っている魂と肉体の思い(肉の思いは霊的死)ゆえに神との約束を破り“食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましく思えた”その実を食べてしまいました。その瞬間にアダムの内にあった霊が死んでしまったのです。結果として、神と人は交わりを持つ事ができなくなってしまったのでした。これがヘビの目的だったのです。ヘビは、人間をそそのかし魂と肉体の思いを巧みに利用して、神と人間との間を隔てることに成功したのです。ヘビは神に愛されている人間を妬んでいたのです。
アダムは神に造られた最初の人間でした。その子孫である私たちは皆この裏切りの血を受け継いでいます。アダムの霊が死んだのなら、当然その後に続いている全人類の霊も死んでいるのです。
霊が死んで、魂と肉体だけで生きる生き方は、常にヘビにそそのかされながら生きていくようなものです。ヘビは巧みに人間をそそのかし至福の計画から外れた人生を歩かせようと日々、策略を張り巡らせているのです。
<創世記2:15~3:24>
主なる神は人を連れて行ってエデンの園に置き、これを耕させ、これを守らせられた。主なる神はその人に命じて言われた、「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」。
また主なる神は言われた、「人がひとりでいるのは良くない。彼のために、ふさわしい助け手を造ろう」。そして主なる神は野のすべての獣と、空のすべての鳥とを土で造り、人のところへ連れてきて、彼がそれにどんな名をつけるかを見られた。人がすべて生き物に与える名は、その名となるのであった。それで人は、すべての家畜と、空の鳥と、野のすべての獣とに名をつけたが、人にはふさわしい助け手が見つからなかった。そこで主なる神は人を深く眠らせ、眠った時に、そのあばら骨の一つを取って、その所を肉でふさがれた。主なる神は人から取ったあばら骨でひとりの女を造り、人のところへ連れてこられた。
そのとき、人は言った。「これこそ、ついにわたしの骨の骨、わたしの肉の肉。男から取ったものだから、これを女と名づけよう」。
それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。人とその妻とは、ふたりとも裸であったが、恥ずかしいとは思わなかった。
さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」。女はへびに言った、「わたしたちは園の木の実を食べることは許されていますが、ただ園の中央にある木の実については、これを取って食べるな、これに触れるな、死んではいけないからと、神は言われました」。へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」。女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合わせて、腰に巻いた。
彼らは、日の涼しい風の吹くころ、園の中に主なる神の歩まれる音を聞いた。そこで、人とその妻とは主なる神の顔を避けて、園の木の間に身を隠した。主なる神は人に呼びかけて言われた、「あなたはどこにいるのか」。彼は答えた、「園の中であなたの歩まれる音を聞き、わたしは裸だったので、恐れて身を隠したのです」。神は言われた、「あなたが裸であるのを、だれが知らせたのか。食べるなと、命じておいた木から、あなたは取って食べたのか」。人は答えた、「わたしと一緒にしてくださったあの女が、木から取ってくれたので、わたしは食べたのです」。そこで主なる神は女に言われた、「あなたは、なんということをしたのです」。女は答えた、「へびがわたしをだましたのです。それでわたしは食べました」。主なる神はへびに言われた、「おまえは、この事を、したので、すべての家畜、野のすべての獣のうち、最ものろわれる。おまえは腹で、這いあるき、一生、ちりを食べるであろう。わたしは恨みをおく、おまえと女とのあいだに、おまえのすえと女のすえとの間に。彼はおまえのかしらを砕き、おまえは彼のかかとを砕くであろう」。
つぎに女に言われた、「わたしはあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い、彼はあなたを治めるであろう」。
更に人に言われた、「あなたが妻の言葉を聞いて、食べるなと、わたしが命じた木から取って食べたので、地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る、あなたは土から取られたのだから。あなたは、ちりだから、ちりに帰る」。
さて、人はその妻の名をエバと名づけた。彼女がすべて生きた者の母だからである。主なる神は人とその妻とのために皮の着物を造って、彼らに着せられた。
主なる神は言われた、「見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生きるかも知れない」。そこで主なる神は彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させられた。神は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと、回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせられた。
さて、ここに出てくる、人間を惑わす狡猾なヘビとは、何でしょうか・・・
聖書には、このヘビこそがサタン(悪魔)であると書かれてあります。サタンは、もともとは第3の天において、天の父に最も仕えていた天使でルシファーと呼ばれていました。彼は、神を褒め称える賛美の働きをしていましたが、次第に高ぶり始め、神と同等になろうとしました。天では戦いが起こり、神はその高ぶった天使を第3の天から追放し、その下の第1の天である地上に落としました。そして、地獄を用意され、時が来たらそこに行く事を定められました。サタンは、地獄に行くその日まで、第1、2の天の中においての神になったのです。
<ヨハネの黙示録12:7~9>
さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。
ヘビがエバをそそのかした言葉に、「その実を食べると神のように善悪を知る者となる・・・」とありますが、これは、神に対しての裏切りや、背き、高ぶりが、どんなに神とその人の間を隔てる罪なのかを、身をもって知っていたから言えた言葉だったのです。
サタンは自分にある地獄行の定めが変えられない事を知っています。そして、それは自分が神に対して犯した罪の大きさの故だという事も知っているのです。ですから、肉体が死んだ後に神と共に第3の天、天国で永遠に暮らせる希望のある人間をこの上なくねたんだのです。そして自分と同じ地獄へのルートに乗せてやりたいとこの地上にある、ありとあらゆるものを使って、現在に至るまで人間に対して数々の策略を張り巡らせているのです。
実はこの世界は、私たち人間によって成り立っているのではなく、私たちがこの地上に存在するよりはるか昔から神とサタンとの関係があり、人間はこのようにして出来上がった世界に生かされているにすぎないという事がわかります。
サタンは、第1、2の天を支配しており、また地下の地獄にはサタンの手下の悪霊どもがいます。サタンは、これらの悪霊を自由に地上に送り込み、その悪しき力を持って人間たちに働きかけることができます。その悪霊の種類は6000ともいわれ、それらはすべて真の神を見えなくして神に対して罪を犯させるためのサタンの武器です。偽りの神を作り上げる宗教・カルト・偶像礼拝の霊力、地上の人生だけが全てであると自分の欲や快楽の中に生きさせようとする、神より快楽を愛する霊力、神が定めた正しい人間としての生き方に背かせる反キリストの霊力。また、心身に働きかけ圧迫し、病気にさせて苦しめたり、不慮の事故などで突然命を落とすなどということについても、地獄からの悪霊どもがサタンの命令のもとに働き、人間を罪と苦しみの中に閉じ込めてしまっているのです。