梅の香りに酔いしれている…と書きましたが、
鉢植えのヒヤシンス。
とても強い香りを放っています。
スイセン、クチナシ、ユリ、キンモクセイ、
香りの強い花は多々ありますが、ヒヤシンスは特に強烈です。
1階の香りが2階にまで届くほどですから。
私には、ヒヤシンスに特別な思い出があります。
「学習」と「科学」という雑誌をご存知ですか?
学研が発行していた小学生向けの学習雑誌で、なんと学校で販売していたもの。
(正確には、注文&受け渡しが、校内で行われていた。
学校がマージンとっていたかは不明)
学習には文系の、科学には理系の付録がついていました。
どちらも趣向を凝らした付録で、子どものハートをわしづかみ。
両方買ってもらえない子は、どちらにするのか、苦渋の選択を迫られます。
私はずっと「学習」派でしたが、
3年生になったら、「科学」にすると心に決めていました。
なぜなら、3年の科学には、水栽培セットがついてくるから
多分、秋頃の付録だったと思いますが、私はこれを楽しみに待っていました。
と・こ・ろ・が
なんと、水栽培セットが販売される月、父の転勤で、転校することになりました。
「科学」の販売日はまだ先です。
転校先の学校で、すぐに申し込めば大丈夫…と親に説得され、
折れそうになる心を励ましながら、新天地へ。
それなのに、転校先の学校では、販売日が終わっていました…
かくて、あんなに楽しみにしていたヒヤシンスの水栽培セットを
手中に収める夢が泡と消えました。
当時は、プレゼントといえば、誕生日とクリスマス。
なんでもない普通の時に、おねだりなんかできません。
学習と科学は、数少ない、面白いモノを手に入れる機会だったのです。
友達の家にある水栽培セットのヒヤシンスが、
少しずつ根を伸ばしていくのを、指をくわえて見ていました。
…というような甘酸っぱい思い出があるため、ヒヤシンスには並々ならぬ憧れがありました。
高校生くらいの時、お小遣いで初めての水栽培セットを購入。
以来、何十個と栽培してきました。
私の春になくてはならない植物です。
そのヒヤシンスが今、同じ室内で梅と香りを競っています。
どちらもいい香りなんですが、混ざると梅が負けます…。
片や洋花、片や和花、だいたい同じ花期、共存は難しいそうなので、
飾る部屋を1日置きに変えて、両方がのびのび避けるよう、取り計らわせていただきました。
こういうの、嬉しい悲鳴っていうのかしら…。